ヒッチコックが愛したグレース・ケリーとは!映画「めまい」あらすじ感想!

ヒッチコックが愛したグレース・ケリーとは!映画「めまい」あらすじ感想!

ヒッチコックは、テレビシリーズ「ヒッチコック劇場」で日本のファンをつかんだ

ヒッチコック監督と聞けば、往年の洋画ファンなら、サスペンス映画と答えるでしょう。しかし、まだテレビが白黒だった頃、アメリカで制作された「ヒッチコック劇場」というテレビシリーズが、日本の茶の間で人気となります。ですから、60代以上の人には、ヒッチコックの名が意外によく知られています。フジテレビの「世にも奇妙な物語」で、ストーリーテラーとして冒頭にタモリが登場するのは、「ヒッチコック劇場」のヒッチコックのパロディといえます。

アルフレッド・ヒッチコックは1899年イギリスロンドン生まれ。1980年、80歳の時、アメリカロサンゼルスで亡くなっています。若い頃、ロンドンにあったアメリカの映画会社の支社に、タイトルデザインを売り込み、そのキャリアをスタートさせまたヒッチコック。そして1938年、「バルカン超特急」というスパイ映画を制作して、ハリウッドから注目をされます。

ヒッチコック映画に登場するブロンド美女No.1は、モナコ大公妃となったグレース・ケリー

ヒッチコックは1940年代にアメリカに渡り、サスペンスやコメディなど、さまざまな名作を世に出します。同時にヒッチコックは、多くの俳優たちをトップスターに育てました。中でも、後にモナコ大公妃となったグレース・ケリーの知的で凛とした美しさは、他の女優を圧倒していました。「裏窓」や「ダイヤルMを廻せ」など、ヒッチコックサスペンスの1つのパターンであるブロンド美女の活動的なヒロインは、やはりグレース・ケリーがNo.1でしょう。そしてもう一人のブロンド美女が、「めまい」のキム・ノヴァクです。

映画「めまい」のあらすじは、高所恐怖症をモチーフに、妻殺しを計画した犯人のアリバイ作りに利用される、元刑事の鬼気迫るサスペンス。殺される妻と、殺しの手助けをする妻とうり二つの女を、キム・ノヴァクが妖艶に演じています。

ヒッチコック演じたアンソニー・ホプキンスの役作りがスゴい!映画「ヒッチコック」あらすじ感想!

ヒッチコックを演じたのは、あの「ドクターハンニバル」アンソニー・ホプキンス

ヒッチコックは、身長はそう高くないものの、でっぷりと太っている上、のっぺりとした大きな顔、鉤鼻と、分厚い受け口の唇で、なかなかインパクトがあります。近年のハリウッドで制作される自伝映画は、いかにヒッチコック本人に似ているかがヒットの分かれ目。ヒッチコックを演じる俳優が、本人のしぐさやくせを完璧にマスターするのは当然ですが、特殊メイクによって、ほぼヒッチコック本人になりきるパターンも多いようです。2012年に公開された映画「ヒッチコック」では、「羊たちの沈黙」でドクターハンニバルを演じた名優、アンソニー・ホプキンスが、特殊メイクでヒッチコックになりきっています。

ヒッチコックの名声と才能の陰に、妻アルマ・レヴィルがいた

「ヒッチコック」は、1960年に公開されたヒッチコック最大のヒット作であり、問題作であった「サイコ」の、映画より面白い制作の舞台裏を描いています。そして、映画「ヒッチコック」のもうひとつのテーマが、ヒッチコック夫妻の一風変わった夫婦愛。一般にはあまり知られていませんが、ヒッチコックが多くの名作を世に出せたのは、妻アルマ・レヴィルの的確な助言があってこそだったそうです。

映画を撮っては、ヒロインのブロンド美女に惚れ込んでしまうヒッチコックを、妻のアルマ・レヴィルは、陰ながらささえた賢婦人でした。映画では、実際の猟奇殺人事件、エド・ゲイン事件をモチーフにした「サイコ」が、いかに紆余曲折を経て制作されたかだけでなく、ヒッチコックとアルマの間に日常的に生じる、猜疑心や不安、怒りや恐れなど、夫婦の心理描写が、スリリングに描かれています。ちなみにアルマの役は、「クィーン」でエリザベス2世を演じた、イギリスの国民女優、ヘレン・ミレンでした。

ヒッチコックに挑んだアンソニー・ホプキンスも驚く、ヒッチコックの多彩なサスペンス作品

アンソニー・ホプキンスは、ヒッチコックだけでなく、ウォーターゲート事件で任期中に辞任した唯一の大統領を描いた「ニクソン」で、リチャード・ニクソンを。20世紀の天才画家の生涯を描いた「サバイビング・ピカソ」で、パプロ・ピカソ。変わったところでは、「世界最速のインディアン」で、バイクとスピードに魅せられたレーサーのバート・モンローを演じています。アンソニー・ホプキンスの、演技の幅やうまさには驚嘆するものがありますが、ヒッチコックの作品もまた、サスペンスの中にさまざまな趣向がみられます。

例えば正統派サスペンスとしては、「レベッカ」や「ダイヤルMを廻せ」がありますが、サスペンスに少しロマンチックな要素を加えたのが、「北北西に進路を取れ」や「裏窓」。そして、まさに異常心理にせまったのが「眩暈」や「サイコ」などです。またサスペンスというよりは、現在におけるパニックムービーの走りともいえる「鳥」などの作品もあります。まさに手を替え、品を替えての職人ぶり。アルフレッド・ヒッチコックは、1940年代から1950年代にかけ、ハリウッド映画の頂点に君臨する監督でした。しかし、その特異なキャラクターと才能の陰には、最強最高のパートナーである、アルマ・レヴィル夫人の存在があったとは、映画界のリアルスリラーといえます。

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