安藤友香の忍者走りに日本女子マラソン復活が見えた!

安藤友香のフォーム・忍者走りの秘密!2度の移籍の理由とは?

安藤友香の忍者のような走り方の秘密!省エネフォームとは?

安藤友香は、日本女子マラソン界に彗星のごとく現れた新星です。8月にロンドンで行われる世界陸上選手権の最終選考にもなっている、名古屋ウィメンズマラソン(2017年3月12日)でマラソンデビューした安藤友香。初マラソンにして2時間21分36秒という好タイムをマークしました。その結果、日本人最高位の総合2位に入り、ロンドン大会の代表に内定。名古屋ウィメンズマラソンでは、忍者のように走る独特なランニングフォームが「忍者走り」と言われ、見る人の注目を浴びていました。

その「忍者走り」について当人は、もともと上半身の使い方が適切でなく、腕の振りを足の動きと連動させるための対応が必要だったことを説明しています。その上で、「それでこういう走り方に。私としてはまったく違和感がない」と語っています。上半身の動きがほとんどなく、地面を滑るように走るフォームはまさに省エネ。後半への体力温存にも効果的であるようです。

安藤友香は独特なフォームを貫いた結果、所属チームを2度も移籍?

安藤友香は、高校を卒業すると、スポーツメーカーのミズノが運営する陸上クラブ「チームミズノアスレティック」に所属しました。しかし、2年後には、静岡県御殿場市にあるレジャー会社「時之栖(ときのすみか)」に移籍します。しかし「時之栖」も長く続かず、2014年には、スズキ浜松アスリートクラブへ移籍。学生時代から、「忍者走り」「乙女走り」などとも言われる独特なフォームを指導者に修正され続けてきました。それでも走ることを諦めず、ランニングフォームへのこだわりも捨てずにたどり着いた先が、現在も所属するスズキ浜松アスリートクラブでした。

クラブの里内正幸コーチらの元でフォームを極めることができた安藤友香は、初マラソンで、見事にその成果を出したと言えるでしょう。安藤友香は、2度にも及んだチーム移籍で周囲に迷惑をかけていると感じながらも、自らの走りを貫き、理想のフォームを手に入れた結果、人との出会いが大事なことに改めて気付くことができたと語っています。

安藤友香の出身校やプロフィール!マラソン戦績は?

安藤友香はマラソンの名門校出身!片道30分を通った小学生時代があった

安藤友香は、1994年3月16日生まれの23歳。岐阜県海津市出身です。海津市は、愛知県と三重県に隣接し、伊勢湾にほど近い長良川沿いにあり、千本松原でも有名な土地です。安藤友香は自宅から歩いて30分のところにあった市立大江小学校に通っていました。小学生の足で毎日往復1時間。このころからすでに安藤友香の足は鍛えられていたのかもしれません。市立日新中学校に進学した安藤友香が最初に入部したのはハンドボール部でした。

しかし、部員数が多かったため、陸上部に転部。こうして長距離に取り組むようになった安藤友香は、すぐに頭角を現し、中学2年と3年の時には、皇后盃全国女子駅伝(都道府県対抗)の3区に出場しています。高校は、陸上競技の名門・愛知県にある私立豊川高等学校に進みさらに力をつけていきました。箱根駅伝で活躍した青山学院大学の一色恭志(いっしきただし)や、東洋大学の服部弾馬(はっとりはずま)も豊川高等学校出身です。

安藤友香は初マラソンで歴代4位の好タイムを記録!

安藤友香は、2017年3月12日に出場した名古屋ウィメンズマラソンが、初マラソンです。叩き出したタイム、2時間21分36秒は、初マラソンとしては歴代最高記録。日本女子の歴代記録としても4位です。その結果、ロンドン世界陸上の代表の座を堂々と内定させました。ちなみに、シドニーオリンピック金メダリスト高橋尚子の初マラソン記録は2時間31分32秒。アテネオリンピック金メダリストの野口みずきは2時間25分35秒です。

また、日本女子の歴代記録1位の2時間19分12秒を持つのは野口みずき、2位は渋井陽子の2時間19分41秒、そして高橋尚子が2時間19分46秒の3位です。コースや天候の影響もあるでしょうが、初マラソンで驚くべき好タイムを記録した安藤友香には、今後の伸びシロにも期待してしまいます。歴代記録1位との差は、2分24秒。これは、安藤友香の初マラソン記録のラップタイムから1kmあたりおおよそ4秒ずつ縮める必要があります。しかし、さらなるトレーニングによってはそれも夢ではないでしょう。

安藤友香の「忍者走り」に高橋尚子も「末恐ろしい」と賛辞を送った!

安藤友香が、一般参加で出場した名古屋ウィメンズマラソン。解説者として間近でレースを見ていた高橋尚子は、安藤友香の走りに心から驚いた様子でした。安藤友香の「忍者走り」を見て、1990年代に一大旋風を巻き起こしたという「馬軍団」に似ていると高橋尚子は指摘しています。「馬軍団」とは、中国・遼寧省の優秀な長距離選手を集めた20人規模のトレーニングチーム。上半身をリラックスさせるピッチ走法が採用されていました。

「馬軍団」の無駄な動きを極力抑えようとする走り方には、安藤友香の「忍者走り」と共通するところがあるようです。タイムに関しても、初マラソンで2時間21分36秒という結果に、「末恐ろしい」と感想を語っています。なぜ「末恐ろしい」のかというと、高橋尚子自身、初マラソンで2時間31分32秒を記録した後、10分以上もタイムを縮めた経験を持っているからです。

仮に、安藤友香が名古屋ウィメンズマラソンで出したタイムから10分早く走ったとしたら、2時間11分台ということになります。女子における世界記録は、イギリスのポーラ・ラドクリフが2003年に出した2時間15分25秒ですから、たしかに恐ろしいタイムです。高橋尚子は現役時代、現在の安藤友香以上に走り込んでいました。

それに比べると、少ない練習量で素晴らしい走りを実現している安藤友香は、「私よりも素質がある選手」と称賛。さらには、「切り替えの力がついてくれば、世界で戦える選手になる」と、プロランナーとしてのアドバイスも忘れませんでした。23歳で伸び盛りの安藤友香。今後も順調に練習を重ね、2020年東京オリンピックでも活躍してほしいですね。

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