ちばてつや作品「トモガキ」「餓鬼」とは?昔は少女漫画家だった!?

ちばてつや作品「トモガキ」「餓鬼」とは?昔は少女漫画家だった!?

ちばてつや、自身がモデルの「トモガキ」と伝説のトラウマ作品「餓鬼」

ちばてつやは、現在77歳。現役の漫画家ではかなりの高齢になります。現在は、連載などはしていませんが、1984年の創刊当時から表紙イラストを担当している「GOLFコミック」では、現在も変わらず表紙を飾っています。ちばてつや作品には、タイトルが似ている「トモガキ」と「餓鬼」という作品があります。これは繋がりのない、全くの別物。「トモガキ」は、2008年、ちばてつやが69歳に執筆した作品です。

主人公は、20歳当時のちばてつや自身。赤塚不二夫、手塚治虫など、トキワ荘に住んでいた有名な漫画家たちとの交流が描かれています。対するちばてつやの「餓鬼」は、凶悪な犯罪者として一生を終えることになった少年の、人生と金をめぐる人間の醜さが描かれている作品です。あまりにも衝撃的な作品のため、トラウマ作品として、「餓鬼」の名前を真っ先にあげる読者も多数います。

ちばてつや、デビューは少女漫画?意外な経歴

ちばてつやといえば「あしたのジョー」や「ハリスの旋風」、「おれは鉄平」や、近年アニメ化もされた「のたり松太郎」などが有名です。いずれの作品も、少年漫画誌、青年漫画誌に連載されてきました。しかしちばてつや、若いころは少女向け雑誌に漫画を連載していた、少女漫画家だったのです。ちばてつやのデビューは、貸本「復讐のせむし男」で、当時は17歳でした。雑誌でのデビューは19歳だったちばてつやは、当時、「少女クラブ」や「少女ブック」に作品を掲載していました。

デビュー作は「舞踏会の少女」。その後、1961年に週刊少年マガジン誌上で、福本和也原作の野球漫画「ちかいの魔球」の連載が開始され、ちばてつやは、少年漫画にも活躍の場を広げていきました。しかし、それと同時に、1968年週刊少女フレンドで連載された「テレビ天使」まで、少女誌にも執筆を続けていたのです。

ちばてつやがくまモンに変身!?漫画家・桜木さゆみのファンって本当?

ちばてつやがくまモンの絵で熊本の被災者を元気づけた!

ちばてつやが、自身のブログで絵を発表したのは、4月18日のことでした。自身も、くまモンをほうふつとさせるようなマスクをし、みんながけがをしたくまモンを励ましています。大きな被害をもたらした熊本地震。その被災者を励まそうと広がった輪の始まりは、ちばてつやの友人、漫画家の森田拳次でした。

けがをしたくまモンの絵に「くまモンがクマっている助っ人にいくベア」と描かれた一枚のイラストが契機となり、ちばてつやをはじめ、「はじめの一歩」の作者森川ジョーらが賛同し、Twitterを通して大きな広がりを見せました。後に続けといわんばかりに、その後も「ONE PIECE」尾田栄一郎や、「進撃の巨人」諌山創ら、九州出身の漫画家もイラストを公開したくまモンの絵は、くまモン頑張れ絵とハッシュタグがつけられ、現在も被災者を勇気づけています。

ちばてつやはヨゴレ漫画家桜木さゆみのファンなの?

ちばてつやは、あの漫画の神様・手塚治虫が認めた漫画家。知らない人はいないくらいの代表作もある、日本を代表する漫画家の一人です。そんなちばてつやが、ヨゴレ漫画家の代表格ともいえる、桜木さゆみのファンだという噂が流れています。桜木さゆみは、自身をネタにした下ネタ漫画を多く執筆する作家です。時折、姉である声優の柚木涼香をネタにした作品も発表しており、話題になっています。

あまりにも接点がなさそうに見えるちばてつやと桜木さゆみ。実際、明確な接点が認められるエピソードはないようです。しかし、ツラヌキ怪賊団の舞台「Beautiful Runner」では、桜木さゆみ経由で依頼されたらしきちばてつやがチラシの絵を担当していることから、何らかの接点がある様子がうかがえます。

ちばてつや、長い時を経てアニメ化された泣ける名作短編「風のように」

ちばてつやが、1969年、少女フレンドに発表した短編「風のように」がアニメ映画化され、7月9日に、東京下北沢トリウッドにて上映されることになりました。クラウドファウンディングにより、資金が集められて作成されたちばてつやの「風のように」。養蜂家の家に生まれた少年、三平と、旅先で出会った少女、チヨを中心に、物語が進んでいきます。

何もかもを失い、やがて荒れ地を開墾して姿を消した三平と、彼を待ち続けるチヨ。ちばてつやがあこがれを抱いた、蜂とともに各地を旅してまわる養蜂家という職業と、時代によって破壊されていく自然。ちばてつや自身が「無意識に誰かに描かされたようだ」と語るくらい、今という時代が抱える問題を的確に映し出し、環境問題を正面から提起した名作を、多くの人に知ってもらうために企画されました。

資金は、予定額を大幅に上回る額が集まり、主演の三平には声優・野沢雅子がむかえられ、無事に作成も終了されたそうです。完成披露試写会とトークショーにはちばてつや本人も出席して、制作を担当したスタッフへの感謝の言葉とともに、「新しい世界を見せてもらった。キャラクターの目が生き生きとよく描かれていた」と感想を述べました。

自然の中で暮らすのが夢だし、自然と共に生きている人間が好きだとコメントを寄せているちばてつや。環境破壊が起こり始めた最初の時代に描かれた漫画が、今、アニメーションという形に生まれ変わり、われわれ現代人に自然と生きるとはどういうことなのかを静かに問いかけます。

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