Coccoの病気は拒食症だけなかった!リストカットを繰り返した理由とは?

Coccoの病気は拒食症だけなかった!リストカットを繰り返した理由とは?

Coccoの病気は本当だった!雑誌「パピルス」で明かした拒食症とリストカットの傷跡

Coccoの不思議な言動や、独特な楽曲の歌詞は、稀有な才能を思わせると同時に、メンヘラ的な病気を囁く声が絶えませんでした。大きな瞳や、華奢な身体にも、どこか特殊な色が潜んでいるように感じさせられます。シングル「強く儚い者たち」や、アルバム「クムイウタ」の大ヒットで絶頂期にあった2001年、「歌えなくなった」として、音楽活動を一時休止したCocco。故郷沖縄の海を守る運動や、絵本作家デビューを経て、2006年には活動を再開したものの、表舞台に積極的に登場することはなくなってしまいます。

そんなCoccoが、2009年8月発売の雑誌「パピルス」の特集で、自ら語った病気は拒食症でした。Coccoは、同誌で、雑穀料理レシピのエッセイを連載中でしたが、それに反して、2008年5月から食事を全く受け付けない状態に陥っていたそうです。最も衝撃的だったのは、「パピルス」の表紙を飾ったCoccoの写真でした。細く折れてしまいそうな腕には、痛々しい傷跡が、無数に刻まれていたのです。

Coccoにとってリストカットは心身の安定剤だった!カミングアウトの理由とは?

Coccoには、拒食症だけではなく、自傷行為、つまりリストカット癖がありました。もはや、リストカットは日常生活の一部となっており、心身が疲れた時には、どんなリラックス法より肉体を傷つけることで安定を図っていたのだといいます。季節によらず長袖の服を着用するCoccoには、以前からファンの間で、リストカットが噂されていました。

”腕を切ってみた”という表現が登場する楽曲の歌詞もあります。「パピルス」で使用された写真は、いずれもノースリーブのワンピース姿。あえて晒した無数の傷の中には、「Live」と刻まれたものもありました。確かに生きる意志をもちながら、治療やカウンセリングを受けても、一向に回復の兆しが見えないCoccoがたどり着いた結論は、”歌っていくこと”でした。その意思表示のために、自らの病気をカミングアウトすると同時に、レシピエッセイと同名のシングル「こっこさんの台所CD」を発表しています。

Coccoの息子や結婚した夫は?「強く儚い者たち」「カウントダウン」歌詞の謎!

Coccoは息子を活動期間中に未婚出産していた?夫や父親の実像は謎のまま

Coccoは、2003年の写真週刊誌「FLASH」で、「もうすぐ3歳になる息子と沖縄で暮らしている」と、報じられています。Cocco自身は公表していませんが、この情報が正しければ、妊娠・出産は2000年頃。2001年以降の活動休止は、育休の可能性が高いようです。

息子は、是枝裕和監督がCoccoに密着した2008年公開のドキュメンタリー映画「大丈夫であるように」や、2012年のCocco主演映画「KOTOKO」に出演していますが、名前などは一切明かされていません。Coccoは、左手の薬指に指輪をしていた時期がありましたが、結婚した夫というのはいないようで、息子は未婚出産だったのではないかと見られています。息子の父親については、音楽関係者だとか、すでにこの世にはいないだとか、さまざまな噂が飛び交っていますが、全く謎に包まれたままです。

Cocco「強く儚い者たち」「カウントダウン」怖すぎる歌詞に込められた意味とは?

Coccoの代表曲「強く儚い者たち」は、聴けば聞くほど、歌詞の意味が謎を深めます。ABメロから、サビの”飛魚のアーチを潜って宝島に着いた頃、あなたのお姫様は誰かと……”を、そのまま解釈すると、守らねばと思っていたお姫様は意外に逞しく、恋心なんて儚いものだと言っているように聞こえます。全体を通して聞けば、恋人のある男性を誘惑する女性と、その囁きに惑わされる男性像も浮き彫りになってくる上、ゾッとさせられるのほどの人間への諦めさえ感じさせられるものです。

デビュー曲「カウントダウン」の歌詞はといえば、不貞を働いた恋人に銃を突きつけ、問答する狂気の愛を描いた作品です。ただ、”その鼻をへし折って、倒して蹴り上げるわよ”などの暴力的な表現や、最後は発砲音と荒々しい息遣いで締めくくられるという、非常に生々しい描写は只事ではありません。

Coccoの実体験であるはずはありませんが、こういった感情を持つような経験はあったのではないかと想像してしまいますよね。いずれの曲も、作詞のテーマを問われると「分かんねえ」と応じていたようですが、リストカットと同じく、鋭い言葉を曲に刻み付けることによって、あらゆる憂いを消化していたのかもしれません。

Cocco「樹海の糸」がNHKドラマ「運命に、似た恋」主題歌に!歌詞に込められた痛みの真実

Coccoの「強く儚い者たち」「Raining」に並ぶ1999年の代表曲「樹海の糸」が、2016年9月23日から放送されるNHKドラマ10「運命に、似た恋」の主題歌に決定しました。「樹海の糸」は、男女の愛憎のジレンマを、逃れられない”樹海”と”糸”になぞらえた、激しくも陰鬱な作品です。ドラマは、”ラブストーリーの神様”と呼ばれる北川悦吏子脚本で、原田知世と斎藤工が織りなす、大人のラブストーリーとのことですが、この曲をタイアップすることによって、奥底にある痛みを想像させられます。

Coccoについては、衝撃のデビュー曲「カウントダウン」からのほとんどの作品が、常に痛みや絶望に覆われていました。本人の動向も痛々しく、拒食症やリストカットを晒してまで、なぜ芸能界にしがみつくのかといった声も、一部では挙がっています。しかし、強烈な人間不信ともとれる表現の裏には、常に究極の愛や生への渇望があったのかもしれません。かつてCoccoは、歌うことは成仏であり、ライブは、それを供養する葬儀であると語っていました。

感受性が強すぎるがゆえに、普通では得難い痛みを抱えてしまうCoccoは、まぎれもなく、歌うことを宿命づけられた天才です。8月24日、Coccoの9枚目となるニューアルバム「アダンバレエ」が発売されました。リード曲「有終の美」のMVでは、かつてバレエダンサーを目指していたというCoccoの踊りが見どころとなっています。そこには、誰よりも真剣に”生”を求めてやまないCoccoのエネルギーを見た気がします。

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