「銀の匙」の休載理由が心配!作者がタイトルに込めた意味とは?

「銀の匙」は荒川弘の初めての週刊誌連載作品!あらすじネタバレ!

「銀の匙」は荒川弘の初めての週刊誌連載作品!「週刊少年サンデー」に移ったわけは?

荒川弘(あらかわひろむ)は、「鋼の錬金術師」が大ヒットした漫画家で、ペンネームと作風から男性と思われがちですが、女性です。

「月刊少年ガンガン」にて、約9年に渡った「鋼の錬金術師」の連載が完結した2011年、連載場所を「週刊少年サンデー」に変え、「銀の匙」をスタートさせました。掲載誌を変更したことに対しては、「いろいろな出版社からのお誘いがあった」と明かしている荒川弘。「週刊少年サンデー」の担当者から農業をテーマにした漫画の提案を受けたことと、同誌の読者アンケートで「将来について悩んでいる」という回答が多かったことが決め手となり、サンデーでの連載を決意したそうです。

これにより、初めて週刊誌に連載することに。内容は、荒川弘自身が農業高校の卒業生ということもあり、編集担当者からの提案通り、作者の実体験も取り入れた農業漫画。週刊というタイトなスケジュールの中で、他社の仕事も並行して進めながら、「銀の匙」連載中に第2子、第3子を出産した荒川弘は、バイタリティのある漫画家ですね。

「銀の匙」あらすじネタバレ!現代の農業経営の厳しさまで描く

「銀の匙」は、北海道にある農業高等学校を舞台に繰り広げられる学園漫画です。作者の荒川弘の出身地も北海道で、実家は酪農家なので、自身も北海道帯広農業高等学校を卒業し、7年ほどは、家業の酪農と農業を手伝いながら漫画を描いていました。

そんな自らの高校生活や、家業で得た実体験も、作品に大きく反映されているという「銀の匙」。主人公は、「八軒くん」や「ハチ」の愛称で呼ばれている八軒勇吾(はちけんゆうご)です。勉強漬けの毎日と、高圧的な父の存在から逃げる思いで、何の興味もなかった大蝦夷農業高等学校、通称エゾノーに入学したところから物語がスタートします。農家の跡取りや、将来酪農や農業につきたい生徒の集まりである大蝦夷農業高等学校では、勉強はさっぱりな生徒でも、いざ農業分野の話となると豊富な知識で勇吾をあっと驚かせます。

そんな中、勇吾が出会うのが、クラスメイトの御影アキです。大の馬好きで、将来は馬に関わる仕事につきたいと思っていますが、一人娘のため家業を継がなければならないという悩みを抱えていました。そんな2人を中心に、農業高校の学生たちが少しずつ成長していく姿を描いた本作は、普通高校にはない授業や施設などが登場するところも魅力の1つでしょう。また、農業を生業として生きていくことの覚悟や難しさなど、現代における農業事情や実態も、勇吾らを通して垣間見ることができます。

「銀の匙」のタイトルに込められた意味とは?アニメ版のキャストは?

「銀の匙」とは幸運のアイテム!?タイトルに込められた意味とは?

「銀の匙」というタイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか?一般的に銀の匙と言えば、西洋では出産祝いに贈られることの多い品です。そこには、「将来食べることに苦労しないほどの豊かさに恵まれますように」という願いが込められていると言います。

そう知ると、銀の匙とは、豊かさの象徴であるとともに、生きるための食の重要性を表しているとも言えそうです。本作ではさらに、「子供の誕生日のたびに、親が毎年1つずつ銀の食器を贈る」「その食器セットをもって子供が旅立ち新たな家庭を築いていく」とも描かれています。

そこから読み取れるのは、継承というテーマ。親から子供へという部分を、学校や教師たちから生徒へと置き換えると、作中で学校の食堂に飾られている銀の匙には、農業の知識や技術を若い世代に受け継ぐという農業高校の精神が込められているとも考えられます。

そして、「銀の匙」という作品タイトルそのものには、食すなわち生きる力を讃える気持ちや、本当の意味での豊かさを次世代へリレーしていくことの大切さといった意味が込められているのかもしれません。真の正解は……、勇吾やアキらのさらなる成長とともに明確になっていくことでしょう。

「銀の匙」アニメ版のキャストは?ハチの声は助演男優賞のあの人だった!

「銀の匙」は、フジテレビの「ノイタミナ」枠で、2013年7~9月までは第1期、続く2014年には第2期アニメが放送されました。さらに、2014年3月には、主人公の八軒勇吾役にSexy Zone中島健人がキャスティングされた実写映画版も公開されて人気を博しています。

気になるアニメ版キャストは、勇吾役が木村良平。代表作は、初主演を果たした2009年放送の「東のエデン」滝沢朗役で、第6回声優アワード「助演男優賞」も受賞している実力派声優です。ヒロイン御影アキは、劇場アニメ「心が叫びたがってるんだ。」渡辺美沙役でも知られる三宅麻理恵で、血が苦手なのに獣医を目指している相川進之介に島﨑信長、アキの幼馴染の駒場一郎は櫻井トオルが演じています。

他にも、坊主頭がトレードマークで、勉強はダメでも鶏についての知識はお任せという常盤恵次は庄司将之と、個性あふれるキャストで構成されていました。

「銀の匙」は不定期連載の常連!?心配される家族の病状

「銀の匙」は、休載が多いことでも有名になりつつあります。不定期連載が始まったのは2014年。「家族が体調を崩してしまい、その療養のサポートをするため執筆スピードを調整したい」と発表されました。その後、約8カ月ぶりに連載が再開されましたが、またもや休載してしまいます。

以降も、半年以上の休載後に2~3話再開してはまた休載、を繰り返している状態です。2017年も、おおよそ10カ月ぶりの連載再開が話題になったのも束の間、3話進んだ時点で、再び休載に入りました。しかし、この休載に関しては、冷ややかな反応は少なく、むしろ「家族の病状がとても深刻ではないのか?」と心配する声が多数寄せられているようです。

もともとファンの間では、「寝ずに漫画を描く」「妊娠中でも漫画を描き続けた」と、荒川弘は簡単に休載するような漫画家ではなく、とても仕事熱心であるという認識があります。そんな荒川弘が筆を休めるのですから、よほどの理由があるのではと考える人が多いのでしょう。

大半のファンの願いは、家族の体調が早く良くなることと、万全を期しての荒川弘の復活に違いありません。今は度重なる休載を余儀なくされている荒川弘は、まだ40代。漫画家という職業は、息の長い職業ですから、環境さえ整えば、完全復帰してからも、たくさんの作品を世に出していけるはずです。

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