初野晴の「ハルチカシリーズ」が意外と骨太!アニメ化の評判は?

初野晴のハルチカシリーズ」が意外と骨太!アニメ化の評判は?

初野晴の「ハルチカシリーズ」は青春小説なだけじゃない!意外と骨太なミステリ!

初野晴(はつのせい)は、アニメ化に続き、実写映画化もされた「ハルチカシリーズ」を書いた小説家です。「ハルチカシリーズ」は、廃部寸前の吹奏楽部を舞台にした青春小説であると同時に、幼馴染の春太と千夏が、日常に潜む謎をとく、いわゆる日常系の推理小説でもあります。

現在、シリーズは、番外編も含めて6冊発売。個性的なキャラクターによるウィットに富んだ会話や、作品を貫くコミカルな雰囲気に反して、肝心のミステリの部分はなかなか重厚で骨太。「楽しく読んでいると、いい意味で裏切られる」と読者からの評判も上々な作品です。

初野晴「ハルチカシリーズ」アニメ化の評判は?

ラノベ風の人気青春小説とあって注目が集まったのか、「ハルチカシリーズ」は、2015年にアニメ化が決定し、2016年に「ハルチカ ハルタとチカは青春する」として放送されています。制作は、「花咲くいろは」「有頂天家族」等を手掛けてきたアニメ制作会社P.A.WORKS。

アニメファンからも支持の高い制作会社だけあってその完成度は高く、描きこまれた背景や、キャラクターの特徴的な瞳の描き方も目をひき、評判は上々でした。しかし、ミステリでありつつも青春小説であるなど、原作に盛り込まれた要素が多かっただけに、アニメストーリーとして昇華しきれていないという評判もちらほら見られました。

初野晴の「退出ゲーム」「惑星カロン」あらすじネタバレ!

初野晴ののハルチカシリーズ第一作「退出ゲーム」あらすじネタバレ!

初野晴の描くハルチカシリーズは、2008年に発売された「退出ゲーム」がシリーズ1冊目になります。一話完結の連作短編の形式で、「結晶泥棒」「クロスキューブ」「退出ゲーム」「エレファンツ・ブレス」の4作を収録。記念すべき第一作「結晶泥棒」では、1週間後に文化祭を控えた学校で、化学部から、劇薬の硫酸銅が、何者かに盗まれます。

文化祭中止の危機を阻止するべく、春太と千夏が謎解きに奔走するというのがあらすじです。ネタバレすると、春太と千夏は幼馴染であるだけでなく、吹奏楽部顧問である音楽教師・草壁信二郎に想いを寄せる恋敵でした。ハルチカシリーズは、複雑な三角関係をも内包する作品でもあります。

初野晴のハルチカシリーズ最新刊「惑星カロン」あらすじネタバレ!

ハルチカシリーズの最新刊である「惑星カロン」は、文庫版が発売されたばかりです。こちらも連作短編形式で、「チェリーニの祝宴」「ヴァルプルギスの夜」「理由ありの旧校舎」「惑星カロン」の4作を収録しています。「チェリーニの祝宴」は、フルートのレベルアップのため、楽器店から「呪いのフルート」を格安でレンタルした千夏が、本当に呪いに巻き込まれるというのがあらすじです。

ネタバレすると、フルートの内部にあったデザインに催眠効果があったというのが呪いのからくりでした。他にも、春太と千夏の想い人・草壁先生の過去にもちょっぴり触れられています。

初野晴の「ハルチカシリーズ」快進撃はどこまで続く?

シリーズ累計60万部をこえた初野晴の小説「ハルチカシリーズ」。アニメ化に続き、タイトルを「ハルチカ」として、2017年の3月5日から実写映画も公開されました。千夏を演じているのは橋本環奈で、春太を演じているのはジャニーズ事務所の人気グループSexy Zone佐藤勝利です。原作ファンだけでなく、若い観客もひきつける華やかなキャスト陣であることは間違いありません。

「ハルチカシリーズ」はアニメ、実写化だけでなく、コミカライズもされおり、まさにマルチメディア展開されているといえます。先例として、ハルチカと同様に吹奏楽部を舞台にした小説「響け!ユーフォニアム」がアニメ化、コミカライズともに大成功をしているだけに、この展開は当然の流れといえるでしょう。

「ハルチカシリーズ」は、今回の実写映画化で、今までシリーズを支持してきたアニメファンやラノベファン、ミステリファンだけでなく、新たなファン層を獲得することは必至といえます。昨今は、ラノベ読者に絶大な支持を受けていた「ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ」が実写映画化をきっかけにさらなる読者層を開拓しているだけに、「ハルチカシリーズ」が次に続く可能性は非常に高いはず。制作陣もそれを期待していることでしょう。

ちなみに、原作の初野晴は、2012年までは小説家と会社員の二足の草鞋をはいていました。現在は退職し専業作家になっていますが、もともとはバリバリの理系。法政大学工学部を卒業しており、会社員時代は、技術系の営業職を担当していたそうです。

技術系の営業というと、かなりハードな職種といえますが、作家業もこなしていたというのですから驚きです。ジャニーズ事務所の人気タレントを起用した実写映画化で、読者層もさらに拡大していきそうな2017年。初野晴には、専業作家としてさらなる飛躍を期待したいところです。

「ハルチカシリーズ」は、青春小説としての側面がクローズアップされがちですが、ミステリ要素も見逃せない魅力のひとつ。骨太なミステリを描ける作家として、初野晴が、青春小説の枠におさまらない作品を世に送り出してくれることを楽しみにしている読者も多いのではないでしょうか。

関連記事

ページ上部へ戻る