石ノ森章太郎 作品「サイボーグ009」「仮面ライダー」「HOTEL」あらすじネタバレ!石ノ森章太郎ふるさと記念館の評判とみどころ!神様・手塚治虫への思いとは?

石ノ森章太郎 作品「サイボーグ009」「仮面ライダー」「HOTEL」あらすじネタバレ!

石ノ森章太郎 代表的作品「サイボーグ009」「仮面ライダー」「HOTEL」のあらすじ

日本マンガ界の奇跡、手塚治虫のもとに集まったトキワ荘の漫画家たちは、日本独自の大衆文化として漫画を育み、現在のクールジャパンの礎となりました。

その中でも、手塚治虫が漫画の天才なら、石ノ森章太郎は漫画の王様と言われています。その才能は最年少ながら、質、量ともに他の漫画家を圧倒して、全く間に人気漫画作家となります。
その初期の代表的作品が、「サイボーグ009」。死の商人「ゴースト」によって体を改造され、それぞれが特殊能力を持った9人のサイボーグ戦士が、ゴーストの世界征服の野望に、反旗を翻して立ち向かう姿を描いたこの作品。高度なSF的センスで構築された世界観と、スタイリッシュで個性的なサイボーグたちが、漫画少年たちを熱狂させました。
また、気づく、気づかないは別として、石ノ森章太郎作品に通底する神話的テーマが、少年たちのその後の人生に大きな影響を及ぼします。そのテーマとは、「自らを生んでくれた親や力を授けた者を心ならずも裏切り、その邪悪な野望に対し、唯一反抗して、孤独な戦いを挑み自立するヒーロー」という、まるでギリシャ悲劇のようなテーマです。
「サイボーグ009」をはじめとして、爆発的ブームを起こし、現在もシリーズが続いている「仮面ライダー」にも、このテーマが色濃く投影されています。
「仮面ライダー」のあらすじは、世界征服を企てる悪の秘密結社・ショッカーに捕われ、バッタの能力を持つ改造人間に改造されてしまった本郷猛。しかし、本郷猛は、脳を改造される寸前、ショッカーに協力させられていた恩師・緑川博士に助けられます。そうして本郷猛は仮面ライダーとなり、ショッカーが送り出す怪人たちと闘うというストーリーです。
石ノ森章太郎は、これらSFアクションだけでなく、後には「佐武と市捕物控」「マンガ日本経済入門」、そして「おみやさん」や「HOTEL」など、時代劇から経済、推理、ヒューマンドラマに至るまで、その作品の幅は驚くほど広く、かつての少年たちは、青年になってもなお石ノ森章太郎の漫画を読み続けることになります。
「HOTEL」は、東京プラトンホテルの東堂GMや新入社員の赤川一平など従業員たちと、ホテルに集う様々な人々との人間的な交流を描いた群像劇。TBSでドラマ化され、藤堂GMには松方弘樹、そしてまだ若かった高嶋正伸が赤川一平を演じ、彼の出世作となりました。

石ノ森章太郎 天才手塚治虫を助けた漫画の王様は、まだ高校生だった

石ノ森章太郎は1938年に生まれ、21世紀を迎える直前1998年に、まだ60歳の若さで亡くなっています。出身地と同じ石森という苗字で、いしのもりと読んでもらうつもりが、誰もがいしもりとしか読んでくれないので、1985年、画業30周年を期して、初心に帰るつもりで石ノ森章太郎と名を改めました。
石ノ森章太郎は、地元高校に入学した頃から「漫画少年」への投稿をはじめ、宮城県に漫画の天才少年がいると評判になっていました。1954年の夏。「鉄腕アトム」の締め切りに終われていた手塚治虫は、思いあまって、「シゴトヲテツダツテホシイ」と電報を打った相手が、まだ高校2年生だった石ノ森章太郎。石ノ森章太郎は、高校在学中から手塚治虫のアシスタントとなり、高校卒業と同時に、病弱だった姉を連れて上京。トキワ荘で漫画家への道を歩み始めます。
当時のトキワ荘には、手塚治虫をはじめ、赤塚不二夫や藤子不二雄、つのだじろうなどが居ました。しかし、トキワ荘のマドンナ的存在であった姉は、1958年、若くして亡くなってしまいます。トキワ荘のエピソードは、漫画や、映画、ドラマなどになっていて、日本漫画界の創成期を知る上で欠かせません。

石ノ森章太郎 石ノ森章太郎ふるさと記念館の評判とみどころ!神様・手塚治虫への思いとは?

石ノ森章太郎 地元宮城県にある2つの記念館、「石ノ森章太郎ふるさと記念館」と「石ノ森萬画館」
石ノ森章太郎が宮城県の出身であることから、地元には2つの記念館があります。
1つは2001年に開館した、石巻市中瀬にある「石ノ森萬画館」です。東日本大震災で被災し、被害は甚大で再開が危ぶまれましたが、2013年、完全に再開館されました。
そしてもう1つが、石ノ森章太郎生誕の地、登米市中田町にある「石ノ森章太郎ふるさと記念館」です。石ノ森萬画館のほうが、第3セクターで運営されているためか、宇宙船をイメージした建物や、等身大のキャラクター設置、企画やイベントなどが派手さで一般には有名ですが、石ノ森章太郎ふるさと記念館は、萬画館より1年前の2000年に開館。登米市が運営し、館の隣には、石ノ森章太郎の生家が残っており、見学することも可能です。館の中には、人工の小川が流れ、展示された原画などをゆっくりと鑑賞できます。

また館のビデオシアターでは、オリジナルアニメ「小川のメダカ」が上映されていて、監督はアニメ界の鬼才・村野守美。制作はハリウッド映画界でも有名なマッドハウスが担当。総尺は15分で、原画枚数7千枚以上の高品質なアニメとなっています。同館は、隣の生家を含め、石ノ森章太郎が、いったいどんな少年時代を過ごしたかを、静かに偲ぶことができます。

石ノ森章太郎 王様に描け、天才手塚治が描けなかった漫画とは

石ノ森章太郎の作品に深みを与えたのは、漫画家になることを後押しし、ともに上京したものの早逝した姉の存在が大きいでしょう。石ノ森章太郎は、戦後まもなく封切られた映画「ジェニーの肖像」と、姉との思い出をモチーフに、少年ジュンと不思議な少女との儚く淡い関わりを描いた、幻想的な物語「ジュン」という漫画を描きました。
この漫画は、手塚治虫が手掛けていた漫画雑誌COMに掲載されます。けれども、手塚治は、自らが描いたことのない、というより描けないテーマに、この漫画を批判・否定します。石ノ森章太郎はたいへんショックを受け、連載の打ち切りを申し出ますが、手塚は自らの非を謝り、その後ふたりの絆はさらに深まったそうです。
天才・手塚治虫もまた人の子。自らが見出した石ノ森章太郎の才能に嫉妬することも少なからずあったのですね。

石ノ森章太郎 仮面ライダー次回作「仮面ライダーゴースト」には、とうとうお化けが登場?!

石ノ森章太郎原作の特撮テレビドラマ「仮面ライダー」。1971年にスタートし、1988年までの昭和版が10作品、平成元年から始まった平成版が16作品で、これまでに26作品が制作されてきました。前作の「仮面ライダードライブ」では、なんと車に乗るライダーが登場しました。>
続く、今回の「仮面ライダーゴースト」は、世界的な英雄・偉人の魂、つまり、お化けとシンクロすることで、手に入る目の形をしたアイテム「眼魂」を変身アイテムに持ちます。「仮面ライダーゴースト、ニュートン魂!」で、青いパーカーをまとったライダーにフォームチェンジ。剣の達人・宮本武蔵や、アイザック・ニュートン、トーマス・エジソンら世界の偉人の力を借り、両腕についた不思議な球体で引力を操って敵を撃破するそうです。
昭和平成と時代が進むとともに、その特撮技術は、番組当初の子供だましのようなものから、最先端のCGやVFXがこの仮面ライダーシリーズから生まれるようになっています。また、平成に入ってからは、オダギリジョーや要潤を初めとして、仮面ライダー役を演じることが若手イケメン俳優の登竜門ともなっています。しかし、時代は変わり、ライダーは変わっても、石ノ森章太郎が掲げる、自分を生んでくれた親である存在に反抗し、その巨大な存在に戦いを挑み、ほんとうの自分を見つけるという、人間不変の確固たるテーマに変わりはありません。
きっと、仮面ライダー世代のお父さんたちは、みんなりっぱな大人になっていることでしょう、ね。

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