金栗四三(かなくりしそう)は日本のマラソンの父!大河ドラマ、漫画でも駆け抜ける!!

2019年3月26日 更新

金栗四三は日本のマラソンの父!NHK大河ドラマ「いだてん」の主人公に

金栗四三は日本のマラソンの父!

金栗四三(かなぐりしそう)は、「日本のマラソンの父」と言われたマラソン選手。1891年生まれで、1983年に亡くなりました。

1911年、現在の筑波大学にあたる東京高校師範学校において行われた、ストックホルムオリンピックのマラソン代表選考会に出場した金栗四三は、当時の世界記録を27分も縮める大記録を出しました。この時に履いていたのが、まるで地下足袋のように底の薄いマラソン足袋だったというのは有名なエピソード。

こうして、日本人初のマラソンオリンピック選手となった金栗四三は、その後も3度に渡りオリンピック代表に選ばれたほか、日本で初めて開催された駅伝のアンカーも務めています。また、箱根駅伝を初大会するために奔走したそうです。まさに「日本のマラソンの父」と呼ばれるにふさわしい人生です。

金栗四三がNHK大河ドラマ「いだてん」の主人公に!演じるのは中村勘九郎

マラソンに生涯を注いだ金栗四三を、2019年NHK大河ドラマ「いだてん」で描かれます。ドラマで描かれるのは、金栗四三が日本人として初めてマラソン選手として出場した1912年のストックホルムオリンピックから、1964年の東京オリンピックまでの52年間。間に戦争を挟み、経済復興を遂げていく日本の近代史を3部構成で描く構想となっています。

主人公は、マラソンの金栗四三と、水泳の田畑政治。彼らの人生模様をリレー形式で描きます。金栗四三を中村勘九郎、田畑政治を阿部サダヲが演じます。金栗四三らが時代を駆け抜ける「いだてん」は、2度目となる東京オリンピックを前に、日本国中を多いに盛り上げてくれることでしょう。

金栗四三のオリンピック記録に対する海外の反応は?生家が新観光名所に

金栗四三のストックホルムオリンピック記録は54年8カ月6日5時間32分20秒3!

金栗四三は、1912年に開催されたストックホルムオリンピックで、コースを完走することができませんでした。日本人アスリートが海外ではさほど活躍していなかった当時、遠く離れた異国の地で体調管理を行うことは、非常に難しいものでした。慣れない食生活や40度という暑さ、また、日本からスウェーデンまで船で20日間という移動が体に負担をかけ、途中棄権してしまいます。

近くの農家で介抱されて、金栗四三が目覚めたのは大会の翌朝。そのまま帰国しましたが、なんと、金栗四三が体調不良で途中棄権したという情報は、大会本部まで届いていませんでした。そのため、「消えた日本人」として扱われ、記録としては「行方不明」という位置付けにされたと言います。

そして1967年、トックホルムオリンピック開催記念式典に招待された金栗四三は、マラソンコースをゆっくりと走りゴール。こうして、史上もっとも遅い54年8カ月6日5時間32分20秒3が記録されました。なんとも珍しい金栗四三の記録ですが、海外では「素晴らしい!」と褒め称える反応が多かったそうです。

金栗四三の生家が新しい観光名所!

金栗四三は、熊本県玉名郡和水町出身です。築200年をゆうに超えている生家は、静かな山奥にただずみ、新しい観光名所となっています。近くに金栗四三のお墓と、彼の名言「体力・気力・努力」が彫られた石碑も建てられています。NHKの大河ドラマ「いだてん」で取り上げられることが発表されてから、より多くの観光客が集まるようになっています。日本でマラソンというスポーツを発展させた金栗四三は、亡くなった後も、出身地の和水町に経済効果を与え続けています。

金栗四三の生涯が漫画「KANAKURI」に!伝えたかったのはスポーツの素晴らしさ!

NHK大河ドラマ「いだてん」に先駆けて、金栗四三の生涯を描いた漫画「KANAKURI」の連載が、地元の熊本日日新聞の毎週土曜日の朝刊で2018年4月7日からスタートしました。原作は、同紙の元記者であり、自らも陸上競技選手だったという長谷川孝道の「走れ二十五万キロ―マラソンの父金栗四三伝」です。作画を担当しているのは、「KANAKURI」が初連載漫画となる岩田紘典。

インタビューでは、アスリート本人の力や成長を描くのではなく、金栗四三が努力していたスポーツ振興や、楽しさを広げるために自分自身を鍛えていたことを重点的に描きたいと抱負を語っています。岩田紘典も触れていますが、実は、金栗四三が現代に伝えたものは、マラソンという競技だけではありませんでした。それは、スポーツの楽しさや、最後まで諦めない心、やれば出来るという信念です。

これはまさに、金栗四三の名言として後世に伝わっている「気力・体力・努力」の3つの言葉に集約されていると言えるでしょう。「日本のマラソンの父」金栗四三の奮闘があったからこそ、日本のマラソン選手たちの現在の活躍があります。国内では、箱根駅伝が脈々と続けられ、東京マラソンや横浜マラソンなども人気を集めるようになり、市民ランナーも増えました。

奇しくも「KANAKURI」がスタートした4月7日には、金栗四三の功績を称えて行われている金栗記念選抜中長距離熊本大会も開催されています。われわれ日本人が、走ることやスポーツを楽しんでいる姿を、天国の金栗四三は笑顔で見守っているのではないでしょうか。

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