木村大作は映画史に残る伝説のカメラマン!映画「追憶」で岡田准一を大絶賛

2020年3月26日 更新

木村大作は映画史に残る伝説のカメラマン!経歴やプロフィールは?

木村大作は映画史に残る伝説のカメラマン!黒澤明も信頼した腕前で受賞多数

木村大作は、撮影助手としてキャリアをスタートさせ、カメラマンとして独立した後、映画監督を務める人物です。被写体にピントを合わせる技術に特に優れている木村大作は、日本映画史に残る伝説のカメラマンとも言われています。

その実力を高く買っていたのが、日本を代表する名監督の黒澤明でした。映画「悪い奴ほどよく眠る」や「用心棒」などで、黒澤明の撮影現場の撮影助手として参加していた木村大作は、他の誰にも真似できない撮影技術を発揮し、「フォーカス送りの名手」として信頼されるようになりました。その後、カメラマンとしてデビューしてから撮影した映画は、実に50作品以上。

その中には、「駅 STATION」や「夜叉」「鉄道員(ぽっぽや)」「ホタル」など、高倉健主演作品が多数含まれることからも、日本映画には欠かせない存在であることが分かります。その重要さを物語るように、1978年から続く日本アカデミー賞では、2017年時点で、優秀撮影賞を21回、最優秀撮影賞を5回受賞している木村大作。2003年には、紫綬褒章を、2010年には旭日小綬章も受章しています。

木村大作の経歴やプロフィールは?黒澤組で助手を務め降旗康男とタッグ

木村大作は、1939年7月13日、東京都に生まれました。東京都立蔵前工業高等学校を卒業すると、1958年に、東宝撮影部に撮影助手として入社。黒澤組に配属となりました。1973年の須川栄三監督作品「野獣狩り」でカメラマンデビューすると、作品の全ての場面で手持ちカメラによる撮影を行うことと、自然光のもとで撮影することを提案し、これを実現。

カメラマンとしてのプロ意識の高さとこだわりの強さは、ベテランスタッフとの年齢差もものともせず、無断でこっそりライトを当てた照明技師を怒鳴りつけたこともあったほどでした。その後は、森谷司郎や、岡本喜八といった有名監督と組んで作品を撮り続け、専属だった東宝が映画製作から撤退する方向へ進み始めると、他の会社出身の監督とも仕事をするようになった木村大作。

その1人が、2017年5月6日公開の映画「追憶」を手がけた降旗康男監督です。木村大作と降旗康男監督のコンビは、日本映画界の「黄金コンビ」として知られ、数々の作品をヒットに導いてきました。また、2009年には、木村大作自身による初監督作品「劒岳 点の記」が公開され、その圧倒的な映像美が絶賛されています。

木村大作新作映画「追憶」あらすじネタバレ!岡田准一を絶賛するワケとは?

木村大作新作映画「追憶」あらすじネタバレ!過去の罪を抱えた3人の行く末

「黄金コンビ」木村大作と降旗康男監督が9年ぶりにタッグを組んだのが、2017年5月公開の岡田准一主演映画「追憶」です。誰にも言えない少年時代の秘密を抱えている主人公の篤(岡田准一)と、幼なじみの啓太(小栗旬)、悟(柄本祐)。3人が抱える秘密とは、親に捨てられた少年時代に面倒をみてくれていた喫茶店のオーナー涼子(安藤サクラ)を救うため、1人の男性を刺殺してしまったことでした。

現場を目撃した涼子は、3人の罪を引き受け、彼らには「何もなかった」と言い聞かせ、少年たちと自分との関係もなかったことにしてしまいます。そのまま事件の記憶を封印して大人になった篤は、富山県で刑事になりました。一方、啓太は、建設会社の社長として成功。

悟は、東京でガラス店社長の娘と結婚して会社を継いだものの、経営が破綻し、苦しい生活を送っていました。事件から25年が経ち、啓太に金を借りるため富山にやってきた悟は、図らずも篤と再会します。篤に会えて良かったと喜ぶ悟でしたが、その後、遺体となって発見。捜査が進むうちに、金のことでもめた悟が、啓太に殺されたのではないかと疑いを深めていく篤。

1つの殺人事件をきっかけに、過去と向き合うことになる篤は、交通事故で体の自由を奪われた涼子との対面も果たしますが……。かつての幼馴染が、被害者と容疑者、そして刑事として再会したとき、動き出した運命の向かう先は?というヒューマンサスペンス作品となっています。

木村大作が岡田准一を絶賛するワケは「活動屋の空気」と「目」

映画「追憶」の公開に先立って行われたイベントで、木村大作は、主演の岡田准一について、「活動屋の空気を持っている」とコメントしています。活動屋とは、映画製作に携わる人のこと。初めて現場を共にした岡田准一の「空気」を信頼したのか、「追憶」では、岡田准一にカメラを回させたシーンもあったとか。映画「追憶」の公式サイトではまた、木村大作は、岡田准一を迎えての製作を「新しい旅のはじまり」と表現。

岡田准一は、俳優として一番大切な「目」を持っていると語りました。映画俳優としての岡田准一を絶賛する木村大作ですが、2017年5月6日の舞台挨拶で、岡田准一が、「日本のおじいちゃんたちが元気だよって感じました」とコメントすると、「おじいさんではありません!」とマイクなしの大声で反論。その衰えない活力でも、会場をおおいに沸かせました。

木村大作が「追憶」公開イベントで暴露!高倉健や倉本聰のエピソード

木村大作の元気な姿は、2017年5月4日に行われた映画「追憶」の公開直前イベントでも見られました。トークショーでは、高倉健からもらったというジャケットを着用した木村大作が、高倉健との出会いや関係の変化、撮影の舞台裏なども語りました。

たとえば、木村大作と高倉健の「初共演」エピソード。映画「八甲田山」を撮影する際に、高倉健のほうが8歳も年上にもかかわらず、35歳の木村大作は、「健さんの顔なんかどうでもいい、俺は山を撮りたいんだよ」と対抗意識に燃えていたとか。すると高倉健は、怒ることなく、一緒に山を見て「俺の顔よりやっぱり山だな」と言ったとか。

これに感心した木村大作は、態度を改め、撮影も終わりの頃となると、「気をつけ」の姿勢で高倉健に返事するようになっていたそうです。また、「駅 STATION」の脚本を手がけた倉本聰に関する話題では、倉本聰の最新作よりも「駅 STATION」のほうが優れていると評価するなど、テレビでは放映できそうもないような暴露ネタを次から次へと披露。

この「木村節」に、トークショーに登場した岡田准一や小栗旬もじっと耳を傾けていました。映画史に残る名カメラマンと言われながらも、もうじき78歳になろうという人物とは思えないバイタリティを見せ、現役で活躍を続ける木村大作。年齢を思わせないパワーに溢れた彼の姿は、私たち人生の後輩が歩む先を照らす、まぶしい光のように感じられてなりません。

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