神山繁は英語もできる昭和の名優!海軍経理学校とは?

神山繁は英語もできる昭和の名優!海軍経理学校とは?

神山繁がNHK「英語でしゃべらナイト」に最高齢出演!昭和の名優の英語力の秘密とは?

神山繁は、映画「アウトレイジビヨンド」をはじめ、多くの映画や舞台で、強面や、知的な顔を見せてきた名優です。その神山繁が、2007年放送のNHK「英語でしゃべらナイト」に最高齢で出演し、高い英語力を披露しました。神山繁は、高倉健や松田優作が出演した1989年のアメリカ映画「ブラック・レイン」に出演していますが、それも、英語力が買われてのキャスティングだったそうです。

2017年1月で88歳となる神山繁は、1929年1月16日、広島県呉市生まれ。神山繁の経歴を追ってみると、1952年に入団した劇団「文学座」の演出研究生を経て俳優になる前は、ホテル務めや、戦後日本を占領していた米国進駐軍GHQの通訳として勤務していたといいます。英語教育が発達していなかった昭和初期に生まれ、留学経験があったわけでもないのに、この英語力は非常に稀です。その秘密は、神山繁が進学した海軍経理学校にありました。

神山繁の出身校は海軍経理学校!イギリス英語とGHQでの経験が俳優業の糧に!

神山繁が通っていた海軍経理学校は、旧日本海軍の庶務・会計などを担当する主計将校を育成するための軍学校です。現在の東京築地に、広大な土地を占有していた海軍経理学校では、海外に駐在した際に見劣りしないよう、文武両道をモットーとしたエリート教育が行われていました。日本海軍は、イギリス海軍の影響を強く受けており、その教育のカラーも、英国紳士たれとの気質を受け継いでいました。

そのため、海軍経理学校の生徒は、イギリス英語を徹底して叩きこまれていたそうです。そこでイギリス文化に触れた神山繫は、後に、イギリス英語を携えて、GHQで、アメリカ文化に身を置くこととなりました。神山繁は、この異文化経験が、後の俳優生活に非常に役立ったと語っています。

神山繁の出演作品!いかりや長介との友情秘話

神山繁はドラマ「ザ・ガードマン」やサントリーCM出演で知名度アップ!幅広い作品で活躍

神山繁は、俳優となった当初、劇団「雲」に所属して、シェイクスピア劇の舞台などで活躍していました。その後、1975年の旗揚げに加わった劇団「円」に、1991年まで在籍しています。その傍ら、映画などの映像作品には、「文学座」の演出研究生だった1950年代から出演していました。

中でもブレイク作となったのは、1965~1971年に放送された人気アクションドラマ「ザ・ガードマン」でした。神山繁が演じた警視庁の榊警部は、宇津井健演じる主人公・高倉隊長の盟友としてレギュラー出演。ドラマ終了後からは、数年にわたってサントリーCMに出演した神山繁は、お茶の間にお馴染みの顔となっていきます。

その後は、映画「ブラック・レイン」「四十七人の刺客」といった高倉健主演映画から、木村拓哉主演ドラマ「CHANGE」など、幅広い出演歴を築いてきた神山繁。2000年には、主演映画「ホーム・スイートホーム」で認知症の症状が現れはじめた父親役を、その12年後には、時を逆行するかのように、北野武監督映画「アウトレイジビヨンド」で、花菱会会長という暴力組織の筆頭を演じています。

神山繁の出演作品「踊る大捜査線THE MOVIE」劇中を超えたいかりや長介との友情が感慨深い

神山繁は、1998年と2003年に公開された、映画「踊る大捜査線THE MOVIE」「踊る大捜査線THE MOVIE2レインボーブリッジを封鎖せよ!」の印象も強い俳優です。神山繁が演じた警視庁副総監・吉田敏明と、いかりや長介演じる所轄の刑事・和久平八郎は、キャリア・ノンキャリアの垣根を超えた友人関係にあります。

しかしかつては、主人公でノンキャリア組の青島俊作とキャリア組の室井慎次と同じく、立場の違いによる対立関係にあったことも。だからこそ、組織のしがらみを乗り越えた2人の友情は、多くのファンの心の琴線に触れました。さらに感慨深いことに、劇団出身の神山繁と、ドリフターズ出身のいかりや長介という立場の違う2人は、この作品を通して、厚い友情を育むことになったといいます。

しかし、さまざまなことを語り合い、食事を共にしたいかりや長介は、2004年に他界してしまいました。その前年公開の「踊る大捜査線THE MOVIE2」では、吉田副総監が勇退すると分かり、和久も引退するというシーンがありました。まるで劇中のエピソードと現実の話がリンクするかのようです。神山繁にとっても、いかりや長介との思い出が詰まった、忘れがたい作品だったに違いありません。。

神山繁の現在は完全隠居か?映画「アウトレイジビヨンド」に続く最新作には出演しないの?

神山繁が、映画「アウトレイジビヨンド」に出演したのは、83歳の時のことでした。関西の暴力組織・花菱会の布施会長を演じた神山繁は、一言発しただけで、背負ってきた黒いものを思わせる重鎮ぶりが圧巻でした。この映画で初顔合わせとなった北野武監督は、かつてシェイクスピア劇で鍛えたためか、年相応とは思えない神山繁の声の張りを大絶賛。

一方では、試写会の舞台挨拶では、1時間は喋りそうな勢いでギリシャ神話を語り出すなど、微笑ましいエピソードも記憶に新しいところです。しかし、2017年に公開される予定のシリーズ新作「アウトレイジ最終章」では、前作で舎弟を演じた西田敏行や塩見三省らは、すでに出演が決定していますが、今のところ、キャストに神山繁の名前はありません。

ここ1年以上も出演作が途絶えていることからも、体調面が心配されます。しかし、1987年に愛妻を亡くし、大好きな田園が広がる京都の裾野に移住した後は、半ば隠居生活を送っている神山繁。さすがに御年88歳ともなれば、体力の減衰もあるでしょうし、完全な隠居生活に入ったのでしょうか。

神山繁は、京都太秦撮影所で知り合った5歳下の一般女性と1992年に再婚していますから、今頃は、穏やかな夫婦の時間を過ごしているのかもしれません。とはいえ、2015年5月放送のテレビ朝日系ドラマ「事件16」でも、重厚な渋さは健在だっただけに、神山繁が再び表舞台に登場してくれる日を、誰もが期待せずにはいられません。

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