栗原小巻は吉永小百合と人気を二分した昭和の大女優!原点は大河ドラマ「三姉妹」

栗原小巻は現在も現役!舞台「松井須磨子」が素晴らしい!

栗原小巻は吉永小百合と人気を二分した昭和の大女優

戦後日本を代表する女優として、あなたは誰を選びますか?今ならば、やはり吉永小百合という意見が多いでしょうが、実は、1960年代後半以降、吉永小百合と人気を二分していた女優がいました。

吉永小百合のファンがサユリストなら、もう1人の女優のファンはコマキストと呼ばれた、栗原小巻です。1963年、俳優座に入った栗原小巻の同期メンバーは、花の15期生と呼ばれるほど人材の宝庫でした。残念ながらその多くは鬼籍に入ったものの、男性では、高橋長英や地井武男、夏八木勲、林隆三、そして原田芳雄。女性では太地喜和子と、キラ星のごとくでした。そうした中、栗原小巻は、その圧倒的美貌と演技力で早くに頭角を現し、1968年の舞台「三人姉妹」で、映画やドラマ関係者から注目を浴びます。

栗原小巻の近年は芝居に回帰して一人芝居「松井須磨子」をライフワークに

テレビドラマでは、1964年、NHK「虹の設計」でデビューしていた栗原小巻は、以後、NHK大河ドラマ「三姉妹」を皮切りに、「樅ノ木は残った」「黄金の日日」に出演しています。民放では、フジテレビの「若者たち」がよく知られていますが、以後現在に至るまで、サスペンスからホームドラマまで、数多くのテレビドラマに出演してきました。

映画では、1971、1972年の「戦争と人間」第一部と第二部、1972年の「忍ぶ川」、1974年の「サンダカン八番娼館 望郷」などが代表作といってよいでしょう。栗原小巻は近年、再び芝居に回帰し、大正期の新劇女優、松井須磨子の波乱の生涯を描いた一人芝居「松井須磨子」を演じて好評を博しています。

栗原小巻と竹脇無我の共演作は?結婚歴、身長などプロフィール

栗原小巻と共演した当時の代表的二枚目俳優は加藤剛に竹脇無我

一気にコマキストを増やしたのは、映画「忍ぶ川」でした。人気美男俳優・加藤剛とのヌードもいとわぬ大胆な演技が、当時「もっとも美しいラブシーン」として話題になったからです。当初この役は、まだ清い処女のイメージが強かった吉永小百合にオファーされていましたが、実際、親まで巻き込んでの騒動となりながら、この映画への出演を断念。その結果、栗原小巻が出演することになりました。

もし吉永小百合がこの役を演じていたら……、その後の映画界は大きく変わっていたかもしれません。映画やドラマで共演した数多くの男性俳優との熱愛が取り沙汰されてきましたが、結局現在まで一度も結婚していない栗原小巻。相手役の美男俳優と言えばもう1人、木下恵介監督のドラマ「3人家族」「二人の世界」で、1968年から3年間共演した竹脇無我がいます。

その竹脇無我も2012年亡くなりました。撮影時期は、お互い20代半ばで、現場では兄弟のような付き合いであったらしく、栗原小巻にとって竹脇無我は、幼なじみのような大切な存在だったと後に語っています。

栗原小巻は吉永小百合と同い年でもずっと大人びた美貌とプロポーション

栗原小巻は、1945年生まれの72歳。吉永小百合と同い年です。吉永小百合が子役から日活黄金期のスターになったのに対して、栗原小巻は、東京の桐朋女子中学校・高等学校を卒業後、バレリーナを目指す中で、演技の勉強も必要と、1963年に俳優座に入ります。当時の女性としては165cmと背も高く、吉永小百合に比べ、大人びた現代的な美貌が、比較的に中高年男性の人気を集め、以後半世紀近く女優として活躍し続けています。

栗原小巻がNHK大河ドラマ「おんな城主直虎」に出演!女優の原点は「三姉妹」

NHK大河ドラマにしては、小粒感が拭えない「おんな城主 直虎」ですが、ドラマもいよいよ後半。武田信玄役に松平健、徳川家康の母・於大の方役に栗原小巻を投入して、人気挽回を図るようです。1970年、日本テレビ「竹千代と母」でも、於大の方を演じている栗原小巻は、運命に生きる於大の方の心を「生ける魂」として演じることができればと、出演の抱負を語っています。

デビュー間もない1967年に「三姉妹」に出演している栗原小巻にとって、NHK大河ドラマは、女優生活の原点と言えるでしょう。また、この「三姉妹」は、大河ドラマの中でも、新たな試みを行った意欲的作品でした。従来、歴史上の人物が主人公の大河ドラマにあって、「三姉妹」は、架空の人物が主人公であるばかりか、初めて女性を主人公にした作品。幕末の旗本の家に生まれた岡田茉莉子演じる長女むら、藤村志保の次女るい、そして栗原小巻の三女・雪が、歴史の波に翻弄されていく物語です。

大河ドラマでは、架空の人物を主人公にした作品が以後も何本かありましたが、この「三姉妹」ほど成功した作品はあまりありません。出演者には、当時の名優・志村喬や滝沢修、芦田伸介の名が並びます。また気鋭の山崎努や山口崇なども顔を揃えるなど、全くの新人であった栗原小巻にとっては、たいへん勉強になった作品だったそうです。

彼らの元で、大いにその才能を羽ばたかせることとなった栗原小巻。20代の頃にテレビや映画の仕事をしていたのは、将来舞台に重点を置くためのチャレンジだったと明かしている通り、舞台を中心に活躍を続ける今、まさに自らが望む通りの女優人生を歩んでいます。

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