黒田博樹の引退理由は?広島カープ愛に生きた男の美学!

黒田博樹の引退理由は?広島カープ愛に生きた男の美学!

黒田博樹の引退理由はリーグ優勝によるモチベーション低下か?戦力として貢献するため広島復帰へ!

黒田博樹は、先日、現役引退を発表した広島東洋カープの投手です。実に25年ぶりとなるリーグ優勝を勝ち取ったチームで、精神的な支柱としての存在感も絶大なものでしたが、メジャーリーグの破格の契約提示を断ってまで、古巣の広島への復帰を選択した「男気」も高い評価を受けています。

そんな黒田博樹が引退を表明した理由は、チーム25年ぶりのリーグ優勝達成と、自らのモチベーション低下が大きいようです。昨シーズンの広島復帰は、現役生活の晩年に差し掛かっていることを考え、今のうちに戦力として貢献したいという意向によるものでした。しかし、今シーズンのリーグ優勝で宿願を果たし、現役に固執する目標を見出せなくなったというのが引退最大の理由と見るべきでしょう。

20年間にわたる現役生活は、日本シリーズという大舞台で幕を下ろすことになりそうですが、惜別の意味を込めて黒田博樹のプロフィールを紹介しましょう。1975年2月10日生まれの41歳。大阪府大阪市住之江区出身で、父親は、元プロ野球選手の黒田一博です。上宮高から専修大学へ進学した黒田博樹は、当時こそ無名の存在だったものの、4年生時の1996年には東都大学1部リーグ昇格に貢献し、1部リーグ通算6勝をマーク。同年から大学野球でのスピードガン場内表示が始まった神宮球場で、時速150㎞を記録しました。

1996年のドラフト会議では、かねてから目をかけてくれていた広島カープに逆指名2位で入団し、背番号15を背負います。タフネスさと気持ちのこもったピッチングを身上としており、メジャーリーグでの7年間を挟んで、広島東洋カープの大黒柱として活躍してきました。

黒田博樹「カープ愛」の美学はアメリカにも鮮烈な印象を!プロ入り時のいきさつが大きく関係していた?

黒田博樹は、20年の現役生活において、「カープ愛」を貫き通しました。その最たるものが、2014年のシーズンオフに表明された、メジャーリーグから広島カープへの復帰でした。それもそのはず、ヤンキースは約15億円、パドレスなどからは20億円超の条件が提示されていたのですが、黒田博樹は、それらをことごとく辞退し、広島を選択しています。

この選択は、カープ復帰を熱望していたファンのみならず、日本中を喜ばせました。さらに、年俸を選手の評価ととらえるアメリカにも、鮮烈な印象を残したようです。メジャーリーグ入りした日本人選手が、成功を得られず日本へ戻る、というケースは幾多もありましたが、メジャーリーグからの熱烈なオファーを蹴ってまで古巣へ戻るというのはきわめて珍しい例です。

FA権を行使してメジャーリーグ入りする際にも、カープ復帰をほのめかしていた黒田博樹ですから、「カープ愛」を貫いた、男としての美学は本物だといえるでしょう。その「カープ愛」の美学の原点は、プロ入りした際のいきさつに大きく関係しています。

もともと大学時代は無名の存在だった黒田博樹の素質をいち早く見出し、ドラフト指名へ踏み切ったのが広島カープでした。その当時の思いや、入団後の結びつきが黒田博樹の中で重なって、「カープ愛」として恩義を感じることになっていくのです。

黒田博樹の嫁や子供は?勝ち星数と日米通算成績は?

黒田博樹の嫁は1歳年上の姉さん女房!嫁と子供をアメリカへ残しての単身赴任だった!

黒田博樹は、一連の引退報道で、嫁との間に子供2人をもうけていると報じられていますが、そのあたりの事情はオープンにされていないため、確たる情報はありません。結婚したのが、黒田博樹が26歳だった2001年だということは報道されています。

それ以降、コンスタントに好成績を残してエースの座を不動のものとしたのは、嫁の貢献度も非常に大きなものがあることは間違いありません。嫁は1歳年上で、球界でも、その「内助の功」は知られています。スポーツ選手の嫁というのは、姉さん女房の場合が多く見られるという印象がありますね。

黒田博樹がメジャーリーグ入りの決断を下す際には、「無理だったら、また日本へ帰ってきたらいいじゃない」と、迷い苦しむ旦那の背中を押してあげ、メジャーリーグで壁に当たった時期には、「日本に帰ってくれば?」と話しかけてと、配慮に満ちた助言や気遣いをしていたそうです。

黒田博樹の嫁は、まさにできた女房役として、大きな存在感を発揮してきたといえます。また、黒田博樹の子供は娘が2人ともいわれていますが、3人いるという報道も一部に見られます。そのため、子供は、娘が2~3人いるということになりそうです。

現在、黒田博樹の嫁と子供は、アメリカの生活が合っていたこともあり、今まで通り、ロスアンゼルス在住の日々を送っています。従って、黒田博樹は、単身赴任で日本へ戻ってきたということに。自分の「カープ愛」を、家族にまで押し付けて生活環境を変えることがないようにと、極力配慮したのでしょう。

黒田博樹は日米通算203勝!バックの援護に恵まれずメジャーでも2桁敗戦が5回も!

黒田博樹の日米球界における通算成績ですが、533試合に登板して203勝184敗1セーブを挙げ、勝率は5割2分5厘、防御率は3.51。3340と2/3回を投げて82完投、20完封、奪三振は2447を記録しています。2005年には、15勝を挙げて最多勝利、翌2006年には、防御率1.85を記録して最優秀防御率のタイトルを獲得していいる黒田博樹。

日米別の勝ち星を見ると、日本では124勝、メジャーリーグでは79勝の勝ち星を挙げています。特筆すべきは、メジャーリーグ生活7年のうち、後半5年は、コンスタントに2桁の勝ち星を挙げていることです。しかし、力投する割にはバックの援護に恵まれないという不運が付きまとい、7年のメジャー生活で、5回の2桁敗戦を喫しています。

特に、黒田博樹がバックの援護に恵まれない状況は、ドジャース時代から顕著となっており、ヤンキース時代に至っては、「黒田は弁護士を雇うべきだ。援護してくれないとチームメイトを訴える権利が彼にはある」とメディアから同情を受けたほどです。

もう一つ目立つのは、黒田博樹のタフネスぶり。渡米前には、完投数リーグトップを6度記録し、黒田博樹自身も完投へ強いこだわりを見せていました。しかし、メジャー生活の中で、「完封しても、次回ノックアウトされたら無意味。それならば、コンスタントに7回を投げられるほうがチームに貢献できる」と考えが変わり、完投へのこだわりをきっぱりと捨てたといいます。

そのかわり、登板機会があれば、7回をきっちり投げられるように調整を心掛けていた黒田博樹。その結果、完投数は激減し、渡米前には74完投記録していたのですが、それ以降の完投は8回しか記録していません。ただし、投球回数は200回前後を記録していることから、登板機会をしっかり務め上げていたことが分かります。

黒田博樹「自分の気持ちを伝えるべき」と現役引退表明!日本一奪回ならずも「責任が果たせて、ホッとしている」と安堵も!

黒田博樹が2016年10月18日、今シーズンをもって現役からの引退を表明し、引き際の美学を示して見せました。広島市内で記者会見に臨んだ黒田博樹は、引退の理由について、「日本シリーズ登板を控えているので、理由すべてを伝えるのは難しいが、リーグ優勝を達成して、日本シリーズに出られることが大きい」と、優勝の達成感が理由であると示唆。

引退の決断には「全く悔いはない」と述べました。日本シリーズ開幕を控えて引退を表明したことについては、「次の登板が最後かもしれない。だから、チームメイトと、今まで応援してくれた方に、自分の気持ちを伝えるべきだと思った」と吐露。大舞台を控えるタイミングで、自らの進退をオープンにしてしまうことは、一つ間違うと、士気の低下につながりかねない重大な決断ともいえます。

しかし、自分が引退表明することで、チームメイトたちが奮起し、32年ぶりの日本一ペナントを一丸となって勝ち取るだろうと信じて下した決断でした。チームメイトも、うすうすとは感じていたであろう現役引退の思い。しかし、黒田博樹本人の口から直接語られたとなると、重みはまったく異なります。黒田博樹の人間性は、メジャーリーグ関係者も、「若手たちに教えられたことが多く、まさにバイブルそのものだ」と称えるほどでした。

優れた人間性を持ち続けながら周囲に配慮することは、言うだけならば簡単ですが、示してみせるのは至難の業です。その難しいことを実際にやってみせた黒田博樹には、ただただ脱帽するばかり。しかし、日本シリーズの舞台では、第3戦に先発したものの、5回と2/3で、4安打1失点し、脚に異変を感じて途中降板。第7戦に備えて調整していましたが、第6戦で日本ハムの胴上げという形で決着の結果に。チームが第3戦から4連敗したことで、ついに黒田博樹の7戦目の先発登板は幻へ。

32年ぶりの日本一奪回がならなかったという現実を前に、「負けてしまったという思いが強い。日本一を目標にやってきたので」と、悔しさをあらわにしました。しかし、一方で、「この2年間、責任やプレッシャーがずっとあった。マウンドに立ち続けるという責任が果たせて、ホッとしている」と安堵を漏らす場面も。

やはり、責任感が強い黒田博樹だけに、戦い続けるプレッシャーも並大抵のことではなかったのでしょう。広島東洋カープの日本一達成の悲願は、ひとまず来シーズンへお預けに。「日本一になれなかったので、ぜひ日本一になってほしい。陰ながら応援しています」と、後輩たちへ日本一のペナント奪回を託し、背番号15は現役人生に幕を下ろします。

関連記事

ページ上部へ戻る