京マチ子は昭和の銀幕を彩った大女優!映画「羅生門」で日本映画初の金獅子賞(グランプリ)受賞

京マチ子は昭和の銀幕を彩った大女優!現在の近況は?

京マチ子は昭和の銀幕を彩った大女優!若い頃はOSKの娘役

京マチ子は、昭和の映画界を代表する大女優です。1949年に映画の製作会社である大映に入社し、日本人離れした容姿で人気を集め、看板女優として数々の作品に出演してきました。銀幕を彩る映画女優としての顔が広く知られている京マチ子ですが、25歳で大映に入社する前は、大阪松竹歌劇団(OSK)に所属し、娘役として活躍しています。

OSKは、宝塚歌劇団や松竹歌劇団と並ぶ日本の三大少女歌劇団といわれ、最盛期は「歌の宝塚、ダンスのOSK」とも称されるほどの人気を誇っていました。

京マチ子の現在の近況は?90代でも走れる元気さ!

京マチ子は、1924年3月25日生まれですから、2018年時点でなんと94歳!現在、女優業はほぼ引退状態ですが、元気に過ごしているようで、親交のある芸能人からエピソードが漏れ聞こえています。2014年には、タレントのピーターがブログに京マチ子とのツーショットの写真をアップ。老齢となっても美しさに変わりはなく、話も弾んだことを明かしています。

ベテラン俳優の仲代達也は、2017年にテレビ朝日「徹子の部屋」に出演した際に、「お元気です」と京マチ子の近況を語りました。この時には、90歳の時に東京・青山の大通りを走って渡っていたというエピソードも登場しています。

京マチ子は映画「羅生門」で金獅子賞(グランプリ)受賞!海外映画際で受賞歴多数

京マチ子は映画「羅生門」で日本映画初の金獅子賞(グランプリ)受賞

京マチ子は世界的な映画女優と言われています。そのきっかけになったのは、京マチ子がヒロインの真砂を演じた映画「羅生門」です。黒澤明が監督した映画「羅生門」は、世界三大映画祭と称されるヴェネツィア映画祭で、日本映画として初めて金獅子賞(グランプリ)を受賞。

当初、ヒロインは、原節子が演じる可能性が濃厚でしたが、真砂のイメージにあわせて眉毛をそってオーディションに挑んだ京マチ子の熱意にうたれた黒澤明監督が起用を決定したと伝えられています。

京マチ子は海外映画際で受賞歴多数!

京マチ子の出演作が海外の映画祭でグランプリを受賞したのは映画「羅生門」だけではありません。1953年発表の溝口健二監督「雨月物語」は、ヴェネツィア映画祭で準グランプリである銀獅子賞を受賞。同じ年に発表された衣笠貞之助監督「地獄門」では、カンヌ映画祭でグランプリにあたるパルムドールを受賞しています。

このように、出演作がグランプリを次々と射止めたことから、グランプリ女優とまで呼ばれた京マチ子。彼女自身も、女優として、毎日映画コンクール主演女優賞や菊田一夫演劇賞大賞、キネマ旬報主演女優賞といった受賞歴を持っているほか、紫綬褒章や勲四等宝冠章の受章歴もあります。

京マチ子は今なお多くの人を惑わす女優!

是枝裕和監督の映画「万引き家族」が、2018年5月に開催されたカンヌ映画祭でパルムドールを受賞したことが話題になっています。思えば日本映画初のパルムドール受賞作は、京マチ子がヒロインの「地獄門」でした。映画「地獄門」は、大映にとって初めてのフルカラー映画。技術を生かして色鮮やかに描かれたこの作品は、パルムドールの他、アカデミー賞の衣装デザイン賞も受賞しています。

京マチ子が演じたのは、長谷川一夫演じる主人公の盛遠を、その美しさで惑わせる袈裟。袈裟に心奪われた盛遠は、彼女が人妻となった後も忘れることができず狂気に陥り、ついには彼女を手にかけることになってしまいます。主人公がそこまで思い詰めざるをえない状況に追い込むだけの存在感や美しさが、袈裟役の京マチ子にあったことは間違いありません。日本人離れした華やかな容姿と、グラマラスで肉感的なスタイルで官能的な美しさをたたえていた京マチ子の魅力が、スクリーンでも存分に発揮されていたと言えます。

ヴェネツィア映画祭で銀獅子賞を受賞した映画「雨月物語」でも、主人公を妖しい魅力で惑わす死霊・若狭を演じた京マチ子。金獅子賞を受賞した「羅生門」でも、三船敏郎演じる盗賊・多襄丸を惑わして犯罪をそそのかす美貌と魅力の持ち主として登場しました。

京マチ子のこうした魅力は、映画のフィルムの中で、今なお多くの人をひきつけています。たとえば、2015年に早稲田大学演劇博物館で行われた「映画女優 京マチ子展」は連日満員だったそうです。また、2017年に大映の創立75周年を記念して行われた「大映女優祭」でも、もちろん京マチ子が出演した「雨月物語」が上映されました。
現在は94歳となり、表舞台に現れることもなくなっていますが、京マチ子は、映画の中でこれからも多くの観客を魅了していくことでしょう。

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