町田康の「告白」他おすすめ小説は?布袋寅泰に殴られた事件とは

町田康の「告白」他おすすめ小説は?布袋寅泰に殴られた事件とは

町田康の「告白」他おすすめ小説は?どうしようもないダメ人間が登場!?

町田康(まちだこう)は、パンク歌手にして芥川賞受賞作家でもある人物です。エッセイの人気も高い町田康ですが、もちろん小説にもおすすめ作品が多数あります。代表作といわれる「告白」は、実際に起きた大量殺人事件「河内十人斬り」を下敷きにした長編です。

自意識にとりつかれ現実では何もなせない主人公の破滅が、流暢な河内弁を用いて描かれています。短編集である「夫婦茶碗」は、どうしようもないダメ人間たちが登場する1冊。荒唐無稽な話ながらグイグイ引き込まれる上に、思わずふき出してしまうほど笑えると評判になりました。

芥川賞を受賞した「きれぎれ」や、筒井康隆から高い評価を得て小説家デビューを決めた「くっすん大黒」もおすすめです。

町田康が布袋寅泰に殴られ全治2週間の怪我!被害届を出した事件とは?

町田康はもともとミュージシャンだった人物です。同い年であるギタリストの布袋寅泰とも交流があり、バンド結成の話が持ち上がったこともある間柄でした。しかし、バンドへの姿勢の違いから口論になり、車中で布袋寅泰に町田康が殴られる事件が発生。全治2週間の怪我を負った上、その場に置き去りにされた町田康は、後日自ら被害届を警察に提出しました。

布袋寅泰は非を認め謝罪文を送りますが、町田康はその内容に納得がいかなかった様子。事件の詳細については「週刊女性自身」に寄稿もしていますが、2人が和解したという続報はないようです。

町田康の愛犬スピンクが急逝…結婚した妻は妻は作中の「美徴さん」!

町田康はの人気の愛犬スピンクが急逝……

エッセイも手掛けており、中には、愛犬や愛猫との暮らしを綴ったものも多数あります。その中でも、「引き取った犬の視点で見てみよう」と思い立ち、町田康が愛犬スピンクの目線で日々を描いた「スピンク日記」は特に人気がありました。しかし、2017年6月にスピンクが急逝。かねてより体調を崩し気味ではあったと言いますが、最後の日も普通に過ごしており、突然の死だったようです。長く続いた「スピンク日記」も愛犬の急逝により終わりを迎え、2017年10月に発売された「スピンクの笑顔」が最終巻となりました。

町田康が結婚した妻は作中の「美徴さん」!

愛犬のスピンクが急逝したことは、町田康の妻のブログにも「町田スピンク、旅立ちました」というタイトルで綴られています。このブログは、妻が運営する、ペットホテルやトリミング等も手掛ける犬の保育園「スピンクの家」のものです。町田康の「スピンク日記」にも登場している妻は、作中では「美徴さん」として登場。犬の保育園「スピンクの家」のブログでも、vivi名義で活動しています。ちなみに、主人である町田康本人は「スピンク日記」に「主人・ポチ」として登場していました。

町田康は19歳でパンク歌手に!詩人から作家へ!

多くの人に「作家」として認識されている町田康ですが、実は伝説的なミュージシャンでもありました。1981年に若干19歳でパンクバンド「INU」のボーカルとしてデビューした町田康は、デビューアルバム「メシ喰うな!」で、数曲の作曲と全曲の作詞を担当。

日本語にこだわり、ユーモアも感じられる歌詞には、後の作家業への萌芽が感じられます。そんなアルバム「メシ喰うな!」は、今でも知る人ぞ知る名盤といわれ、多くの作家やミュージシャンから称賛され、リスペクトされる作品となりました。しかし、「INU」はわずか3カ月で解散。その後もいくつものバンドやユニットを結成して音楽活動を続けますが、恒常的な活動に至るものはありませんでした。

とはいえ、パンク歌手としデビューして以来、町田康の手掛ける歌詞は、唯一無二の世界観を表しているとして非常に評価が高く、1992年には、町田町蔵の名で詩集「供花」を発表。ここに詩人としてデビューを果たしました。続いて、1993年にはエッセイ「壊色」を発表し、1996年に、初めての小説「くっすん大黒」で小説家デビューに至ります。処女作にして高い評価を得た「くっすん大黒」は、芥川賞の候補作にものぼりました。

その一方で、リズムに乗った独特の語り口や文体、ストーリーというより荒唐無稽なイメージが跋扈する作風で、評価が極端にわかれることもしばしばの町田康作品。この点は、彼の文学の出発点が、パンク歌手として歌詞を書いてきたことの影響も大きいのかもしれません。

そんな独特の手法で、人間の業やそれが生むおかしさを小説に描いてきた町田康。大量殺人をおかす主人公を描いた「告白」のような重い作品から、笑えると評判の「夫婦茶碗」まで、多様な作品を発表してきましたが、本人曰く「人間の訳のわからなさという意味ではどの小説も同じ」とか。

2018年4月に町田康が発表した最新刊「湖畔の愛」は、「大好きな吉本新喜劇」を意識して書いたという恋愛コメディ。湖のほとりに立つ老舗ホテルを舞台に、濃いキャラクターたちが展開するボケとツッコミが冴えわたる連作短編集です。
町田康が「日本語そのものが好きなんです」「音に従属しすぎず、意味が勝ちすぎないよう、半々のバランスで」と語る通り、最新刊「湖畔の愛」でも、その文章は、独特ながら心地よいリズムでつむがれています。

最新刊は恋愛コメディなので、とっつきにくいといわれる町田康文学の最適な入門編ともなるのではないでしょうか。今後は、一度はまったら、抜け出せないといわれる町田康文学の中毒者が増えるかもれません。

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