「舞妓さんちのまかないさん」は舞妓さんを支える少女のハートフルメシ漫画!

「舞妓さんちのまかないさん」は舞妓さんを支えるまかないさんの日常メシ漫画!あらすじと料理を紹介

「舞妓さんちのまかないさん」で舞妓さんとまかない少女の日常メシ漫画にほっこり!あらすじ

小山愛子が描く漫画「舞妓さんちのまかないさん」は、京都を代表する存在である舞妓が登場する物語です。しかし、彼女たちの職場である茶屋での姿を描くわけではありません。本作では、舞妓たちが普段生活している屋形(置屋)と呼ばれる家が主な舞台となっています。

舞妓の多くは地方出身者です。そのため、屋形では、ひとつ屋根の下で10代の少女たちが賑やかに生活しています。屋形「市」で生活しているのは、中学校を卒業したばかりのキヨと友人のすみれです。しかし、踊りや作法が順調に上達していくすみれに比べると、キヨはイマイチ。

とうとう舞妓としてはやっていけないと故郷に帰されることになったキヨですが、腰痛で倒れたまかないのおばちゃんの代わりに、「市」の台所を預かることになります。「舞妓さんちのまかないさん」では、キヨとすみれの成長と友情、美味しそうなまかないを中心に、屋形での舞妓たちの日々が綴られます。

「舞妓さんちのまかないさん」のおいしそうすぎる料理を紹介!

「舞妓さんちのまかないさん」は、舞妓の少女たちの日常と食事の様子がメインとなっている物語。舞妓たちの食事を作るまかないとして働くキヨの料理にも注目が集まっています。まずは、プリンを食べられてしまった舞妓に、キヨが内緒で作ってあげたパンプティング。食パンと卵、牛乳、砂糖で作れるお手軽レシピですが、作中では「プリンの味がする!」と評判です。

キヨが青森出身ということもあり、小麦粉を練ったものを入れたすいとんのような料理「ひっつみ」や、イカと野菜と粉を混ぜてからりと揚げた「イカメンチ」など、郷土の味も登場します。「イカメンチ」は、食欲がなくなっていたすみれへの特効薬の役割もあるほか、ご飯が進む味とか。屋形では年頃の少女たちが生活しているため、お菓子を作る場面も多く登場しますが、舞妓さんのまかないらしいのは、紅がはがれないようにひとくちサイズになっていることでしょう。小さめサイズのお菓子は、見習いの少女たちの憧れと目標にもなっています。

「舞妓さんちのまかないさん」作者・小山愛子のプロフィール!代表作「ちろり」の世界

「舞妓さんちのまかないさん」で注目!作者・小山愛子のプロフィールや作品は?

バトルものや学園ラブコメ、長期連載のミステリものなど、少年漫画らしい作品の多い小学館「週刊少年サンデー」ですが、2017年5・6合併号より、「舞妓さんちのまかないさん」の連載が開始されました。舞妓の少女たちの日常と料理という「週刊少年サンデー」の中ではかなりの異色作を描いているのは、青森県出身で横浜市在住の小山愛子です。

西条真二や雷句誠のアシスタントなどを経て、2001年に、小学館の新人賞「まんがカレッジ」で努力賞を受賞。同年「少年サンデー超増刊」に掲載された「日常戦線」で漫画家デビューを果たしました。読み切り作品をいくつか発表した後に、2003年「週刊少年サンデー超」に掲載された「けっぱれ!大黒」で初連載開始。

人気ゲームのコミカライズ「アイアンフェザー」や、「PING PONG RUSH」を発表し、2011年より月刊漫画誌「ゲッサン」で「ちろり」の連載を開始します。文明開化が始まった明治期を舞台にしたレトロな作風で注目を集めた小山愛子は、自身もレトロ趣味で、普段から着物を着用しているとか。やわらかく温かな作風で多くの読者を魅了しています。

「舞妓さんちのまかないさん」作者・小山愛子の好きなものがてんこ盛り!レトロな「ちろり」の世界

「舞妓さんちのまかないさん」は、京都の祇園が舞台。古き良き日本の文化が数多く残る京都でも、とりわけ昔ながらの姿を色濃く残している街です。作品からはレトロな空気を感じますが、小山愛子作品の中でとりわけレトロな雰囲気で人気を博したのは「ちろり」でしょう。

時は文明開化を迎えた明治期で、横浜の海岸通りにある喫茶店が舞台の物語です。喫茶「カモメ亭」は、少女ちろりとマダムが切り盛りしている小さな喫茶店で、作中では、さまざまな人や物が行き交う街の日常も丁寧に描かれています。特に着物へのこだわりが強く、ちろりが朝の身支度を整えるシーンに費やされたページ数はなんと8ページ!現代とは少し違った着物の着方をしているため、どこか色っぽく粋にも感じられます。

まさにレトロなものが大好きだという小山愛子の好きなものが詰め込まれた作品と言える「ちろり」。作品全体に、つい長居したくなるような心地よい空気が流れています。

「舞妓さんちのまかないさん」は京都に住みこみ取材!物語の見どころや最新刊は?

「舞妓さんちのまかないさん」は、京都にある花街を舞台にした物語です。日本文化を象徴する存在として知られている舞妓ですが、年若い少女たちがなるものという認識はあれど、普段の生活ぶりや、どうしたら舞妓になれるのかといった細かいことは意外と知られていません。

小山愛子は、「舞妓さんちのまかないさん」を執筆するにあたり、京都のゲストハウスに宿泊して取材を行いました。取材対象は、舞妓はもちろんのこと、芸妓や舞妓たちをまとめる実の母のような存在である屋形のおかあさんや、舞妓たちが良く出入りする飲食店など、花街に関わる多くの人たち。直接話を聞くことで、物語の世界観を作り上げていきました。

青森から上京して屋形に住みこみ舞妓の修行を開始するキヨとすみれを通して垣間見えるのは見習い舞妓たちの日常です。踊りの練習をするほか、先輩舞妓の日常のお世話をしていることが分かります。夢破れたキヨはまかないさんとなりますが、すみれは踊りの稽古を続け、やがて舞妓デビュー。舞妓になって、大きく変わるのが髪型です。

最初の「仕込み」時期は、両サイドに三つ編みを結っていたすみれですが、茶屋で修行を行う「見習い」期間となってからは、日本髪を結うように。日本髪は容易に解くことはできないので、一度結ってしまえば、お休みになるまでそのままです。また、皆が同じ髪型ではなく、舞妓になった年数などでも変化があることが分かります。

小山愛子は、着物の作画ではなく、日本髪の作画に苦労したそうです。また、独特の言葉なども勉強を重ねましたが、さらに花街在住の方が一話ごとに添削を行っていると言います。とはいえ、本作の中心となるのは、お座敷での様子ではなく日常生活の描写。屋形に帰ってきた後に舞妓さんたちが見せる普通の少女としての姿が印象的です。

舞妓姿ではコンビニやファストフード店に入れず、今食べたいものが食べられないという小ネタで笑いを誘われ、節分や風邪を引いた時の食べ物などでは、文化や風習を感じることができます。2017年12月に発売された4巻では、年末年始の花街の様子や、キヨとすみれの中学生時代のエピソードが描かれました。コミックス5巻は2018年5月ごろに発売が予定されており、舞妓になったすみれの姉的存在となる百子さんとキヨが初顔合わせとなる様子。

同時に、冬から春にかけて少しずつ変わっていく花街の様子も楽しむことができそうです。のびのびと日々料理を作り続けるキヨと、舞妓という夢に邁進し続けるすみれを応援しつつ、どのような料理が登場するのか続刊を楽しみに待ちましょう。

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