手塚治虫の傑作怪奇SF漫画「三つ目がとおる」の誕生秘話とは?写楽の設定が濃すぎる!?

手塚治虫の傑作怪奇SF漫画「三つ目がとおる」の誕生秘話とは?写楽の設定が濃すぎる!?出典:http://meigen.keiziban-jp.com

手塚治虫「三つ目がとおる」はアニメ化された怪奇SF!漫画版はさらに濃い!?

手塚治虫の傑作怪奇SF漫画「三つ目がとおる」の誕生秘話とは?

漫画の神様と称された手塚治虫にも、一時、人気に陰りが生じた時期がありました。時は1970年代。手塚治虫の描く世界観とは真逆である、劇画的タッチやスポーツ根性ものといった漫画に人気が集中したからです。そんな低迷期に、手塚治虫が起死回生を賭けて世に送り出したのが怪奇SF漫画の傑作と評される「三つ目がとおる」でした。

この作品は、手塚治虫にとって9年ぶりの「少年マガジン」での連載となっています。実はその以前、手塚治虫は、マガジン編集部との間に連載を巡る問題が発生しており、その後はマガジンとの一切の仕事を断っていました。折しも連載が始まった1974年は、手塚治虫にとって漫画家生活30年の節目に当たり、マガジン編集部も、「手塚治虫30年史」という巻頭オールカラー25ページの異例ともいえる特集を組んでいます。

手塚治虫「三つ目がとおる」は主人公・写楽の設定がアニメよりも漫画版のほうが濃すぎる?湾岸戦争中も放映して高視聴率獲得!?

同時期に連載していた「ブラック・ジャック」と共に手塚治虫の人気作品となった「三つ目がとおる」は、アニメ化されています。手塚治虫没後の1990年10月18日~1991年9月28日まで、全48話に渡ってテレビ東京で放映されました。漫画版では、手塚治虫特有の大人向けのエロティックな描写や風刺的な表現が多く用いられ、第三の眼を持つ主人公・写楽も濃いキャラで自由奔放に暴れまくっていました。

しかし、子供たちに与える影響を配慮してか、アニメ版では、さすがにそういった過激な描写は極力押さえられています。ちなみにテレビ東京は、その当時、湾岸戦争が勃発して他局が一斉に特集を組む中、アニメ「三つ目がとおる」を通常放映し、その結果としてビデオリサーチ19%という高勝率を獲得しました。

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手塚治虫「三つ目がとおる」の登場人物!写楽の呪文のおもな用途とは?

手塚治虫の代表作「三つ目がとおる」のおもな登場人物とストーリーの魅力とは!

手塚治虫の人気作品「三つ目がとおる」の主人公である弱虫でいじめられっ子の写楽保介は、一見どこにでもいる平凡な中学生です。しかし実は、古代ムー大陸で超古代文明を築いていた「三つ目族」の末裔であり、顔に貼ってある絆創膏の下に「第三の眼」を隠し持っています。

その「第三の眼」が開かれた時、写楽には、三つ目族が持っていた常人を遥かに超える天才的頭脳と超能力が宿り「悪魔のプリンス」へと変身。変身後の冷酷な写楽は、現代文明を壊して「三つ目文明」を再び興すという野心に駆られますが、写楽が唯一心を許せる同級生で寺の娘でもある和登千代子が、彼の野望をことごとく阻んでいきます。この写楽と千代子の凸凹コンビが、学園生活で起こるさまざまな難問題や事件に立ち向かって解決していくというストーリーです。

加えて、物語の根底には1970年代に流行っていた超古代文明やオカルトブームも深く関わっています。手塚治虫流の古代遺跡に対しての鋭い洞察力や、グローバルな世界観も、作品の大きな魅力となっていると言えるでしょう。

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手塚治虫「三つ目がとおる」の主人公・写楽の呪文で呼び出される「赤いコンドル」の用途とは?

絆創膏を剥がして「三つ目族の末裔」に変身した写楽の最大の能力は、呪文によって、万能で未知の力を持つ祭具「赤いコンドル」を呼び出せることです。「赤いコンドル」とは、三つ目族の遺産であり、三つ目の血を引く者だけが扱うことができる万能道具。見た目は、真っ赤な色をした槍で、矢印のような形をしており、先から熱線を放射したり、「三つ目族の末裔」に変身した写楽が創り出した機械や遺産を動かすスイッチにもなります。

この「赤いコンドル」を呼び出す呪文は「アブドル・ダムラフ・オムニス・ノムニス・ベル・エス・ホリマク」。訳すと、「我と共に来たり、我と共に滅ぶべし」という何とも意味深な内容です。このアイテムを今風にたとえるならば、「何でも出せる魔法の杖のようなもの」というのが一番近いかもしれません。

手塚治虫の傑作怪奇SF作品「三つ目がとおる」のリブート版が発売!主人公・写楽の名前の由来と漫画に込めた世界観とは!?

絆創膏の下に隠した写楽の「第三の眼」が開かれる時、古代三つ目族末裔の不思議な能力で数々の難問題を解決していく……手塚治虫の代表作である怪奇SF漫画「三つ目がとおる」を原作とした、リブート版「三つ目黙示録~悪魔王子シャラク」(藤澤勇希・柚木N’)が、2017年4月20日に発売されました。

主人公は、三つ目族の末裔にして、日頃は弱虫王子である写楽保介と、写楽の憧れの人であり、唯一無二の親友でもある和登千代子。リブート版では、高校生になった写楽と和登が、学園を取り巻くさまざまな難事件を解決すべく奮闘します。一見凹凸コンビに見える写楽と和登ですが、実は2人の名前には、手塚治虫の「漫画に推理的要素を織り込みたい」という並々ならぬ想いが込められていました。

それは2人の名前の由来が、世界一有名な名探偵シャーロック・ホームズとワトソン博士から来ていることからもうかがえます。「三つ目がとおる」連載前の1970年代は、「サイボーグ009」の石ノ森章太郎や、「ゴルゴ13」のさいとう・たかをらの劇画漫画が大人気でした。嫉妬心の強かった手塚治虫は、彼らに対抗すべく、古代史に関する徹底的なリサーチと推理ドラマを織り込んだ「三つ目がとおる」を世に送り出したのでしょう。

手塚治虫の思惑通り、作品は大ヒット。同時期に連載を始めた「ブラック・ジャック」と並ぶ手塚治虫の代表作となりました。また、「ブラック・ジャック」を原作とした「ヤング・ブラックジャック」と「Dr.キリコ~白い死神~」も発売されています。手塚治虫の描く人間愛と壮大な世界観が、没後四半世紀の時を超えて今の若い世代にどう伝わるのか、大いに楽しみです。

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