ローマン・ゴンサレスから井岡一翔は逃げた?井上尚弥は世界最強王者に勝てるのか?

2017年4月3日 更新

ローマン・ゴンサレスから井岡一翔は逃げた?井上尚弥は世界最強王者に勝てる?

ローマン・ゴンサレスと井岡一翔が統一戦対戦延期!強さを恐れて逃げた?

ローマン・ゴンサレスは、ニカラグア人初の世界4階級制覇王者となり、無敵の強さを誇るプロボクサー。「ロマゴン」とも呼ばれて親しまれていますが、あまりにも強すぎるためか、我こそはと名乗りを上げる挑戦者に恵まれません。その強さを怖れたためか、あの井岡一翔(いおかかずと)も逃げたとすらささやかれています。

いきさつは、ライトフライ級へ転向と同時に、王座決定戦でライトフライ級タイトルも奪取、2階級制覇を達成した井岡一翔。この王座決定戦の勝者は、試合から90日以内に、ローマン・ゴンサレスと統一戦で闘うことが条件となっていました。しかし、井岡一翔の父親であり、プロモーターでもある井岡一法が、その一戦を延期にしたのです。理由として、統一戦への準備期間が短かったことと、統一戦はラスベガスで行うべきという両陣営の意見一致が挙げられています。

しかし、井岡一翔陣営が金を払って試合を避けたという説も根強いことから、「井岡一翔が逃げた」という見方がついてまわるようです。勢いづいている時期だけに、こんな強力な相手と一戦交えるのは得策ではないと判断したのでしょう。考えは分かりますが、試合が発表になった後の延期だけに、より「逃げた」という感じがぬぐえず、ファンにも、納得できない後味の悪さが残りました。

ローマン・ゴンサレスは、1987年6月17日生まれの29歳で、本名は、ローマン・アルベルト・ゴンサレス・ルナ。身長159.5cmで、所属は帝拳ジムです。10歳でボクシングを始めたローマン・ゴンサレスは、特別コーチを受けたアレクシス・アルゲリョの再来といわれるほどの非凡さを見せます。アマチュア時代は、オリンピックなどの主要大会出場は経験していないものの、87戦全勝。

2005年7月に、2回KO勝ちでプロデビュー以降、プロでの戦績は45戦45勝(38KO)と、まさに向かうところ敵なしのチャンピオン。ローマン・ゴンサレスの特徴は、軽快なボディワークに、正確無比のパンチ力と、多彩なテクニックを併せ持った右のハードパンチャー。WBA世界ミニマム級、WBA世界ライトフライ級WBC世界フライ級、WBC世界スーパーフライ級の4階級を制した初のニカラグア人でもあります。

ローマン・ゴンサレスが井上尚弥と2017年に世界最強対戦実現?速攻なら井上尚弥が勝てるか?

ローマン・ゴンサレスは、世界最強王者として無敵を誇ります。井岡一翔が逃げたと噂されることでも分かるように、その圧倒的な強さで敬遠されることもあるほどです。そんなローマン・ゴンサレスの次期対戦相手として、真っ先に名が挙げられる存在が井上尚弥でしょう。

海外のニュースWEBサイト 「ボクシングニュース・24・ドットコム」でも、この2人の対戦が実現すれば、「世紀の一戦フロイド・メイウェザー・ジュニア対マニー・パッキャオ戦に次ぐビッグマッチ」になるという記事を掲載。世界のボクシングのトップクラスの試合であるとして、高い評価と注目ぶりを示しています。

勝負した場合、世界最強王者のローマン・ゴンサレスに分があるという声が大勢を占めているようです。もし、井上尚弥が活路を見出すとすれば、スピーディーなフットワークで、ローマン・ゴンサレスを翻弄するという試合運びになるでしょう。ローマン・ゴンサレスと対戦歴があり、2人を知る八重樫東(やえがしあきら)も、「暴力的ではなく、緻密な計算で組み立てられたボクシング。

しかし、基本的なスピードとディフェンスは尚弥に分があるから、尚弥の距離で戦えるかも」と評しています。ただし、課題を挙げるならば、それは、スピードを身上とする井上尚弥のスタミナです。速攻でKOに持ち込めれば井上尚弥にも分がありますが、試合がもつれ込めば、ローマン・ゴンサレス有利となる可能性があります。この両者の対決は、2017年には実現するだろうというのが大方の見方です。

アメリカのテレビ取材で、「井上との世紀の一戦が期待されているが?」とインタビューを受け、「もちろんさ。喜んで一戦交えたい」と即答したローマン・ゴンサレス。井上尚弥も、「八重樫さんの借りを返したい」と闘志満々。勝敗の行方は別にして、ベストな状態での実現が期待されるビッグマッチとなりそうです。

ローマン・ゴンサレスはダウンしたことあるの?八重樫東の激闘は感動的!

ローマン・ゴンサレスは試合でダウンした経験はない?駆け引きに一抹の不安が苦戦の要因?

ローマン・ゴンサレスが、プロデビュー以降、試合でダウンしたことはあるのでしょうか?実際のところ、あわやダウンというところまで追い詰められたことはないようです。しかし、ダウンしたことはないまでにしても、ヒヤッとさせるようなシーンが見られました。

一例として、2010年10月の、WBA世界ライトフライ級暫定王座決定戦でのフランシスコ・ロサスとの対戦が挙げられます。試合開始のゴングが鳴って間もなく、フランシスコ・ロサスの右アッパーを浴び、ローマン・ゴンサレスがダウンしたかのように見えたのです。

しかし、ローマン・ゴンサレスはすぐに立ち上がったために、ダウンを取られることはありませんでした。この試合は、ローマン・ゴンサレスが、2ラウンドで、フランシスコ・ロサスにKO勝ちを収めていますが、「無敵の王者が遂にダウンか?」と思わせるものとなりました。

2012年11月、ファン・フランシスコ・エストラーダの挑戦を受けた一戦も、ダウンとまではいきませんが、ローマン・ゴンサレスの戦歴の中では苦戦したといえるものでしょう。体のサイズの違いが大きかったこともありますが、ファン・フランシスコ・エストラーダの思い切りの良さとメリハリのあるコンビネーションも、てこずった要因といえるでしょう。

最終的には、3-0の判定で勝利しましたが、12ラウンドまで勝負がもつれ込んだことで、苦戦の印象を強くしています。この苦戦は、正攻法で押すローマン・ゴンサレスの駆け引き術に、一抹の不安を残すものでした。

ローマン・ゴンサレスと八重樫東との激闘は語り草に!ファンの大声援がやまない感動的な試合に!

ローマン・ゴンサレスは、これまで、日本人選手と3試合で拳を交えていますが、当然ながら、全て勝利を収めています。中でも、2014年の八重樫東との激闘は語り草となっています。その熱い一戦は、もはや感動的だと称賛されているほど。当時、WBC世界フライ級王者だった八重樫東に、挑戦者ローマン・ゴンサレスが対戦するという構図だった世界フライ級タイトルマッチ。

その一戦は、ローマン・ゴンサレスが、9回2分24秒TKO勝ちで、3階級制覇を達成という結果に終わりました。打たれたら打ち返すというボクシングで挑んだ八重樫東の姿には、さすがのローマン・ゴンサレスも、前に出ることをためらう場面も。しかし、そこは無敗を誇るだけの怪物です。ローマン・ゴンサレスは、八重樫東の仕掛けた打ち合いをものともしないタフさを持っていました。

そして、お互いに死力を尽くした激闘の結末は、ローマン・ゴンサレスのTKO勝ち。「八重樫は、パワフルで、とても素晴らしいボクサーだった」とエールを送るローマン・ゴンサレスを、「やはりロマゴンは強かった」と、八重樫東も讃え合いました。

2014年度の年間最高試合と称賛されたほどの一戦を一言で表すならば、大橋ボクシングジム会長・大橋秀行の言葉がもっともふさわしいでしょう。「これがボクシング。強い者同士で戦うという勝負の原点」。

ローマン・ゴンサレスが井上尚弥と同階級に!期待と注目が集まる世紀の一戦の実現へ!

ローマン・ゴンサレスは、カリフォルニアで行われたWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチで、無敗王者のカルロス・クアドラスを破り、4階級を制覇しました。これは、故アレクシス・アルゲリョが制覇した3階級を上回り、「アルゲリョの再来」と呼ばれたローマン・ゴンサレスにとって、記念すべき快挙のはず。

しかし、無敵の王者としてのキャリアを誇るボクサーであるローマン・ゴンサレスにとって、これまでにない試練を強いられる試合内容でした。12ラウンドにわたるスコアは、117-111、116-112、115-113とほぼ互角。戦前の下馬評は、圧倒的にローマン・ゴンサレス有利に傾いていたこともあり、キャリア最大の苦戦という印象が刻まれました。

それを裏付けるのが、「今まででもっともハードな試合だった」というローマン・ゴンサレス自身のコメントです。疲弊しきった表情は、苦しい試合内容をありありと物語っていました。この苦戦の要因には、ローマン・ゴンサレスがクラスを上げてきたことも挙げられます。

ミニマム級からライトフライ級、フライ級へと階級を上げてきたローマン・ゴンサレスは、体格が劣る印象が否めませんでした。ここ2年ほどの疲労蓄積も懸念され、オーバーホール(メディカルチェックを受けること)が必要との声もあるほどです。

しかし、この勝利により、スーパーフライ級を制覇したローマン・ゴンサレス。これで井上尚弥と同じ階級になり、来るべき世紀の一戦へのお膳立てができたと見るべきでしょう。この試合をリングサイドで観戦した井上尚弥が、試合後に、ローマン・ゴンサレスの控室へ赴いて祝福するという一幕もありました。

両者の対戦のタイミングは、どう引っ張ったとしても2017年中とみられますが、実現のあかつきには、ファンの大きな期待と注目が集まるのは間違いありません。ローマン・ゴンサレスには、ベストのパフォーマンスを発揮してもらいたいものです。

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