佐伯泰英の時代小説がアツい!「居眠り磐音」「吉原裏同心」のあらすじ

佐伯泰英の時代小説がアツい!ウェブサイトも面白い!

佐伯泰英の時代小説がアツい!月刊佐伯と呼ばれてる?

時代小説好きな方へ、「今一番売れている作家は?」と聞かれれば、佐伯泰英だと答えるのではないでしょうか。実際、書店の時代小説コーナーに行くと、佐伯泰英の著作がずらっと並んでいる光景が見られるはずです。

「吉原裏同心」「密命」といった人気シリーズは、ドラマ化もされているため、今最もアツい時代小説家といえば、やはり佐伯泰英となるでしょう。また、月刊佐伯の異名をとるほど執筆ペースが速く、毎月のように新刊が発売されるので、気になる続編がすぐに読めるという点でも人気があるようです。

佐伯泰英のファンサービス?ウェブサイトも面白い!

面白い小説に夢中になった後で、時を置かずして新作が発売されることは、その作家のファンにとってたまらく嬉しいことなのは間違いありません。しかし、佐伯泰英の読者に向けたサービス精神はそれにとどまりません。自ら運営するウェブサイトは、新刊情報や、既刊リスト、身辺雑記をつづった日記ブログはもちろん、佐伯通信と名付けたミニ新聞が掲載されているのが最大の特徴です。佐伯泰英本人のエッセイはもちろん、担当編集者のエッセイや講演会のレポート等もあり、読み応えは充分。ファンならば、見ておいて損はないサイトになっています。

佐伯泰英の「居眠り磐音」「吉原裏同心」のあらすじ、ドラマ化とキャストは?

佐伯泰英のドラマ化された「居眠り磐音」シリーズあらすじキャスト!

佐伯泰英の代表作といえる作品の1つが「居眠り磐音」シリーズです。2007年にNHKでドラマ化されて、好評を博してシリーズを重ね、2017年には、正月スペシャルとして完結編も放送されています。山本耕史演じる主人公は、九州の豊後関前藩出身で剣の達人でもある佐々木磐音。藩政改革を目指すがために、許嫁・奈央の兄を斬ることになり、失意のまま江戸へ出て用心棒として活躍していくというのがあらすじです。磐音が江戸で所帯を持つことになるおこんに中越典子、おこんの父に小松政夫、磐音の後ろ盾となる今津屋吉右衛門に渡辺いっけいと、豪華キャストが脇を固めています。

佐伯泰英「吉原裏同心」のドラマは小出恵介主演!あらうすじキャストは?

「吉原裏同心」は、「居眠り磐音」と同じく、NHKで2014年にドラマ化された佐伯泰英の人気シリーズです。主人公は、豊後竹田にあった岡藩の藩士・神守幹次郎。人妻となっていた幼馴染の汀女と一緒になるため、脱藩して駆け落ちし、流れ着いた江戸・吉原の四郎兵衛の用心棒となり、いわゆる裏同心となります。汀女は、吉原の遊女たちに俳句を教えるようになり、神守幹次郎と一緒に吉原で起こる事件を解決していくというのがあらすじです。ドラマ版のキャストは、主人公の神守幹次郎に小出恵介、その相手役である汀女に貫地谷しほり、神守幹次郎を雇うことになる四郎兵衛を近藤正臣が演じています。

佐伯泰英は闘牛マニア?売れない作家から売れる作家になるまで

「吉原裏同心」や「居眠り磐音」をはじめとして、10以上の人気シリーズを抱え、その売り上げは累計4000万部を超えている佐伯泰英。本が売れない時代と言われて久しい中、そんなことはまるで関係ないことのように思えます。
しかし、佐伯泰英が売れる作家になるまでは、長い時間を要しました。1999年に初めて出版した時代小説「密命 見参!寒月霞斬り」がヒットした時は、なんと57歳!間もなく60代になろうという時にブレイクを果たしたことになります。

佐伯泰英は、もともと時代小説家を目指していたわけではありません。さらにいうならば、小説家志望でもありませんでした。青年時代は、技術があれば食べていけると考え、日本大学藝術学部映画学科に入学し、映像制作を習得。卒業後は、それをいかしてCM制作の仕事に進みますが、現状に満足できず、カメラマンを目指して海外を放浪する旅に出ます。

そして、1971~1974年まで滞在したスペインで闘牛に惹きつけられた佐伯泰英は、知人の編集者に勧められ、闘牛をテーマにしたノンフィクションを発表しました。その作品「闘牛士エル・コルドベス 1969年の叛乱」は、プレイボーイドキュメントファイル大賞を受賞。

それまでは、生活のため、カメラマンとしてあらゆる仕事を引き受けていましたが、この受賞をきっかけに、ノンフィクション作家へと舵を切り、さらには小説家として作品を発表します。得意のスペインや闘牛をテーマにしたものから、警察小説や冒険小説も手掛けていた佐伯泰英。しかし、売り上げは芳しくなく、55歳を迎える頃には、編集者から、これ以上作品を出すことはできないと引導を渡されてしまいました。

その時に編集者が漏らしたのが、「あとは官能小説か時代小説しかないですよね」という言葉。ここに、佐伯泰英の人生を好転させるヒントが潜んでいました。官能小説は無理でも、時代小説ならば、幼い頃から映画や貸本で親しんでいたこともあり書けるかもしれないと思った佐伯泰英は、藁にもすがる思いで、時代小説を執筆します。

そして、生まれたのが「密命 見参!寒月霞斬り」でした。自ら売り込んで出版にこぎつけた「密命 見参!寒月霞斬り」は、発売わずか1週間で重版がかかるヒットに。この作品が、人気シリーズの1つである密命シリーズの第一作となるわけですから、佐伯泰英の崖っぷちからの大逆転ぶりはすさまじいものがあります。

1942年2月14日生まれの佐伯泰英は、現在75歳。80歳を目前にしてヒットメーカーとなってどこまで走り続けていけるのか、作品同様に本人の動向も気になります。

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