サルバドール・ダリの名言集!奇才シュールレアリストの生涯

サルバドール・ダリの名言集!奇才シュールレアリストの生涯

サルバドール・ダリの名言集!親しみやすさの秘密?

サルバドール・ダリは、1904年生まれで、1989年に没したスペインの有名画家です。ユダヤ系の家系だという公証人の父と、商家出身の母の間に生まれ、裕福な家庭で育ちました。1989年に亡くなった後も、世界各地でダリ展が開催されるなど、現在に至るまで、その人気ぶりは健在です。そんなサルバドール・ダリは、数々の名言を残しており、最近またその言葉が脚光を浴びています。その一部をご紹介します。

例えば「完璧を恐れる必要はない。決してそこには到達しないから」「間違いは神聖なもの、それを正すというよりは合理的に考え、誤りを理解せよ。そうすれば間違いを昇華することが可能になる」などは、現代でも受け入れやすいセオリーです。
一方で、「志のない知恵は、翼のない鳥に等しい」「みんな神話が好きだ。だから私の絵を愛するのだ」「私は天才を自覚している」などは、ずいぶん大胆で高飛車な言い方にも思えますが、実は、内なる向上心を、自ら奮い立たせるために放たれた言葉であったのかもしれません。

さらに、「何も真似したくないという者は、何も生み出さない」は、昨今何かと話題になりがちなコピペ問題にも通ずる提言であり、「大切なことは混沌を拡大することだ。混沌を消し去ってはいけない」は、自身の創作活動への悩みや葛藤を乗り越えるべく自分自身に語っているようにも感じられます。まだまだたくさんありますが、どの言葉も力強さと人間味に溢れ、サルバドール・ダリの深遠な人柄を感じさせるものばかりです。

サルバドール・ダリという奇才シュールレアリストの生涯とは?

サルバドール・ダリといえば、「奇才」の名をほしいままにした作品群で有名です。一方で、裕福なユダヤ系の家系に生まれ育ったサルバドール・ダリでしたが、派手なパフォーマンスや奇行にまつわるエピソードも数多く残しています。サルバドール・ダリを極端な奇行に走らせたのは、幼少期に母親から、「あなたは亡くなった兄の生まれ変わりなの」と言い聞かせられたことや、幼くして、亡くなった兄と同じ名前をつけられたことが原因ではないかという説も。

そんな一風変わった少年時代、サルバドール・ダリが興味を持つようになったのが絵画でした。その後、パリの美術学校へ進学したサルバドール・ダリは、ピカソをはじめ、才能豊かな芸術家たちとの交流を深めていきます。ある日、詩人のポール・エリュアールが、妻のガラとともに、サルバドール・ダリを訪ねました。

すると、サルバドール・ダリとガラは、お互いに好意を抱き、大恋愛の末、結婚してしまいます。ガラとの運命的な出会いを果たした当時の作品の中には、現実離れした作風で、サルバドール・ダリが「シュールレアリスト」と呼ばれる所以ともなった「記憶の固執」や、「大自慰者」などの代表作も。

奔放で浮気性のガラを生涯愛し続けたサルバドール・ダリは、ガラの死後、一切の芸術活動を止めて、1989年に亡くなるまで、引きこもり生活を送ったそうです。サルバドール・ダリのあふれんばかりの才能の結実は、ガラの存在あってこそだったのかもしれません。

サルバドール・ダリはチュッパチャップスロゴのデザイナー!「記憶の固執」の意味

サルバドール・ダリはチュッパチャップスロゴのデザイナーだった!

サルバドール・ダリと、世界的に有名なアメの「チュッパチャップス」には、知られざるつながりがありました。チュッパチャップスは、1950年代後半に、エリック・ベルナートが考案した棒付きアメから始まり、名前の由来は「しゃぶる」「舐める」という意味のスペイン語です。

チュッパチャップスの創業者のエンリケ・ベルナートは、世界展開を考えるにあたり、その商品イメージを表すためにもっとも重要なデザインを、稀代の芸術家サルバドール・ダリに依頼すると決めていたそうです。理由は、エンリケ・ベルナートが求める商品イメージが、「ファンタジー」「現代的」「エキセントリックな世界観」であり、それらを表現できるのは、サルバドール・ダリしかいないと確信していたからでした。

サルバドール・ダリの作品「記憶の固執」の意味とは

サルバドール・ダリの代表作に「記憶の固執」という作品があります。1931年に制作された油絵の作品で、サルバドール・ダリの初期の作品として大変有名です。この「記憶の固執」は、「柔らかい時計」や「溶ける時計」と呼ばれることもあります。その名の通り、「記憶の固執」は、柔らかくて今にも溶け落ちそうに変形した時計3つが、木や机、謎の生物にそれぞれ覆いかぶさっているという構図です。

サルバドール・ダリの作品には、たびたび「柔らかいもの」と「硬いもの」が、その固定概念を破る形で登場しますが、時計は、その最も象徴的なものといえます。サルバドール・ダリ自身も、「固定化した宇宙秩序の解体に基づいたシュールレアリストの思想」と語っていることから、「記憶の固執」こそ、サルバドール・ダリの「固定化した硬いもの」と「時間や形の定まらないグニャグニャした存在」への執着を象徴する作品の筆頭といえるでしょう。

「記憶の固執」には、他にも、死を表すアリが登場していますが、3つの時計の時間がバラバラなこともあわせて、サルバドール・ダリが、自身の死生観も表現していたのではと分析する専門家もいます。

サルバドール・ダリの過去最大規模の回顧展「ダリ展」が国立新美術館と京都市美術館で開催!

サルバドール・ダリは、今なお愛され続ける20世紀を代表する芸術家です。サルバドール・ダリの作品を目にしたことがない人でも、口ひげをなが〜く伸ばしたサルバドール・ダリの写真を見たことがあるという人は多いのではないでしょうか。そんなサルバドール・ダリの回顧展が、この秋に、京都・京都市美術館(7月1日~9月4日)と東京・国立新美術館(9月14日~12月12日)で開催されることが決まりました。

スペインのマドリードとフィゲラス、アメリカの美術館それぞれから、サルバドール・ダリの作品が日本に一同に集結するという、過去最大級のダリ展に、ファンの期待は高まります。
絵画や彫刻や宝飾品にとどまらず、舞台装置や衣装デザインまで手がけたサルバドール・ダリ。そんなサルバドール・ダリの初期から晩年にかけての作品を多角的に知ることができるダリ展は、一見の価値ありですね。

幼少期のトラウマや、ガラとの恋愛、そしてサルバドール・ダリ自身の死生観が、作品にどのような影響を及ぼしたのか?……自らを「天才」と名乗ったサルバドール・ダリの等身大の人間性にも触れることができる回顧展となることでしょう。

サルバドール・ダリの名言格言を見てみると、ありのままの自分自身を認め、むしろ愚かさや失敗を愛する傾向が強い印象を受けます。また悪妻のミューズと呼ばれたガラを作品にもたびたび登場させるなど、生涯をかけて、ありのままの妻を愛し続けたサルバドール・ダリ。

仲睦まじいサルバドール・ダリとガラの写真も多く残されていますし、「ダリはガラ、ガラはダリ」や、「ガラ以外は全て敵だ」、また、「母よりも、父よりも、ピカソよりも、それにお金よりも、ガラを愛している」と発したとされるサルバドール・ダリの言葉も記録されていて、その一途さにも、人としての深みを感じます。

サルバドール・ダリとガラ2人のイニシャルSDGを用いてデザインされた8つのアルファベット「ダリグラム」は、後に、ブランド「ランセル」のバッグのデザインに起用されました。このように、ガラからインスピレーションを受けて世に出されたサルバドール・ダリの作品は、その後も多大な影響を与え続けています。

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