映画「ワンダーストラック」の原作は小説「Wonderstruck」!カンヌ国際映画祭の最高部門にノミネート

映画「ワンダーストラック」の原作は2011年の小説「Wonderstruck」!作者はブライアン・セルズニック

映画「ワンダーストラック」は2つの時代が交差する人間ドラマ映画!あらすじネタバレ

映画「ワンダーストラック」は、2017年のアメリカ映画。1927年と1977年という2つの時代が交互に描かれています。1927年パートの主人公は、耳が不自由な少女ローズです。大ファンである女優リリアン・メイヒューに会うためにニューヨークへと向かいます。

1977年パートでも、事故によって聴覚を失ってしまった少年ベンが、実の父親を探すためにニューヨークを目指すことに。孤独な主人公たちの間には50年という年月の差がありますが、2人の運命は、不思議な縁のよって交差することになります。

映画「ワンダーストラック」の原作は小説「Wonderstruck」!作者は「ヒューゴの不思議な発明」のブライアン・セルズニック

映画「ワンダーストラック」の原作は、ブライアン・セルズニックが2011年に出版した小説「Wonderstruck」です。日本語版は未発売ですが、ブライアン・セルズニックの原作小説が映画化されるのは「ワンダーストラック」が初めてではありません。2011年にアカデミー賞で最多11部門にノミネートされた映画「ヒューゴの不思議な発明」に続く2作品目となります。

映画「ワンダーストラック」では、脚本も担当した原作者のブライアン・セルズニックは、小説に描いたニューヨークの情景を、忠実かつロマンチックにビジュアル化することに見事に成功しました。

映画「ワンダーストラック」監督はドット・ヘインズ!カンヌ国際映画祭の最高部門にノミネート

映画「ワンダーストラック」では芸術賞を受賞したドット・ヘインズ監督の手腕にも注目!

映画「ワンダーストラック」で監督を務めるのはドット・ヘインズです。同性愛者などを過激な描写で描いた、1991年の映画「ポイズン」がサンダンス映画祭グランプリを受賞。2007年には、ボブ・ディランの半生を6人の俳優で描いた映画「アイム・ノット・ゼア」で、ヴェネツィア国際映画祭の審査員特別賞を受賞しました。

1998年のイギリス映画「ベルベット・ゴールドマイン」ではカンヌ国際映画祭の芸術貢献賞を受賞するなど、映像美にも定評のある監督です。ファンタジー要素もある映画「ワンダーストラック」でもその才能が存分に発揮されており、当時のニューヨークの空気感もたっぷりな美しい映像も見どころの一つとなっています。

映画「ワンダーストラック」がカンヌ国際映画祭の最高部門にノミネート!結果は?

映画「ワンダーストラック」は、2017年に開催された第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にノミネートされています。最高賞にあたるパルム・ドールを争うこの部門には、ファティ・アキン監督によるドイツ映画「女は二度決断する」や、日本の河瀬直美監督作品「光」、韓国のポン・ジュノ監督作品「オクジャ/okja」などもノミネートされていました。

しかし最終的には、リューベン・オストルンド監督のスウェーデン映画「ザ・スクエア 思いやりの聖域」が受賞。海外メディアからも好評を集めていた「ワンダーストラック」ですが、惜しくも受賞を逃す結果となりました。

映画「ワンダーストラック」はモノクロサイレンスとカラーの映像が融合した映像美に注目!

映画「ワンダーストラック」では、1927年と1977年、2つの時代が描かれています。1977年パートはカラーで音声入りの一般的な映像になっている一方で、1927年パートは、モノクロのサイレンス映像となっている本作。1920年代がサイレント映画の時代だったという映画史に忠実であると同時に、1927年の中心となる少女ローズが聴覚障害のため耳が聞こえないという設定にも見事にマッチしていると言えます。

手話で語られるサイレンス映像によってその当時のニューヨークを再現した演出は、批評家から圧倒的に高い評価を集めました。そのローズを演じるのは14歳のミリセント・シモンズで、1977年の主人公ベンを演じるのは13歳のオークス・フェグリーと、子役をメインにしていることも注目されているポイントです。

ローズと同じ聴覚障害を持つミリセント・シモンズは、「静けさは美しく平和だから、耳が聴こえないことは素晴らしいことだと思います」と語っています。新しい才能が輝く一方で、映画「ブロークバック・マウンテン」でアカデミー助演女優賞にノミネートされたミシェル・ウィリアムズや、賞レースの常連組であるジュリアン・ムーアなど実力派女優も出演。

世界中の映画ファンが注目する映画「ワンダーストラック」の日本公開は、2018年4月6日が予定されています。映像化することによって、原作の持つ魅力を最大限まで表現した本作こそ、ぜひ映画館のスクリーンで楽しみたい作品と言えるでしょう。

関連記事

ページ上部へ戻る