山本文緒は「プラナリア」「恋愛中毒」で女性の心理を巧みに描く!現在の近況は?

山本文緒は「プラナリア」「恋愛中毒」で女性の心理を巧みに描く!15年ぶりの長編作品「なぎさ」もオススメ

山本文緒は直木賞作家!「プラナリア」「恋愛中毒」で女性の心理を巧みに描く

山本文緒は、2001年に第124回直木賞を受賞した小説家です。受賞作「プラナリア」は、「働かない」ことをテーマに、女性たちの複雑な心理をすくいとっているおすすめ作品。

無職で家にひきこもる「ニート」や、親に寄生する「パラサイトシングル」といったワードが取りざたされ始めた時代だったこともあり、大きな話題になりました。また、恋愛にのめりこんで道を踏み外していく女性の心理を巧みに描いた吉川英治文学賞受賞作「恋愛中毒」も読みごたえたっぷりでおすすめです。

山本文緒の15年ぶりの長編作品「なぎさ」もオススメ!

女性の微妙な心理の描写に定評がある山本文緒は、女性を中心に多くのファンを持つ作家です。そんな山本文緒が久々に手掛けた長編小説が、2013年に発売された最新刊「なぎさ」。長編作品は1998年の「恋愛中毒」以来ですから、実に15年ぶりです。

家事だけがとりえの主婦・冬乃は、ブラック企業に勤める夫と二人暮らし。そこに転がりこんできた妹と一緒にカフェを始めることになり、夫婦の関係にも変化が訪れて……というあらすじです。久々の長編にして、傑作との呼び声も高い作品となっています。

山本文緒は夫に助けられながらうつ病を克服していた!現在の近況は?

山本文緒は再婚した夫に助けられながらうつ病を克服していた!

15年ぶりに長編作品「なぎさ」を発表した山本文緒。前作からにここまで間が空いたのには理由がありました。実は、うつ病を患い、長く闘病生活を送っていたそうです。発症したのは2003年頃で、何度か入院も経験し、2002年に再婚したばかりの夫にも助けられながら、およそ6年の長い時間をかけて治療を行いうつ病を克服しました。

この闘病中の様子ついては、復帰後に発売された日記形式のエッセイ「再婚生活 私のうつ闘病日記」で詳しく触れられています。

山本文緒の現在をツイッターやインスタグラムでチェック!

うつ病から復帰した山本文緒の作家活動は、以前に比べるとかなりスローペースになりました。小説家とは、作品が発売されるまでは何をしているのかが分かりにくいものです。その点、山本文緒は、アカウントを持っているツイッター(@fumiyama55)とインスタグラム(fumioyamamoto)から近況を知ることができます。現在主にアップされているのは、日常の何気ないつぶやきや、息抜きのおやつの写真など。ファンとコメントのやりとりをしている場面も見受けられます。

山本文緒は少女向けラノベレーベル・コバルト文庫出身!巧みな心理描写でドラマ化も多数!

巧みな心理描写に定評のある作家・山本文緒。特に女性心理の描き方は随一で、形にならないさまざまな想いをすくいあげるように描くことで、多くの女性ファンをひきつけてきました。それもそのはず、実は山本文緒デビューは、少女向けのライトノベルレーベル・コバルト文庫でした。

1998年に発表された「きらきら星をあげよう」を皮切りに、年に3作ほどをコンスタントに発表し、多くの少女たちに親しまれる存在となります。しかし、少女小説で表現することに限界を感じたのか、1992年頃からは、活躍の場を一般文芸にシフト。

最初はなかなか売り上げも伸びず、苦労をすることもあったようですが、少女小説の老舗コバルト文庫で鍛えられた筆力にも支えられて、次第に読者をつかんでいくようになりました。一般文芸に舵を切った初期の頃に書かれた「ブルーもしくはブルー」や「パイナップルの彼方」「群青の夜の羽毛布」といった作品は、今も人気があり、ドラマ化や映画化もされています。

2018年4月には、TBSで、山本文緒の「あなたには帰る家がある」を原作としたドラマがスタートします。小説「あなたには帰る家がある」は1994年に発売され、2003年にも斉藤由貴主演でドラマ化されており、今回が2度目のドラマ化です。主演には中谷美紀を据え、共演者には、玉木宏や木村多江、ユースケ・サンタマリアと実力派を揃えています。

「あなたには帰る家がある」は、夫婦のすれ違いや不倫といった人間ドラマを描いた、一筋縄ではいかない難しそうなテーマの作品ですが、主演の中谷美紀はやる気に満ちている様子。「家族だからこそ、ほんの少しのボタンのかけ違いで夫婦の絆にヒビが入ってしまう」「リアルな夫婦像をお見せすることになると思います」とコメントしています。

小説の中で描かれている、日々の生活に追われる大人たちが抱えるもやもやするような複雑な思いや、抑えきれない感情を、演技派のキャスト陣がどう演じるのかに期待したいところです。これをきっかけに、山本文緒の作品に新しく注目する層も増えるのではないでしょうか。

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