柚木麻子の「BUTTER」にモデルがご立腹? 直木賞受賞まであと一歩!

柚木麻子の新刊「BUTTER」は木嶋佳苗がモデル?!ドラマ化した作品は?

柚木麻子のドラマ化した作品は?新刊「BUTTER」のモデルがご立腹?

柚木麻子は、最新作「BUTTER」が直木賞にノミネートされた小説家です。ドラマされた作品もあるほど、30~40代の女性を中心に熱い支持を集めています。2013年には、森三中の黒沢かずこを主演に迎えて「嘆きの美女」が、2015年には、蓮佛美沙子と戸田菜穂のダブル主演で「ランチのアッコちゃん」がともにNHKでドラマ化されています。

柚木麻子の仕事は順調なようですが、最新作「BUTTER」についてあるトラブルが発生しました。作中で描かれる事件とその犯人のモデルになったという木嶋佳苗死刑囚が、大層ご立腹だと言います。

柚木麻子が木嶋佳苗を怒らせた?新刊「BUTTER」は木嶋佳苗がモデル?!

木嶋佳苗は、2009年に発覚した首都圏連続不審死事件で、2017年4月に死刑が確定した人物です。複数の男性から結婚をにおわせ金をだまし取り、そのうちの数人を自殺等に見せかけて殺害したと言われています。柚木麻子は、「BUTTER」で、木嶋佳苗をモデルに主人公の梶井真奈子を描きました。

それを知った木嶋佳苗は、自身の公式ブログ「木嶋佳苗の拘置所日記」で不快感を露わにしています。小説で描かれた梶井真奈子は、彼女によると、実際の自分とは乖離しているとのこと。とはいえ、自身に世間から注目が集まることはやぶさかではない感もブログからはうかがえます。

柚木麻子の文庫本オススメ作品一覧!「けむたい後輩」あらすじネタバレ

柚木麻子の文庫本オススメ作品一覧!「BUTTER」以外の直木賞候補作も!

柚木麻子の最新刊「BUTTER」は、発売されたばかりとあって文庫にはなっていませんが、手軽な文庫版になっている作品も多数あります。ここで、文庫本のオススメをご紹介。まず、柚木麻子自身初の直木賞ノミネートとなった「伊藤くん A to E」。イケメンだけど、どうしようもない駄目男・伊藤と、彼をとりまく女性たちを描いた作品です。

他にも直木賞候補となった作品としては、「本屋さんのダイアナ」も文庫化されています。また、ドラマ化だけでなく、本屋大賞にもノミネートされた人気作「ランチのアッコちゃん」もすでに文庫に。本作、読むと元気が出るという声の他に、美味しそうなランチの描写にお腹が空くとの声もあるようです。

柚木麻子が描く女子の世界!「けむたい後輩」あらすじネタバレ

文庫化された作品の中でも、柚木麻子の得意とする、女友達の間にうずまく嫉妬や対抗心、優越感を絶妙なさじ加減で描いて人気なのが「けむたい後輩」です。舞台は名門女子大で、世間知らずな真実子は、14歳で作家デビューした過去を持つ先輩・栞子に憧れています。

しかし、今となっては、栞子はただの文学少女崩れにすぎません。そんな真実子と栞子の関係に、努力家でリアリストの美里がイラつき、栞子の恋人が真実子に一目惚れするように仕向けて……というのがあらすじです。ネタバレすると、真実子は世間知らずなお嬢様から成長して、人気脚本家になって下剋上を果たすことになります。

柚木麻子の直木賞受賞を逃すも代表作が映画化へ

柚木麻子は、最新作「BUTTER」で、自身にとって4度目となる直木賞のノミネートを勝ち取りました。しかし残念ながら、第157回直木賞は、斎藤正午「月の満ち欠け」が受賞し、柚木麻子は受賞を逃しています。佐藤正午は、62歳でデビュー34年を迎えるベテラン。緻密でありながら、読者をあっといわせる意外で巧みな構成で読ませる作家です。

最近の直木賞がキャリアを積んだ作家に贈られることが多いことから考えても、まだデビュー10年に満たない柚木麻子が受賞を逃したことは仕方なかったかもしれません。とはいえ、柚木麻子が作家として確固たる地位と自信を築きつつあることは明らかです。

候補作「BUTTER」のように、実在の事件や存命の人物をモデルに作品を書くということは、当事者はもちろん、事件にかかわる人々やその事件を知る世間の人々を納得させられるという自信がなければ到底できることではありません。柚木麻子が描いた「BUTTER」が直木賞候補になったということは、この作品が、そのレベルに十分に達していたということの証左となったと言えるでしょう。

モデルとなった木嶋佳苗本人は立腹しているようですが、それについて述べたブログは、彼女特有の毒のあるユーモアあふれる筆致で、ある意味、「BUTTER」の宣伝になっているようなもの。「BUTTER」という本の存在自体を認めないというわけではないとも言えるのではないでしょうか。

人気実力ともに揃ったといえる作家・柚木麻子ですが、代表作の1つである「伊藤くん A to E」が映画化されるというニュースも発表されました。主演は、イケメンながら実力もばっちりな俳優・岡田将生。2017年の夏だけでも、「銀魂」「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」と、出演作が立て続けに公開される売れっ子です。

岡田将生が演じる主人公の伊藤は、ものすごいイケメンなのに、度を越したナルシストな性格のせいで、かかわる女性たちをふりまわし不幸にするダメ男。伊藤とかかわる女性の1人で、物語の鍵を握る落ち目の脚本家・矢崎莉桜を木村文乃が演じます。

柚木麻子作品の真骨頂とも言える毒のある話を2人がどう演じるのかにも注目が集まります。これをきっかけに、さらに柚木麻子の人気が高まることも想像に難くありません。そして、映画公開後に、念願かなって直木賞を受賞することになれば、映画の制作側も出版社側も柚木麻子本人にとっても理想の流れかもしれません。

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