「未来少年コナン」は宮崎駿初監督作品!あの人気ミステリ漫画の意外な関係!

「未来少年コナン」は宮崎駿初監督作品!あの人気ミステリ漫画の意外な関係!

2022年6月20日 更新

「未来少年コナン」は宮崎駿初監督アニメ作品!原作となった小説とは?

「未来少年コナン」は宮崎駿アニメの原点!初監督作品だった!

「未来少年コナン」は、1978年4月4日から10月31日にかけてNHKで放送されたTVアニメ作品。演出に名前が刻まれているのは、スタジオジブリにて長く監督を務め、アニメーション映画の名作を数多く世に出した宮崎駿です。

しかし、監督不在の作品だったため、事実上、宮崎駿が監督も務めている状態でした。そのため、宮崎駿の初監督作品として位置付けられています。宮崎駿は、設定、キャラクター、メカのデザインを全話で担当。絵コンテやレイアウトの作業をしながら、他のスタッフが行った作業をチェックするという超人的なスケジュールの中で制作が行われていました。

近未来の設定と原始的な生活が混在した物語性の高い世界観に魅了された人は多く、「ガンダム」シリーズの監督を務めた富野由悠季(とみのよしゆき)もその1人です。「攻殻機動隊」などSF作品を数多く手掛ける押井守にも強い影響を与えました。また、宮崎駿自身も、思い入れの強い作品として「未来少年コナン」を挙げています。

「天空の城のラピュタ」には、「未来少年コナン」で敵役として登場したレプカの子孫として、敵役のムスカというキャラクターを登場させました。

「未来少年コナン」アニメは大幅改変?原作となった小説とは

宮崎駿が事実上監督を務めたアニメ「未来少年コナン」には原作が存在します。それは、アメリカの小説家アレグザンダー・ケイの「残された人びと」です。しかし、原作とアニメでは、大幅に違う点もあります。現実の世界情勢の影響が色濃い「残された人びと」。当時はアメリカと旧ソ連が冷戦中だったため、東西対決色が強く、登場人物や舞台設定にも、アメリカや旧ソ連を連想させるワードが多数登場します。

しかし宮崎駿は、小学5、6年生向けの冒険活劇として企画されたアニメーションに、政治的な要素や、悲観主義的な考えを取り入れることを嫌いました。そのため、ストーリーのほか、登場人物の名前に至るまで、大幅な改変を行ったそうです。また、原作が架空の戦争直後の荒廃した世界を舞台にしているのに対し、アニメでは、戦争から20年後で、自然が回復してきている世界を舞台にしました。その結果、「未来少年コナン」は、辛い中にも希望が見える、そんな世界観になっています。

「未来少年コナン」は近未来SF冒険アニメ!あらすじネタバレと声優は?

「未来少年コナン」舞台は2028年!近未来の冒険アニメあらすじネタバレ

「未来少年コナン」は、近未来が舞台の冒険SFアニメです。「もしかしたらそうなっていたかもしれない世界」を描くことで、視聴者にとってより身近に感じられる物語となっています。2008年、核兵器よりも強力な「超磁力兵器」を用いた最終戦争が行われて世界は崩壊。地殻変動が起こり、多くの都市が海中に沈んでしまいました。

戦後から20年経った2028年、おじいと一緒に生活していたコナンは、浜辺で、漂流してきた少女ラナを助けます。ラナは、科学都市インダストリアの者たちに攫われ、隙を見て逃げ出したところでした。しかし、一度は助けたものの、追ってきた戦闘員によってラナは再び連れ去られ、おじいも死亡。

コナンは、ラナを救うため、島から旅立ちます。コナンと仲間たちの冒険が中心となりますが、「超磁力兵器」を動かす原動力となっている太陽エネルギーを巡る物語でもある本作。ラナの祖父は太陽エネルギーの開発者で、人々を救うために、再び太陽エネルギーを使用しようとしますが、敵であるレプカは、兵器ギガントを復活させようと画策します。最後に兵器は破壊され、コナンたちが新天地で生活を始めるという、未来を感じさせる最終回となりました。

「未来少年コナン」キャストは名声優揃い!

1978年に放映されたアニメ「未来少年コナン」には、現在も活躍している名声優たちが出演しています。コナン役を務めたのは小原乃梨子です。「タイムボカン」マージョ役や、「アルプスの少女ハイジ」ペーター役など、大人の女性から少年まで幅広く演じ分ける実力者。約26年間務めた「ドラえもん」のびのび太役でもおなじみの声優です。ラナ役は、信澤三惠子が演じました。

女優として、数多くのドラマやアニメに出演し、アニメ映画「魔女の宅急便」では、主人公キキの母親コキリ役で出演しています。他にも、山内雅人や青木和代、永井一郎、吉田理保子らが出演。悪役のレプカを担当した家弓家正(かゆみいえまさ)は、フランク・シナトラや、ドナルド・ザザーランドなどの吹き替えを担当し、低く渋い声と迫力の演技に定評があった声優でした。悪役として、同業者からの評価も高く、決してセリフを間違えないことから、「精密機械」という異名を持っていたそうです。

「未来少年コナン」とあの人気ミステリ漫画の意外な関係!タイトル決めの裏話公開

中高年者にとっては、「コナン」と言えば「未来少年コナン」になりますが、10代から30代にとっての「コナン」は、「名探偵コナン」でしょう。「未来少年コナン」が近未来を舞台にしたSF作品であるのに対し、「名探偵コナン」は現代が舞台のミステリ作品。一見何のつながりもなさそうな2作品ですが、名前にまつわるちょっとしたエピソードがあります。「名探偵コナン」は、「週刊少年サンデー」にて、1994年5号より連載されている青山剛昌の漫画作品。

1996年よりアニメの放送が開始され、コミックスの売り上げは2003年に1億冊を突破し、アニメ映画の興行収入が60億円を超えるなど、大ヒット作品となっています。あらすじは、大人顔負けの推理力を持つ高校生の工藤新一は、高校生探偵としてその名を全国に知られる存在でした。ある日、遊園地に遊びに行った帰り道に、謎の組織の取引現場を目撃し、試作中の薬を飲まされてしまいます。

すると、体が縮み、幼児化してしまう新一。自分が生きていると知られれば周囲の人も狙われるため、隣人の阿笠博士に助言を受け、幼馴染の毛利蘭の家で、正体を隠し、江戸川コナンとして居候生活を始めます。蘭の父親である毛利小五郎は、探偵事務所を営んでいる私立探偵です。

難事件が発生したときは、警察に助言を求められる小五郎を眠らせて、新一が、得意の推理力を駆使して解決。阿笠博士が発明したアイテムも使いながら、次々と起こる難事件の秘密を明かしていきます。新一が謎の組織を追うというメインストーリはあるものの、基本は、毎回起こる事件の推理が中心です。

しかし、日常パートの中にもさまざまな伏線が張られているため、作品全体が大きな謎に包まれ、読者が謎の組織についての推理を楽しむことができます。そんな「名探偵コナン」のタイトルの秘密が、2017年5月10日発売の「週刊少年サンデー」にて明らかにされました。そもそも、新一が使用している偽名・江戸川コナンは、ミステリ作家コナン・ドイルと江戸川乱歩を合体させたもの。

「名探偵コナン」はミステリ作品なので、その由来には特に疑問を感じませんが、連載開始当初は担当編集者に反対されていたそうです。その理由は、名作アニメ「未来少年コナン」のイメージに引っ張られてしまうから。編集者は「名探偵ドイル」を推していたそうですが、青山剛昌は「コナンのほうが語感がかわいい」と、「名探偵コナン」で強引に推し進めたと言います。

タイトルから感じるイメージの影響は大きいですから、読者からも「『コナン』で良かった」との声が次々と寄せられました。奇しくも「コナン」繋がりとなった「未来少年コナン」ですが、2011年にBlu-rayボックスが発売されているので、美麗映像で作品を楽しむことも可能です。アニメ界の大巨匠の原点ともなった「未来少年コナン」。いつまでも色あせない少年たちの冒険物語をお楽しみください。

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