青池保子作品「エロイカより愛をこめて」感想あらすじネタバレ!

青池保子作品「エロイカより愛をこめて」あらすじ感想!連載期間と紆余曲折

青池保子作品「エロイカより愛をこめて」男色コメディスパイ漫画さすがの名作!!

現在、既刊39巻の青池保子作品「エロイカより愛をこめて」は、ザクッと言えばコメディタッチのスパイもの。資本主義国家と社会主義国家が対立した東西冷戦を背景に、イギリス美術窃盗団のボスであるエロイカと、NATO所属のエーベルバッハ少佐、KGBの”仔熊のミーシャ”が、時には命を狙い合い、時には手を取り合いながら、ストーリーは展開していきます。

また、キャラの設定としては、エロイカが”同性愛者”であることが重要なポイントといっても過言ではありません。当初、エロイカとエーベルバッハ少佐は、、絵画を巡って対立関係にありました。しかし、エーべルバッハ少佐に惹かれ始めたエロイカが、愛するがゆえ彼を追い回し業務妨害をしたり、時折行動を共にしたりするというユーモア溢れる関係になっていきます。

また、ロシアの辣腕エージェントである仔熊のミーシャは、その名前に似合わずスキンヘッドの屈強な男。冷戦時代は、エーベルバッハ少佐殺害の任を受けていました。この2人の攻防も、また「エロイカより愛をこめて」の重要な要素でしょう。

青池保子作品「エロイカより愛をこめて」連載中断、再開の理由とは

青池保子作品「エロイカより愛をこめて」は、1976年から少女漫画雑誌「別冊ビバプリンセス」で連載が開始されました。その後、1979年には掲載誌を「月刊プリンセス」に移し、1986年の「皇帝円舞曲編」と、番外編「小銭王ジェイムズ1世伝」で、シリーズの連載が一時中断されてしまいます。

ここまでで連載期間は10年という長さ!この中断の背景には、当時の青池保子が、中世ヨーロッパを題材にした作品にハマっていたことと、東西ドイツ統一、ソ連崩壊などによる東西冷戦時代の終結がありました。特に後者は、これまで単純な東西対立を基軸としてきた「エロイカより愛をこめて」の物語構成に影響する出来事。

このため、青池保子は、連載再開には及び腰だったそうです。しかし、1995年に軍事評論家・岡部いさくを脚本アドバイザーに迎えて新シリーズの連載を開始。2008年には「プリンセスGOLD」に活躍の場を移籍し、2009年から新たに連載をスタートさせています。

青池保子作品「修道士ファルコ」あらすじ感想!最新刊情報!

青池保子作品「修道士ファルコ」あらすじ感想!頭頂部にあるキスマークっぽい痣に悩む主人公

青池保子作品「修道士ファルコ」は、同じく青池保子作の「アルカサル-王城-」のスピンオフ作品。14世紀後半、ドイツの修道院に身を寄せたファルコと、頑健なオド、優秀な変人アルヌルフ、学問の虫マティアスなど、修道院の仲間との物語です。ファルコは世俗を捨て、修道士として役に立ちたいという自身の願いとは裏腹に、頭頂部にあるキスマーク型の痣によって剃髪を禁じられるという苦悩を抱えていました。

また、元剣客騎士の性分から、問題解決の時には剣を振るうこともしばしば。そんなファルコと剣を交えた、「アルカサル-王城-」の主人公であるドン・ペドロは、僧侶嫌いで有名でしたが、ファルコを気に入って「わが友」と呼ぶようになります。また、その頭頂部のあざを「聖母マリアの接吻だから大切にされよ」とも……。

そして、この物語の運びは、聖女や聖人にまつわる都市伝説も重要な要素。青池保子曰く「嘘か本当かわからない何でもアリの中世昔風の世界」なんだそうです。中世ヨーロッパ好きの青池保子の珠玉の修道士物語は、「プリンセスGOLD」で大好評連載中!

青池保子作品「修道士ファルコ」最新刊5巻あらすじ!6巻の発売はいつ?

現在、5巻まで発売されている青池保子作品「修道士ファルコ」。最新刊5巻では「湖上の城大量殺人事件」編が完結します。領民が大量死した事件を受けて、湖上の城の地下で現場検証を行ったファルコとオドは、その死因が疫病だったことに気づきました。

事件の真相を追う中、疫病の守護神セバスチャンの猛アピールによってお告げを受けることになり、神がかった発言をするようになったマティアスを横目に、だんだん世俗的になっていくファルコとオドや、根深い確執を持つリンハルト家とギーシェ家の末裔たちの再会も見どころです。

さて、気になる新編は「プリンセスGOLD」でお楽しみいただきたいところですが、6巻の発売日も気になるところ。最新刊5巻は2015年6月16日に発売されましたので、これまでのペースから順当にいけば、第6巻は2016年4月頃に発売されるのではないかと予測されます。

青池保子作品「エロイカより愛をこめて」噂のスパイ映画がコラボ使命?!

青池保子作品「エロイカより愛をこめて」は、意外にも連載開始直後は、主人公を16歳の少女に据えたドタバタギャグ少女漫画でした。しかし「鉄のクラウス編」から登場したエーベルバッハ少佐の硬派ぶりが読者にウケたことで主要登場人物が入れ替わり、スパイ漫画へと変貌を遂げていったのでした。

以降、少女向けの雑誌で一貫して連載を続けていた青池保子作品「エロイカより愛をこめて」ですが、東西冷戦を背景にした緻密な考証と、微細にわたった描き込みは、少女漫画のそれを超えるレベル。あくまで画風は少女漫画そのものですが、その骨太さで、現在は多くの男性ファンも獲得しているようです。

細かい人物設定と定番の絡み、ギャグ展開は少女漫画にしておくには惜しいような逸品ですよね。そんな青池保子作品「エロイカより愛をこめて」と、11月14日より全国で公開されるスパイ映画「コードネームU.N.C.L.E」のコラボが実現しました。青池保子描き下ろしのイラストは、「映画と自分たちのストーリーが似ている」と囁くスキンヘッドの仔熊のミーシャに、エーベルバッハ少佐が「彼らは剥げてない」といった内容のツッコミを入れるというポップな内容に仕上がっています。

青池保子はこの「コードネームU.N.C.L.E」について”おしゃれでお茶目なスパイたち”として、非常に愛着を感じている様子。それがひしひしと伝わってくるような、素敵はコラボレーションでした。映画の公開と共に、さらに青池保子作品「エロイカより愛をこめて」のファンが読者が増えそうな予感がします。

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