2015年10月5日 更新
藤山直美 スーパー喜劇「かぐや姫」主演映画「団地」あらすじキャストネタバレ!
藤山直美 スーパー喜劇「かぐや姫」あらすじキャストネタバレ!10年ぶりの再来に感激!
女優・藤山直美の、喜劇とスーパー歌舞伎の夢のコラボレーション、スーパー喜劇「かぐや姫」が今年の3月、あの「狸御殿」以来10年ぶりに上演されました。
歌舞伎の技法や舞台装置をフル活用しながら、かぐや姫の逞しさやかわいらしさを、時空を超えて描いていくハイテンション喜劇。これぞまさしくスーパー喜劇の真骨頂です。物語の主人公は、月の掟を破ったために地球へ落とされた日輪と月庵の子・かぐや姫。月の記憶を消されていた彼女は、お供の兎に見守られながら成長し、”人々を明るくする”という不思議な力によって”福女”として知られるようになります。
その噂を聞いた帝が送った使者・京之介とかぐや姫は、やがて恋に落ちていきます。しかし、そんな折にかぐや姫に月帰還の知らせが……爆笑あり、感涙ありの結末には誰もが大満足。また、かぐや姫に藤山直美、日輪と月案の2役を上条恒彦、月光・水谷八重子、お供の兎・耳彦と赤目を市川猿弥と市川春猿、帝の使者・京之介に市川月之助など、澤瀉屋一門の他、豪華すぎるキャスト陣にお腹いっぱいになります。
藤山直美 主演映画「団地」あらすじキャストネタバレ!阪本順治監督と15年ぶりの最強タッグ!
藤山直美が、2016年公開予定の阪本順治監督映画「団地」に主演することが分かりました。藤山直美にとって映画出演自体が8年ぶり。阪本順治作品に至っては2000年に各映画賞を総なめにした「顔」以来、実に15年ぶりの出演です。期待高まる藤山直美主演映画「団地」は、息子を亡くしたショックで長年営んできた漢方薬店をたたみ、夫と共に団地へ引っ越した主人公・ヒナ子の数奇な運命を描いた物語。
あらぬ噂を立てる団地住民たちに囲まれながらマイペースに暮らしていた夫妻でしたが、ある日突然夫が姿を見せなくなり、やがて団地住民たちの噂は”ヒナ子が夫を殺してたのではないか?”という疑惑に発展していきます。そして遂にそれは単なる噂を超えて、警察やマスコミまで動くことに……
藤山直美が演じる主人公・ヒナ子の日常を翻弄する「団地」キャストには、夫役に岸辺一徳、団地自治会長夫妻に石橋蓮司と大楠道代の他、阪本順治監督映画に初出演の若手人気俳優・斉藤工を迎えて、現在クランクアップへと邁進中です。
藤山直美 舞台度胸は喜劇俳優父・藤山寛美ゆずり!18代目中村勘三郎との泣けるいい話
藤山直美 舞台度胸は喜劇俳優父・藤山寛美ゆずり!天才の豪快伝説とは
藤山直美が喜劇の舞台に立ったのは天才喜劇俳優と呼ばれた父・藤山寛美が他界した後のことでした。藤山直美は「もっと父の舞台を見ておけばよかった」と悔やんでいますが、誰にも引け劣らない舞台度胸は父・藤山寛美ゆずりのものであることは間違いありません。
戦後の大阪道頓堀の中座で旗揚げした「松竹新喜劇」に19歳で加わった藤山寛美。1951年の舞台「桂春団治」では、まだ春団治に酒屋のツケを取り立てに行く丁稚という端役で、「ツケを払うてくれなはれ」というたった1行のセリフしかもらえませんでした。
ところが、いざ本番になって藤山寛美がやってのけたのは、セリフにないアドリブ芝居。主役の渋谷天外に台本にない”とぼけた丁稚”を堂々とぶつけた藤山寛美は、一躍「アホ役」として時代を席巻する喜劇俳優にのしあがっていったのです。
藤山寛美の度胸は舞台上のみならず私生活にも及び、豪遊の末13億の借金も抱えていました。それでも芸の道を究めた父・藤山寛美を見て育った藤山直美ですから、些細なことで動じるわけがないのです。
藤山直美 18代目中村勘三郎との泣けるいい話……2人で次の時代を生きていけたら
2012年、57歳という若さでこの世を去った18代目中村勘三郎と藤山直美は現代劇「浅草パラダイス」で共演し、同演目は長期に渡る人気を博していました。この2人の付き合いは、実はお互いの父親、藤山寛美と17代目中村勘三郎の時代から続いています。17代目中村勘三郎は、藤山寛美が大好きで、18代目が勘九郎を襲名してすぐの頃から「この男は必ず舞台で天下を取るから、よく見ておけ」と言っていたそうです。
それに加えて、歌舞伎公演がほぼ松竹芸能下で行われていたという縁もあり、両家の付き合いは今日に至るわけです。このため、18代目中村勘三郎の死は、藤山直美にとって肉親さながらの痛みでもありました。そんな彼女は、亡き彼に向けて「早く生まれ変わって来てくださいね。私も生まれ変わったら必ず見つけて声をかけます。また2人で次の時代を生きていけたら幸せだと思います。」というメッセージを送っています。
舞台が結んだ先代の縁は、現世で藤山直美と18代目中村勘三郎という盟友を生み、来世を誓うほど固く結ばれたものだったのです。
藤山直美 父・藤山寛美の遺志を継ぐ覚悟と度胸 喜劇だけではない本物女優の風格
6歳にして父・藤山寛美が主演するNHK「お好み新喜劇・初代桂春団治」でデビューした藤山直美。60年の人生のうち56年間を喜劇舞台にささげた父と同じ道を進んだのは、5人姉妹のうち彼女だけ。しかし追っているのは「父」ではありませんでした。藤山直美にとって舞台上の父・藤山寛美は身内であることをつゆほども感じさせない凄まじい役者だったのです。
その天才的な舞台芝居から、藤山直美は「喜劇とは神が降りてくるような、瞬間の発想力」という答えを導き出します。そして彼女の目に焼き付いていた”父・藤山寛美の額屋に飾られていた「芸」の文字”と、”いまわの際まで舞台のことしか頭になかった父の遺志”。
それらを背負って、常に全身全霊で枠にとらわれない喜劇を追求してきた藤山直美は、スーパー喜劇だけではなく、「志村けんのバカ殿様」や松竹とライバル関係にある「吉本新喜劇」に出演するなど、自ら新しい喜劇の世界を拓いてきました。覚悟も度胸もそんじょそこらのものではない女優・藤山直美ですから、ドラマや映画では、素晴らしい演技力だけではなく、何やら並大抵ではない風格が漂っていますよね。
決して容姿端麗ではない女優の主演映画「団地」にこれほどまでに期待してしまうのは、やはり藤山直美という存在からにじみ出る「本物」の力量をひしひしと感じさせられるからでしょう。藤山直美は「団地」の主演決定に関して「映画は、舞台とは違うことばかりですごく難しい」と語っていますが、その言葉ですらさらなる深みがあるような気がします。