畠中恵おすすめ作品「しゃばけ」シリーズの順番!ドラマキャストは?
畠中恵のおすすめ作品「しゃばけ」シリーズを読む順番とは?
畠中恵といえば、「しゃばけ」シリーズ!舞台は江戸。主人公は名店「廻船問屋長崎屋」の病弱な若だんな「一太郎」。その一太郎が、妖怪たちの協力を得て、難事件を解決するというユニークな小説です。
この何とも摩訶不思議な小説『しゃばけ』で作家デビューした畠中恵は、2001年ファンタジーノベル大賞優秀賞を獲得。「この作品は4カ月で書き上げて、締め切りギリギリで応募した。入賞は難しいだろうけれど、めげずに書いていこうと思っていたので、最終候補に残ったと聞いて驚いた」と語っていましたが、『しゃばけ』が読者の支持を得たことでシリーズ化が決定。
賞を獲得した『しゃばけ』(2001)、『ぬしさまへ』(2003)、『ねこのばば』(2004)、『おまけのこ』(2005)、『うそうそ』(2006)、『ちんぷんかん』(2007)、『いっちばん』(2008)……と、順番に刊行され、2015年に刊行された最新刊の第14弾『なりたい』で、単行本・文庫本の発行部数が700万部を突破し、優れたシリーズ作品に贈られる『第1回吉川英治文庫賞』を見事獲得しました!
畠中恵の代表作「しゃばけ」シリーズがドラマ化!キャストは誰に?
畠中恵の代表作『しゃばけ』は、2007年にフジテレビ系でドラマ化されました。注目されたキャストですが、主人公の病弱な若だんなこと一太郎にジャニーズNEWSの手越拓也が大抜擢!一太郎を助ける妖(あやかし)たちには、犬神の佐助に高杉亘、同じく犬神の白沢・仁吉に谷原章介という顔ぶれ。
一方、婿養子である一太郎の父親・藤兵衛には岸部一徳、江戸一番の器量よしと言われた一太郎の母親・おたえには真矢みき、一太郎の祖母・おぎん(本来の姿は大妖)には十朱幸代と、フレッシュな顔ぶれの主人公たちの脇を、個性派実力俳優陣がしっかりと固めました。
畠中恵は漫画家出身!最新文庫「つくもがみ・遊ぼうよ」あらすじは?
畠中恵って作家デビューする前は漫画家出身だった?
畠中恵の作家デビューは42歳の時でしたが、実は作家としてデビューする前は、漫画を描いていました。早い時期にデビューが求められる漫画家業ですが、畠中恵曰く「漫画の新人賞に応募しては落ちての繰り返し。20代後半で、何とか佳作に選ばれて仕事を得ることができた」そうです。
しかしながら、漫画だけで食べていけるほど世の中は甘くなく、イラストを描きながら、細々と生計を立てていました。ある時、畠中恵はハタと気づきます。「自分がやりたかったのは漫画を描くことじゃない。話を書くことだ!」。そこで一念発起した畠中恵は、作家・都筑道夫の創作講座に通い始めますが、プロへの道はなかなか開けませんでした。7年の月日が過ぎた頃、提出した短編を都筑道夫に褒められたことがきっかけで書き下ろした作品が、ファンタジーノベル大賞・優秀賞を獲得したあの代表作『しゃばけ』だったのです。
畠中恵の最新文庫「つくもがみ、遊ぼうよ」あらすじは?
畠中恵の最新文庫『つくもがみ、遊ぼうよ』は、百年の時を経た器物である妖怪・付喪神(つくもがみ)が主人公の作品です。「つくもがみ」とは、「器物は百年経つと化ける」という俗信があったことから、古き日本では、器物を99年で捨てたという習慣に由来したといわれ、「あと一年経てば命が得られたのに~」と、器物が恨みを抱いて妖怪に化けたという故事によるもの。舞台はお江戸、多くのつくもがみが住んでいる損料屋の「出雲屋」。「私たちは子供たちの玩具ではない!」と言い張る妖(あやかし)たちですが、十夜・市助・こゆりら幼馴染の子供たちは、このつくもがみたちに興味津々で、何かと理由を付けては一緒に遊びたがります。
そんな子供たちにホトホト苦労していたつくもがみたちの元に、新しいつくもがみ・双六の「そう六」がやってきます。そう六は、子供たちに「双六をやってお前たちが勝ったら、言うことを聞いてやろう」と持ちかけます。さて、その勝負の行方はいかに……?この作品は、前作『つくもがみ、貸します』の続編にあたります。時代を超えて生き続けるつくもがみたちを描いた物語も、代表作『しゃばけ』同様、シリーズ化されるかもしれませんね。
畠中恵が妖(あやかし)を描いて大ヒットさせた代表作「しゃばけシリーズ」の原点となった小説とは?
畠中恵が、売れない漫画家時代に、生活のためイラストを描いたことがきっかけで作家への道を歩き始めたとき、一番影響を受けた作品は、自ら通った創作講座の師でもあった作家・都筑道夫の「なめくじ長屋捕物さわぎシリーズ」でした。この作品も江戸が舞台の時代物。元は武士だったという砂絵師こと通称「センセー」が、同じ貧乏長屋に住む大道芸人たちと事件の謎解きをするというミステリー小説です。
畠中恵はこの作品の大ファンで、「自分にもああいう仲間たちがいてくれたらいいなと思わせてしまうキャラクターの魅力と、時代物なのに人情に引っ張られないでロジカルに謎を解いていくところがスゴい!今でいう新本格ロジックと時代物を融合させたところに魅かれました」と語っています。自身の代表作『しゃばけ』に妖怪を出現させたのは、「同じ人間でこの小説を描いてしまったら、都筑先生の作品と似てしまう」と危惧したため。
妖怪の存在が信じられていた江戸時代なら、妖(あやかし)を出しても不自然ではないと考えたからだそうです。1969年に角川文庫から刊行され、『ちみどろ砂絵』~『さかしま砂絵』まで短編77編が11冊にまとめられている、都筑道夫の連作短編集「なめくじ長屋捕物さわぎシリーズ」こそが、あの名作『しゃばけ』を世に送り出した原点と言えるべき作品だったのですね!