末井昭の「末井昭のダイナマイト人生相談」ほか人気書籍は?母のダイナマイト心中が映画化

末井昭は伝説の「写真時代」編集長!「末井昭のダイナマイト人生相談」ほか人気書籍は?

末井昭は伝説の「写真時代」編集長!荒木経惟の写真を掲載するも警察沙汰で廃刊に?

末井昭(すえいあきら)は、1980年代に過激な表現で時代をリードした伝説の雑誌「写真時代」を立ち上げ、編集長を務めた人物です。「写真時代」の看板ともいえるグラビアページでは、荒木経惟や森山大道といった現代の写真界を代表するような存在が作品を発表していました。

特にアラーキーこと荒木経惟は、ヌードを中心とした表現で過激を極め、「写真時代」は何度も警察から注意を受けたと言います。最終的に「写真時代」は、警察から回収命令を受けたことをきっかけに廃刊となりました。

末井昭の「末井昭のダイナマイト人生相談」ほか人気書籍は?母がダイナマイト心中

「写真時代」は廃刊になりましたが、現在の末井昭は、フリーの編集者として活躍するかたわら、文筆家としても活動しており書籍も発売しています。その中でも人気なのが、自身の数奇な人生を綴った「素敵なダイナマイトスキャンダル」。末井昭は、本の中で、幼少期に母親が若い男とダイナマイト心中したという衝撃的な過去を告白しています。

そんな人生の辛酸をなめつくした末井昭が、悩める男女の人生相談に答えた「末井昭のダイナマイト人生相談」もおすすめです。不倫や借金等も乗り越えてきた末井昭の答えには、思わず頷かされる説得力があります。

末井昭の元妻との離婚理由は?現在の妻・神蔵美子とはダブル不倫の末に再婚

末井昭の元妻との離婚理由は?現在の妻・神蔵美子とはダブル不倫の末に再婚

不倫の末の心中によって幼少期に実母を失った末井昭は、自身も不倫を経験しています。30年近く連れ添った元妻との離婚理由も不倫でした。とはいえ、当時雑誌の編集者をしていた末井昭は、多忙を極める中で数人の愛人と関係を持っていたものの、離婚には至りませんでした。

しかし、写真家・神蔵美子との交際だけは別だったようで、真剣なものに発展します。実は神蔵美子もまたエッセイストの坪内祐三と結婚していたため、2人はいわゆるダブル不倫状態に。それを乗り越え、それぞれの離婚を経て再婚を果たしました。

末井昭はペーソスのメンバーとしても活動中!

末井昭は、最初の結婚や、再婚した神蔵美子との結婚生活での経験をエッセイにまとめた「結婚」で、その内情を赤裸々に告白しています。末井昭が、自分の感情に正直で嘘がない妻・神蔵美子と衝突しながらも絆を深めていく様子は、感動を呼ぶと話題になりました。

文筆家として活躍するかたわら、末井昭には、フリーライターの島本慶らと結成したバンド「ペーソス」でテナーサックスを担当するという一面もあります。中高年の哀愁たっぷりの歌詞は笑いを誘い、ライブツアーやCDも好評なようです。

末井昭のトラウマとなった母のダイナマイト心中が映画化!演じるのは尾野真千子

末井昭の編集者としての仕事は、アートと猥褻のギリギリをついて伝説的な雑誌となった「写真時代」だけではありません。パチンコ好きに熱烈な支持を受けた「パチンコ必勝ガイド」の創刊編集長を務めた後も、白夜書房でパチンコやパチスロ誌を送り出し、同社の看板雑誌へと育ててきました。

このような輝かしい編集者としての仕事ぶりの根底にあったのは、やはり幼少期に味わった衝撃的な母の自殺だったと言います。

末井昭は、1948年、岡山県和気郡吉永町に生まれました。家は貧しく、生活は苦しい中で、結核を患い、回復の見込みがないと病院から家に帰された母親は、浮気を繰り返すように。果ては、近所に住む20代の男と、山中でダイナマイト自殺を図りました。当時、末井昭の父親は近隣の鉱山で働いていたため、鉱山で使用するダイナマイトは簡単に手に入り、家にも置いてあったと言います。ダイナマイトで爆破された母の死体はめちゃくちゃで、相手の男性と見分けがつかなかったほどだったそうです。

この経験は、末井昭に大きなトラウマを与え、後に雑誌編集者として過激な表現を求めることにつながっていきます。そうして編集者としていったんは成功をおさめた末井昭は、次第に、売り上げに神経をすり減らすようになっていきました。その辛さを埋めるようにギャンブルや投機にのめりこむと、3億円にものぼる借金を抱え込んでしまいます。それらと同時進行で泥沼不倫にはまりこんでいったというのですから、すさまじい人生としか言いようがありません。

こんな、小説でもなかなかなさそうな人生をまとめたエッセイ「素敵なダイナマイトスキャンダル」が映画化され、2018年3月18日から劇場公開されます。主人公である末井昭を演じるのは、演技派として数々の作品に出演している柄本佑です。その飄々としたたたずまいは、末井昭も「他人の気がしない」と言うほど。

他にも、前田敦子や峯田和伸、松重豊といった豪華キャストを迎えて、1970~1980年代の猥雑なエネルギーにあふれた時代を描き出します。ダイナマイト心中を図る母にキャスティングされたのは尾野真千子です。日本を代表する演技派女優として、どのような爆発ぶりを披露してくれるのか、期待が高まります。現在では信じられないような末井昭の半生が、平成の世にどのようにしてよみがえるのか……原作エッセイと比べてみるのもいいかもしれません。

関連記事

ページ上部へ戻る