「天地創造デザイン部」クライアントは神様!下請けデザイナーが奮闘のお仕事漫画

「天地創造デザイン部」クライアントは神様!あの動物はこうやって作られた?

「天地創造デザイン部」クライアントは神様!異色のお仕事漫画

「天地創造デザイン部」は、「月刊モーニング・ツー」で2017年3号から連載されている漫画作品。とある会社のデザイナーたちが、クライアントの要望に応えようと奮闘するお仕事漫画です。人間にそっくりな知的生命体「デザイナー」と、デザインが実現可能か検証する「エンジニア」が働く「天地創造社」が引き受けているのは、生き物たちのデザイン。

そのクライアントとは、地球上のあらゆるものを創造したとされる神です。光と水、大地を造った神でしたが、そこに住む生き物を造ることが面倒になり、下請けに任せようと思いつきます。そこで、天使の下田を連絡役に、神に採用される動物を生み出そうと、日々奮闘する「天地創造社」のスタッフたち。ファンタジーな内容ながら親しみやすさ抜群で、動物誕生秘話を楽しむことができます。

「天地創造デザイン部」によるとあの動物はこうやって作られた?創作の舞台裏をネタバレ

「天地創造デザイン部」の舞台は、天地創造を行う神の下請けを任された会社です。「天地創造社」に勤める社員たちが、神の要望に応えようとアイデアを出し合い、日々生き物を創造しています。本作に登場する動物たちは、想像上の生き物ではなく、現在も地球上に生息している動物ばかり。

第1話に登場するキリン誕生では、3つの案が出された中から、首と足が長く、独特の模様を持ったデザインが生まれる過程が描かれました。一度にすんなりと決まるわけではなく、個性的な案が出されるのが本作の魅力のひとつ。ゾウはゴリラを巨大化させた結果生まれ、コウモリは、第1話で筋肉量が足りないから無理と認定された「空飛ぶ馬を作る」という無理難題から誕生しました。

デザイン的には大丈夫でも、実体化しようとすると不具合が生じる、というのも妙にリアリティがあるところ。不採用の理由は論理的なので、生き物の構造を自然に学ぶことにもなります。

「天地創造デザイン部」で生き物の生態を学べ!妄想から生まれた?!

「天地創造デザイン部」で生き物の生態を学べ!人気キャラは?

「天地創造デザイン部」は、神の要望に沿った動植物をデザインし、実際の生き物が誕生するまでの過程を描いています。とんでもないお題や案が、自分たちが知っている動物になっていく過程はとても新鮮。同時に、別の案にならなかった理由も知ることができます。生き物の生態や構造など、専門的な知識が分かりやすく簡潔に描かれているため、「勉強になる」という感想が多い「天地創造デザイン部」。

他には、「空想上の生物が実体化できなかった理由を、生物学的に解説している点などがすごい」「テレビのバラエティ番組のように気軽に楽しめる」等と高評価を得ています。作中に登場した動植物は、図鑑として収録されており、メジャーではないものの不思議な生態を持った動植物が登場するのも「天地創造デザイン部」のポイントでしょう。

お気に入りのデザイナーを応援する読者もおり、特に馬推しの土屋さんや、ゴスロリ系ながらグロを好む冥土ちゃんへの注目度が高いようです。

「天地創造デザイン部」は妄想から生まれた?!作者3人のプロフィール

「天地創造デザイン部」は、原作と原案を蛇蔵と鈴木ツタが、作画をたら子が担当しています。主に作中のネタを担当している蛇蔵は、東京都出身。イラストも描くコピーライターをしており、2009年に発表した、日本語教師だった実体験をもとにしたコミックエッセイ「日本人の知らない日本語」で注目を集めました。

ネームを手掛ける鈴木ツタは、愛媛県新居浜市出身。同人活動から商業誌デビューをし、主にボーイズラブ作品を手掛けています。本作が誕生したのは、もともと仲が良かった蛇蔵と鈴木ツタの妄想を編集者に見せたことがきっかけでした。連載が決定し、編集部内でのコンペで作画担当に決定したのが、23歳フリーター坂本アキの妄想の日々を描いた「もうそうのアキ」で注目を集めたたら子です。

虫や動物を描くことはもともと好きだったらしく、作画担当に決定してからは、「動物園の年間パスポートを買う口実ができた」と喜びのコメントを発表しています。

「天地創造デザイン部」神様の下請けデザイナーが奮闘!お仕事コメディの魅力

「天地創造デザイン部」は、「あの生き物はどうしてあんな姿をして、不思議な特徴を持っているの?」といった疑問に1つの答えを提示してくれる作品です。天地創造する神の代わりにデザインを考える下請け業者が登場するという設定は、神代の話ながら、妙に現代的でシステマチック。

登場するデザイナーは、人間の姿をしており、服装や名前も現代日本人に近いせいか、妙な親近感を抱きます。実際に存在する生き物をデザインするというファンタジックな内容でありながら、どことなく共感できるポイントがあるのが「天地創造デザイン部」の面白いところ。神のアイデアは突拍子もなく、言葉だけ聞いてすぐに形を作ることは困難。しかし、デザイナーたちは、クライアントである神の意に添う案を出さなければなりません。

現代社会でも、クライアントの依頼に応えようと奮闘している社会人は少なくないでしょう。だからこそ、デザイン部の人間が知恵を出し合い依頼をこなしていく姿に、思わずエールを送りたくなります。メジャーな動物の誕生秘話が語られる中で、ボツ案からコアな要素だけを突き詰めていった結果、より不思議な生態を持った動植物が生まれていくのも面白いところです。

自分の知っている身近な動物たちも、こうして作られたのではないかと想像すると、想像の世界が広がります。実際の動植物をじっくりと観察したくなった方は、作画担当のたら子が描く、2017年開催の企画展「MOVE 生きものになれる展」のレポ漫画を、webコミックサイト「コミックモアイ」で読むことができます。

こちらには、「天地創造デザイン部」に登場する、神とデザイン部の連絡役を務める天使・下田くんが登場。はしゃぐ編集部の大人たちとともに展示を体験しています。次はどのような動物が、どのような経緯で生まれてくるのか……あっと驚く天地創造のコメディを楽しみましょう。

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