堤幸彦監督作品がドラマ界に与えた影響!おすすめの代表作は?
堤幸彦監督作品がドラマ界に与えた影響!それまでの常識を覆した画期的な方法とは?
堤幸彦監督は、ドラマ「金田一少年の事件簿」や「TRICK」「SPEC」シリーズなどでも知られる演出家&映画監督です。画期的な演出を取り入れたことで、現在のドラマの制作方法に多大な影響を与えたと言われています。
それまでのドラマ監督は、カメラの近くで指示を出すのが普通でしたが、堤幸彦監督は、別の場所からモニターを通じて指示を出します。さらに、その場で映像も編集し、俳優に見せながら進めるという方法で、業界の常識を覆しました。また、スタジオ収録するような作品でも、ロケ中心の収録方法をチョイス。ロケでは複数のカメラを使用していたのを1台に減らす分、アングルで変化を付けるなど工夫して、予算を抑える努力も同時に行いました。
このように、画期的な方法を用いて撮影現場に革命を起こした堤幸彦監督。そのため、ドラマ界には、「堤以前・堤以後」という言葉まで存在しているそうです。
堤幸彦監督のおすすめの代表作は?独特な演出
堤幸彦監督の代表作の中でも特に有名なのが、堤幸彦監督の名を世に知らしめた「金田一少年の事件簿」でしょう。名探偵金田一耕助の孫である金田一一が難事件を解決していく推理ドラマの人気シリーズです。堤幸彦監督が関わって、KinKi Kidsの堂本剛が主演を務めた第1・2シリーズは、平均視聴率20%という高い数字を記録し、原作漫画のファンからも支持を得ました。
「金田一少年の事件簿」は、「劇場版 金田一少年の事件簿 上海魚人伝説」として1997年に映画化もされ、その年の国内邦画ランキング1位にも輝いています。登場人物を1人ずつアップで映し出すカットを繰り返すなど、独特なカット割りと、遊び心のある斬新な演出で視聴者を惹きつけてきた堤幸彦監督。
仲間由紀恵と阿部寛の名コンビも好評だった「TRICK」では、個性的なキャラクターたちと、堤幸彦監督らしいユニークな演出を組み合わせたことで、視聴者に大きなインパクトを与えるドラマとなりました。こちらも大人気シリーズとなっています。
堤幸彦監督の映画は駄作ばかり?!出身、プロフィールは?
堤幸彦監督の映画は駄作ばかり?!監督賞を取った作品は?
堤幸彦監督は、ドラマだけでなく、さまざまな映画作品も数多く手掛けてきました。代表作には、心に傷を負った若者たちの青春群像劇「包帯クラブ」、高校生バンド描いた漫画原作の実写版「BECK」、堤幸彦監督自らが企画から手掛け、ホームレスに焦点を当てたモノクロ映画「MY HOUSE」などがあります。
ドラマではヒットを飛ばしてきましたが、映画となるとまた違ってくるようで、多く見られるのは、「堤幸彦監督の映画は駄作が多い」という厳しい意見。2016年10月に公開された「真田十勇士」も、初週7位と大コケで、悪評も多かったようです。
しかし、若年性アルツハイマー病を題材にした「明日の記憶」では、日本アカデミー賞優秀作品賞などの数々の賞を受賞。東野圭吾原作のサスペンス作品「天空の蜂」では初の監督賞にも輝きました。「包帯クラブ」も、興行成績は今ひとつだったものの、内容的には高く評価されていますから、駄作ばかりという評価は当てはまらないでしょう。
堤幸彦監督の出身地、プロフィールは?ドラマや映画以外の演出も
堤幸彦監督は、1955年11月3日生まれの61歳で、愛知県出身です。法政大学社会学部在学中に学生運動に参加しましたが、運動が終わると同時に挫折感を味わい、大学を中退。その後、放送関係の専門学校を経て放送業界に入り、ディレクター業を続けた後、1988年に、オムニバス映画「バカヤロー!私、怒ってます」内の「英語がなんだ」で映画監督デビューしました。
その後も、ニューヨークで撮ったオノ・ヨーコ主演「ホームレス」や、「さよならニッポン!GOODBYE JAPAN」などの映画を撮ってきましたが、一躍有名になったのは、ドラマ「金田一少年の事件簿」のヒット以後。斬新な演出方法でドラマ界に大きな影響を与えた後は、舞台や、V6や、相川七瀬、AKB48などのミュージックビデオの演出も手掛けるなど、活動領域を広げながら、エンタメ界の第一線で活躍し続けています。
堤幸彦監督のドラマ「視覚探偵 日暮旅人」の舞台が下町の理由は?あらすじについて
堤幸彦監督が2017年に最初に手掛けたドラマは、日テレで毎週日曜22時30分から放送中の「視覚探偵 日暮旅人」です。2015年の秋に、金曜ロードショーで放送された特別ドラマが好評だったことを受けて連続ドラマ化となりました。原作は、山口幸三郎の小説「探偵・日暮旅人」シリーズ。主演は、若手実力派俳優の松坂桃季で、他にも、多部未華子、濱田岳、北大路欣也など豪華キャストが揃っています。
主人公の日暮旅人は、謎めいた探し物専門の探偵です。あることがきっかけで五感のほとんどを失いますが、唯一残った研ぎ澄まされた視覚を駆使して、愛と憎しみの狭間で葛藤しながら事件を解決するというストーリーです。このドラマを作る上では、「視聴者から遠くなり過ぎないこと」を意識していると話す堤幸彦監督。
たしかに、「視覚探偵 日暮旅人」は、そのまま語ってしまうと重くなりすぎ、CGの多用によりシュールなだけの映像にもなってしまいそうです。そのため、錦糸町という下町を舞台に選び、視聴者の家の近所で起きている身近な事件のような、近しい雰囲気を感じてもらえるようにしているのだとか。
主演の松坂桃季の演技にかける熱量のすごさや、イケメンなだけでなく、表と裏の顔の演じ分けが上手い点も狙い通りのようです。最初は不作と言われていた2017年の冬ドラマですが、回を追う毎に視聴率を上げてきた作品も出始めています。「視覚探偵 日暮旅人」も奮闘を続けているうちの1つ。シリアスさとコミカルさのバランスが絶妙で、堤幸彦監督らしい小ネタも散りばめられていて面白いとの評判なので、このままの勢いで終盤まで突き進んでいってくれるでしょう。