大山のぶ代、ドラえもんの声を忘れてしまった…それでも望まれる復活

大山のぶ代、ドラえもんの声を忘れてしまった…それでも望まれる声優復活

大山のぶ代、ドラえもんの声を忘れてしまった……夫が明かす壮絶な認知症介護

大山のぶ代は、自分がドラえもんだったことさえ覚えていないかもしれない……そう書かれた夫・砂川啓介の介護日記「娘になった妻、のぶ代へ」から、大山のぶ代の認知症の深刻さが明らかになりました。2012年秋に、アルツハイマー型認知症と診断された大山のぶ代。最近では、5分前のことも記憶できなくなり、夫やマネージャーなど、ごくわずかな知人しか分からないほど症状が進んでいると言われています。

そんな大山のぶ代を”老老介護”している、40年間セックスレスだったという4歳下の夫は、日々絶え間なく襲い来る徘徊、幻覚、排せつ問題という現実に疲れ果て、一時は心中を考えたこともあったそうです。しかし、「愛さえあれば乗り切れる」なんてきれいごとではやりきれない介護生活を通して、”肉体関係”とは違った絆が、大山のぶ代と夫の間に生まれました。「ほら、ドラえもんをやっているよ」と声をかけても、大山のぶ代は、もう反応すらしません。

夫の著した介護日記には「たとえ僕のことを忘れてしまっても、夫婦で過ごした日々が永遠に残るように」という想いが込められているようです。

大山のぶ代、ドラえもんの声を忘れてしまった…それでも大山のぶ代じゃなきゃダメ!

大山のぶ代は、2014年5月に認知症であることを公表しました。しかも、その進行は早く、自分がドラえもんであったことさえも思い出せないほどに。しかし実は今年7月に、大山のぶ代は1年ぶりとなる声優復帰を果たしています。大山のぶ代といえば「ドラえもん」ですが、2010年から演じている「ダンカンロンパ」の「モノクマ」役も、ゲーム、アニメを通して5年以上続いている当たり役であることが知られています。

大山のぶ代の復帰作「ダンカンロンパ」が、今年12月に舞台上映されることが決定し、大山のぶ代が先行して「モノクマ」役の声の収録に臨んだというもの。何も認知症で闘病中の人間をわざわざ引っ張り出さなくても……という声もありそうですが、それでも「できるだけ大山のぶ代のままでいってほしい」と声優復活を望む声が多く上がっているのです。

そして大山のぶ代復活の知らせが流れた時には、「おかえり!」「大山さんのペースで無理しないでね!」と、ファンの胸はほっこりさせられました。やはり、長く愛され続けている声優・大山のぶ代の声が聞こえなくなるのは、日本人にとって寂しいことなのです。

大山のぶ代と小原乃梨子、仲の真相!大竹のぶ代の「ドラえもん」最終回とは

大山のぶ代と小原乃梨子が不仲?ドラえもんとのび太の関係は……

ドラえもん役を務めていた大山のぶ代と、のび太役の声優・小原乃梨子。大山のぶ代と小原乃梨子の2人は、1979年から26年間、「ドラえもん」の現場を共にしていますが、実は犬猿の仲という噂があります。なぜそう言われるようになったのかというと、アフレコ現場の大山のぶ代と小原乃梨子のマイクの立ち位置が離れ過ぎていたからなんだとか。

確かに、ドラえもんとのび太が、わざわざ遠くのマイクを選んで使っているのはしっくりきませんが、ちょっと乱暴な解釈な気もしますよね。不仲説の真相は、大山のぶ代が喫煙者であるため、喫煙所に行きやすいように入り口近くのマイクを使い、小原乃梨子は嫌煙家のため、大山のぶ代から遠いマイクを使っていただけ。長年同じ職場にいれば、幾度かぶつかったこともあるかもしれませんが、実際、大山のぶ代と小原乃梨子は、毎年のように旅行に行く仲なんだそうです。まさにドラえもんとのび太の関係ですよね。

大竹のぶ代の「ドラえもん」最終回は「45年後…」「ドラえもんに休日を?!」どっち?!

大山のぶ代が出演した「ドラえもん」通常放送の最終回は、2005年3月11日の「45年後…」。最終回の内容は、タイムマシンでやって来た45年後ののび太が、小学5年生ののび太と入れ替わって1日を過ごすというもの。また、その翌週18日放送の1時間スペシャル「ドラえもんに休日を?!」を最終回と見なす人もいるようです。

こちらはドラえもんのコミック35巻に収録されているエピソードを元に、すでに1985年にアニメ化されたもののリメイク版。ドラえもんに息抜きしてもらうために、ドラえもん抜きの生活をのび太が1日頑張る、という内容です。途中でのび太が、くだらない理由でドラえもんを呼び出し大喧嘩……というような名物ドタバタをしっかり盛り込み、大山のぶ代のドラえもん、のび太と同様に、26年間変わらなかった声優陣……ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんの他、アニメ版レギュラーキャラが全員勢ぞろいするというファンサービスの演出もありました。「ドラえもんの休日を?!」のほうが、明らかに最終回を意識した作りだったことには間違いありません。

大山のぶ代のドラえもんに会いたい!「ずっと一緒だよ」

大山のぶ代の声は、多くの日本人の記憶にとって「ドラえもん」。何とほぼ地声といいますから、天性のお宝とも言うべきでしょう。しかし、大山のぶ代自身は、若い頃から、自分の声にコンプレックスを抱いていたそうです。それが後に、藤子・F・不二雄をして「ドラえもんは、ああいう声をしていたんですね」と言わしめ、大勢に「大山のぶ代はドラえもんになるべくして生まれてきた」と評されるようになっていきました。

NHK BSプレミアムで12月13日に放送されるドキュメンタリードラマ「ずっと一緒だよ~声優・大山のぶ代物語」では、大山のぶ代(鈴木砂羽)が、ドラえもんや声優仲間たちと共に歩んできた26年間の軌跡が描かれています。いわゆる自伝ですが、「きっと大山のぶ代自身は忘れてしまっているんだ……」と思うと、皮肉な運命を感じざるを得ませんよね。

ところが、実は、今年8月の「モノクマ」収録の時には、1年ぶりにも関わらず「相変わらず可愛いキャラね」と大山のぶ代がしっかり”記憶していた”ことが明らかになっており、仕事っぷりも今まで通りスムーズだったそうです。

2001年に大腸がん、2008年には脳梗塞という大病を患った大山のぶ代に、あまり無理を言うもの気が引けますが、もう一度、あの大山のぶ代のドラえもんに会いたいのは国民の総意でしょう。もし、叶わないのだとしても、私たちの胸に「ドラえもん」が刻まれている限り、あの声が「ずっと一緒だよ」と語り続けてくれるような気さえします。

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