アスガー・ファルハディ監督映画「セールスマン」あらすじネタバレ!日本公開日は?
アスガー・ファルハディ監督映画「セールスマン」アカデミー賞外国語映画賞を受賞
アスガー・ファルハディ監督は、1972年生まれで、イラン出身の監督です。2016年公開の映画「セールスマン」が、第89回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞したことで話題になっています。
映画「セールスマン」は、若い夫婦の物語。夫は、教師である一方、妻と共に劇団俳優としても活動していました。夫婦がイランのテヘランで上演していたのは、アメリカ人劇作家アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」。イランでアメリカの演劇作品を上演することは非常にリスクのあることです。
作中では、教師である主人公が勤める学校の教科書も検問にかけられるといったイランの現実も描かれています。そんな中、夫の留守中に妻が襲われます。犯人探しを始め、ミステリーの様相が増していく本作。犯人に復讐を果たしたい夫と、事件を表沙汰にはしたくない妻。繊細な心理描写に演劇が絡む展開は斬新で、アカデミー賞外国語映画賞受賞も納得です。
アスガー・ファルハディ監督映画「セールスマン」カンヌ国際映画祭も受賞!日本公開日は?
アスガー・ファルハディ監督映画「セールスマン」は、第89回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞しただけでなく、第69回カンヌ国際映画祭でも上映され、見事に男優賞(シャハブ・ホセイニ)と、脚本賞(アスガー・ファルハーディー)を受賞しました。その他にも、シカゴ国際映画祭や、ゴールデングローブ賞など、数々の賞にノミネートされている話題作「セールスマン」の日本での公開予定は、2017年6月です。
アスガー・ファルハディ監督映画「別離」「ある過去の行方」あらすじネタバレ
アスガー・ファルハディ監督、ベルリン国際映画祭3冠作品「別離」あらすじネタバレ
アスガー・ファルハディ監督の名が世界に知れ渡ったのは、2011年の映画「別離」です。ベルリン国際映画祭で金熊賞、女優賞、男優賞の3冠を獲得した「別離」は、テヘランで暮らしている結婚14年目のナデルとシミン夫妻と、その娘テルメーを中心に描かれます。
妻のシミンは、家族でイランから出る決意を固めますが、夫ナデルは、アルツハイマー型認知症を患う父のことを心配してこれを拒否。そのため、シミンは、家庭裁判所に離婚許可を申請するも認められなかったため、夫と娘を残して一時的に実家に帰ることにします。父親の世話をしてくれる人間がいなくなってしまったナデルは、若い女性ラジエーを雇いました。
ある日、ラジエーが、父をベッドに縛りつけて外出したところ、父はベッドから落下し、意識不明の重体に。これに激怒したナデルがラジエーを押し倒すと、ラジエーは、お腹の中の子供を流産してしまいます。ラジエーと夫ホッジャトに告訴されたナデルは、娘テルメーを巻き込んで、人生を左右する裁判に臨むことになり……。
アスガー・ファルハディ監督映画「ある過去の行方」過去と向き合う大人のラブストーリー
アスガー・ファルハディ監督映画「ある過去の行方」では、イランのテヘランに住むアフマドが、フランス人妻マリーとの離婚手続きをするためにパリを訪れます。マリーは、アフマドとの間に授かった娘2人と、恋人サミールとその息子と一緒に暮らしていました。長女リュシーとマリーの関係に違和感を覚えたアフマドが問い詰めると、サミールの妻セリーヌが、夫の不倫が原因で自殺を図り、植物状態にあることが発覚します。セリーヌがサミールの不倫を知ったのは、リュシーからのメールが原因でした。
しかし、サミールは疑問を抱きます。リュシーによると、サミールが経営するクリーニング店に電話をかけて、サミールから直接メールアドレスを聞いたことになっていましたが、その日、サミールは店に出ていませんでした。アフマド、マリー、サミール、セリーヌは、リュシーの告白をきっかけに、それぞれの過去と向き合い、本当の愛に気付き始めます。
アスガー・ファルハディ監督がトランプ政権に反発してアカデミー授賞式を欠席!
アスガー・ファルハディ監督映画「セールスマン」が外国語映画賞を受賞した第89回アカデミー賞は、例年とは変わった様相になりました。日本時間2017年2月27日に開催されたアカデミー賞では、「ラ・ラ・ランド」が作品賞の受賞コールを受けるも、スピーチの最中に誤りだったことが伝えられ、改めて「ムーンライト」の作品賞受賞が発表されるハプニングも。
また、一部諸国の外国人の米国入国を禁止するなど、物議を醸す政策を打ち出している、第45代アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプへの不満が垣間見える式典にもなりました。司会を務めたジミー・キンメルは、資金集めパーティーがあるためアカデミー賞は見ないと公言していたトランプに対して、生放送中に「まだトランプのツイートがないね。心配になってきた」とツイート。
「スーサイド・スクワッド」でメイク・ヘアスタイリング賞を受賞したアレッサンドロ・ベルトラッツィは、「私はイタリアから来た移民です。この賞は移民のものよ!」とスピーチしました。一方では、シリアで人命救助を行うボランティア団体を追った「ホワイト・ヘルメット -シリアの民間防衛隊-」がドキュメンタリー賞を獲得しましたが、トランプ政権の入国禁止令によって、関係者は欠席せざるを得ない状況に。
これを受けて、アスガー・ファルハディ監督は、「非人道的な差別によってアメリカへの入国を許可されなかった私の国のほか6カ国の人のために」と、アカデミー授賞式を欠席しました。今やイランを代表する一監督から世界的な監督になったアスガー・ファルハディ監督。これからも、母国を軸に、リアルなイランを描き続けていきそうです。