2022年2月28日 更新
林家正蔵の落語独演会、林家三平 (2代目) も実力不足でつまらないって本当ですか?その評価は?
林家正蔵にとって、こぶ平時代のキャラが悩みのタネ
林家正蔵の八代目は、歌舞伎や踊りに精通した、粋の極みのような名人でした。一方、今の九代目林家正蔵である元・林家こぶ平は、小さい頃からテレビに出て、特に芸をみせるわけでもなく、お笑いタレントにこずかれたり、女性タレントとじゃれあったりしているイメージがいまだに残っているようです。
しかし、林家正蔵は1962年生まれで、もう52歳。九代目林家正蔵も、決してただのぼんくらではありません。中学生の頃からジャズを聴き始め、「スイングジャーナル」でジャズ評論ができるほどのジャズ通として知られた趣味人であり、本業の落語も、春風亭小朝によれば、林家正蔵は襲名に備えて3年間で50席の古典落語を覚えたと証言しています。林家正蔵の襲名に関しても、「彼の落語を聴いてから文句を言って欲しい」とコメント。
林家正蔵を襲名後は、常設の寄席や落語独演会と、積極的に高座を重ねる林家正蔵。まだまだ実力不足でつまらないと、厳しい評価が多いようですが、林家正蔵が大向うを唸らせるためには、持ち前の剽軽さや繊細さが芸に活かせるよう、ひたすら落語に精進するしかないようです。
林家三平 (2代目)もつまらなくて完全に名前負け!?
初代の林家三平師匠は天才でした!お客さんの反応を見ながらの対応力は半端ありませんでした。今でもエキサイトしまくりの唾を飛ばしまくる姿が思い浮かびます。
そんな天才落語家の名前を襲名した林家正蔵の弟の責任は海よりも深く、山よりも高いでしょう。
確かに林家正蔵を襲名した兄の責任も重いですが初代の林家三平師匠の落語の記憶がまだ鮮やかな落語ファンたちからの評価は厳しいと思われます。
『笑点』で、新メンバーとなりましたが、早速ネットでは「つまらない、嫌いだ、最悪の人選だ」と騒がれています。結構リアルにがっかりした。もっと面白い落語のできる落語家いただろうに、なんで三平なんだ!?との声も強く、これからきっと笑点見ないだろうな!などど不穏な声まで。挙句の果ては林家三平って着物着てるけど何する人なの?真打ちって本当?じゃあ落語聞いてみようかな・・・。CDもないし寄席にもほとんど出てないの?あぁ林家三平って国分佐智子と結婚した人だったね!との声まで上がっています。これらの非難をぜひ、天才の血を継ぐものとして跳ね返していただきたいものです!
林家正蔵は、落語界の一大名跡
落語というものは、東京と大阪では、えらくとらえ方が違うようで、かつて江戸っ子は、蕎麦と落語について見識がないと、一端の男とは認められなかったようです。つまり、落語の薀蓄を語れるかどうかは、粋でいなせな江戸っ子の証しのようなものでした。一方、笑いに貪欲な上方では、芸にこだわりはなく、その時おもろいもんが一番という風潮があったようで、今の漫才ブームはまさにその典型です。東京の落語ファンにとっては、林家正蔵といえば八代目正蔵、林家彦六であって、決して今の九代目林家正蔵ではありません。ここに九代目林家正蔵の悲劇があります。
林家正蔵の嫁、子供は?ヒロミが土下座して謝罪したワケ!
林家正蔵の嫁は、ゴッドママ海老名香葉子の元で女将修行
林家正蔵は、こと女性に関してはなかなかのもので、女優やタレントなど、幾人かの女性と浮名を流しています。しかし、林家正蔵は早くに結婚していて、娘二人息子一人の三人の子供がいる身の上。林家正蔵の長男は、現在、落語家をめざしているのだとか。
また、林家正蔵の嫁は、林家のゴッドママ海老名香葉子の元で、次代の女将さんとして、しっかりと家を守っているようです。林家正蔵は、浮気がみつかるたびに、大女将、女将にきついお灸をすえられてしゅんとしてしまうそう。浮気の始末にも粋が感じられない林家正蔵、それがまた、芸がつまらないと言われる所以かもしれません。
林家正蔵を襲名したこぶ平に、過去の非礼を土下座で詫びたヒロミ
林家正蔵は、正蔵を襲名する前、林家こぶ平という名でタレント活動をしていました。最近、芸能界に復帰して活躍しているタレントのヒロミは、かつて日本テレビの「モグモグGOMBO」で、林家こぶ平と共演しています。自分より2歳年上で芸歴も上の林屋こぶ平と、どう絡んだらいいのか、悩んでいたヒロミ。
そして、ヒロミはヤンチャキャラでいくことに決めました。先輩である林家こぶ平を「お前」呼ばわりして、強烈なツッコミを入れまくると、視聴率が一気にアップ。次第に立場が逆転していきます。林家こぶ平自身も、ヒロミくんからヒロミ氏、ヒロミさんと、ヒロミを持ち上げることで、いじられキャラを確立したのです。
しかし今や、林家こぶ平は、林家正蔵という大名跡。先日のNTV「行列ができる相談室」では、ヒロミが、林家正蔵に対して土下座しての謝罪の運びとなったようです。林家正蔵自身は、何の特徴もない自分をキャラづけしてくれたヒロミに、今でも感謝しているようです。しかし、林家正蔵の、この坊ちゃん的気の良さがまた、芸に締まりがないという批判につながるのですから、本人にとっては、たまったものではありません。
林家正蔵という大名跡を継がねばならなかった、こぶ平の苦悩
落語から、歌舞伎、文楽、能、狂言、茶の湯に華道に至るまで、およそ日本の芸道には、名跡が営々と受け継がれてきました。そして、その極意家伝は、不立文字で、師匠から弟子へと継承されています。つまり九代目林家正蔵という名跡は、八人の落語家の芸が引き継がれた、たいへん貴重な名跡なのです。歌舞伎は普通一子相伝とされていますが、落語の場合は、その名跡に似合った実力を持った落語家が、一門や贔屓筋、寄席小屋から認められ、初めて名跡を襲名することができます。
実は、林家正蔵という名代は、たいへん格がある名跡ですが、その襲名にあたっては、これまで複雑な経緯を経てきた名跡でもあります。本来は、当代林家正蔵の父である昭和の爆笑王・林家三平が継ぐはずでしたが、林家三平本人が、襲名にともなうさまざまな波風を嫌って、死ぬまで三平を通しました。
そのような名跡を、まだ実力もない林家こぶ平が引き継ぎ、九代目林家正蔵となったものですから、さあ、たいへんです。表向きは、まだ正蔵としての実力・格がないといった批判から、林家が強引に継がせたという裏事情などが相まって、九代目林家正蔵の芸の良し悪しの前に、否定的な見方が多かったというのが現実。
上方では、先日、人間国宝となった桂米朝の大名跡が亡くなりましたが、米朝師匠における、能・文楽・歌舞伎・唄・踊り、果てはお茶屋遊びに至る、造詣や修練は、他の落語家の追随を許さないもの。そのため、桂米朝という名跡は、彼の代で打ち止めかとも言われています。当代の林家正蔵には、これからたとえ5年でも10年でも高座を重ねて、先代からの正蔵の名を汚さぬ、立派な林家正蔵となってほしいものです。