羽佐間道夫は「ロッキー」の伝説的声優!引き出しの多さは山寺宏一以上!?

羽佐間道夫は「ロッキー」の伝説的声優!引き出しの多さは山寺宏一以上!?

羽佐間道夫は「ロッキー」の伝説的声優!喉を枯らすために行ったこととは?

羽佐間道夫は、映画「ロッキー」の主役シルベスター・スタローンの日本語吹替えを務めていることで知られるベテランのレジェンド声優です。

1983年の「ロッキー」第一作目から現在に至るまで、34年間もロッキーの吹替えを演じ続けてきた羽佐間道夫。シルベスター・スタローンらしい声にするために、トーンを下げるのみならず、海に向かって大声で浄瑠璃を語り、喉を枯らしてから収録を行ったという逸話もあります。

そこまで徹底した役作りが実を結び、高い評価に繋がっているのでしょう。「ロッキー」は、男気と優しさを兼ね備えたボクサーの生き様を描いた物語。2007年公開の「ロッキー・ザ・ファイナル」で一旦幕引きをした「ロッキー」ですが、8年ぶりとなる2015年に、新章の「クリード チャンプを継ぐ男」が発表されています。

その予告編のナレーションに羽佐間道夫が参加したことから、ロッキーの伝説的声優が帰ってきたとファンを沸かせました。2018年にその続編が全米で公開予定となっており、日本でも期待が高まっています。

羽佐間道夫の引き出しの多さは山寺宏一以上!?演じ分けの技術が凄い!

羽佐間道夫は、幅広い役柄の演じ分けが凄いと言われています。「声色を変えることなく、地声による演技力だけで演じ分けられる」と称賛しているのは、同じく演じ分けに定評がある山寺宏一です。シリアスな役からコメディまでをこなす芸域の広さから、よく「困ったときの羽佐間」と言われていたそうです。

高齢となった現在は、そのポジションには後輩の山寺宏一が座っている状態ですが、羽佐間道夫は、「俺の二代目」として認めている様子。山寺宏一は多種多様な声音を出せることで有名ですが、羽佐間道夫は声音の違いではなく、豊かな演技力や表現力を駆使して幅広い役柄を細かに演じ分けてきました。そのため、演技の引き出しの多さでは、山寺宏一以上と言えるのかも知れません。

羽佐間道夫の出身やプロフィール!声優になった経緯は?

羽佐間道夫の出身やプロフィール!ポリシーについて

羽佐間道夫は、1933年10月7日生まれで、2017年には84歳になります。60年近い芸歴を持ち、洋画や海外ドラマの吹替えや、アニメ、番組のナレーションなどで活躍してきました。幼少の頃から人前に立つことが好きで、小学生の時には、全校生徒の前で朗読を行ったことがある羽佐間道夫は、役者を志すようになり、舞台芸術学院を卒業して、新協劇団(現・東京芸術座)に入団。次第に、声優としての仕事が増えていきました。

ポリシーは、「われわれの仕事は、いろんな声、しゃべり方のパレットをもっていなければいけない」。羽佐間道夫は、「それぞれの世界のフレーズの引き出しをどれだけ持っているかで表現も豊かになる」という考えの元、試行錯誤しながら色彩豊かな表現力を身につけることに成功します。こうした努力によって、細かな演じ分けの出来る声優として高い評価を受けるようになりました。

羽佐間道夫が声優になった経緯は?きっかけはラジオドラマ!

羽佐間道夫が声優になったのは、幼馴染だった岡田太郎が文化放送に務めており、ラジオドラマに誘われたことがきっかけでした。ラジオドラマの話を請けた羽佐間道夫は、さらに縁が続いて、その放送を聞いた人から外国映画の吹替えをやってみないかと誘われ、「ホパロング・キャシディ」へ出演します。

すると、当時は吹替えをする俳優が少なかったため、次第に、吹替えの仕事が多く回ってくるようになっていきました。シルベスター・スタローンやロバート・デニーロなどの映画の吹替えや、「スーパーテレビ情報最前線」などナレーションの他に、「超時空要塞マクロス」ブルーノ・J・グローバルなど、アニメにも多数参加しています。

羽佐間道夫が語る「銀河英雄伝説」について!無声映画に台詞をつける「声優口演」にチャップリンの息子も絶賛!?

新アニメの放映が発表されるなど話題になっている「銀河英雄伝説」には、羽佐間道夫もシェーンコップ役で出演していました。「銀河英雄伝説」は、数千年後の未来の宇宙を舞台に繰り広げられる壮大な宇宙絵巻。ラインハルトとヤンの2人の天才がメインキャラクターとなっていますが、羽佐間道夫演じるシェーンコップは、ヤンの幕僚で、女好きの毒舌家。羽佐間道夫は、アニメより洋画吹替えの仕事が多かったため、最初は、アニメの現場についていけるか心配だったと言います。

しかし、出演している声優が非常に多い「銀河英雄伝説」には、普段は共演できないような声優がたくさんいたので、とても思い出深い作品になったそうです。昔は、現場で先輩声優の技を盗もうと勉強していた羽佐間道夫も、今では若手声優から手本にされる立場になりました。

現在は、無声映画に合わせて声優が生で演技を披露する「声優口演」を主催しています。「声優口演」は、無声映画がベースになっているので、どのような台詞を言うかは演者の自由で、アドリブも入れ放題。複数の声優が出演しているので、アドリブを挟むと、共演者がすぐ反応し、その呼吸が面白いと言います。「声優口演」を始めた理由は、現在は無声映画に触れる機会が少ないため、素晴らしい無声映画の作品に少しでも触れて欲しいと思ったことでした。

また、抑揚をつけずに台詞をただまっすぐ言うことが多い若手声優に、抑揚をつけた演技の魅力を見せたい、一般の人に声優という仕事に対する認識を深めてもらいたいなど、さまざまな理由が重なっているとか。ある時、無声映画の王様チャップリンの息子が、羽佐間道夫の「声優口演」を見に来る機会があったそうです。

最初は、無声映画にわざわざ声をつけることに疑問を抱いていた様子のチャップリンの息子も、見終わった後には絶賛していたと言います。最近は、アイドル声優など、ビジュアルを伴った仕事も多い声優業界ですが、やはり声優の本質は、羽佐間道夫のように優れた”声の職人”であることが重要なのではないでしょうか。

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