井筒和幸監督は映画「パッチギ!」地位を確立!辛口コメントが炸裂した作品は?

井筒和幸監督は映画「パッチギ!」地位を確立!「「東方見聞録」撮影中に起こった痛ましい事故とは?

井筒和幸監督は映画「パッチギ!」地位を確立!

映画監督の井筒和幸(いづつかずゆき)は、テレビのワイドショーでの辛口コメントや映画作品の酷評など、「毒舌のおじさん」というイメージが定着しつつあります。

井筒和幸監督が、本業で地位を確立した作品は、2005年に公開された「パッチギ!」です。日本人の少年と在日コリアンの少女との恋を中心に描いた青春映画で、在日コリアンの美しい少女を沢尻エリカが演じたことでも話題になりました。「パッチギ!」は、日本アカデミー賞優秀作品賞やブルーリボン賞作品賞、毎日映画コンクール大賞など数々の賞を受賞。まさに代表作と呼ぶにふさわしく、「井筒和幸監督、ココにあり!」と世に示しました。

「パッチギ!」の他にも、「みゆき」(1983年)や「突然炎のごとく」(1994年)、ナインティナインなどお笑いタレントが多数出演した「岸和田少年愚連隊 BOYS BE AMBITIOUS」(1996年)等、数多くの作品を手掛けてきた井筒和幸監督。文化庁支援作品にも選ばれた西田敏行主演の2003年の映画「ゲロッパ!GET UP!」も、人情派な井筒和幸監督らしく、笑って泣ける作品になっています。

井筒和幸監督が作品「東方見聞録」撮影中に起こった痛ましい事故とは?

井筒和幸監督の監督人生を語るにあたり、1991年9月に起こった撮影中の痛ましい事故を避けては通れません。当時、映画「東方見聞録」を撮影中だった井筒和幸監督と制作チームは、滝壺に落ちるシーンを撮影するため、3カ月という期間と3億円の費用をかけて、川の流れを利用した高さ10メートル、幅50メートルの巨大セットを作りあげました。

事故が起こったのは、静岡県内の川に作りあげられたそのセットを使った撮影中のことです。エキストラの侍役として出演していた当時21歳の俳優が、約8㎏の重さの鎧を着たまま溺れ、病院に搬送されるも翌日死亡してしまいました。
これにより、井筒和幸監督と助監督は業務上過失致死罪で告訴されましたが、遺族側と示談が成立。井筒和幸監督は、遺族に対して3000万円以上を支払ったそうです。

1992年に予定されていた映画「東方見聞録」の公開は中止となっただけでなく、制作会社もこの年に倒産。その後も劇場公開されることはなく、1993年にビデオのみが発売されています。

井筒和幸監督の辛口コメントが炸裂した作品は?映画監督デビューまでの道のりとは?

井筒和幸監督の辛口コメント炸裂!「シン・ゴジラ」は視聴断念?!他作品も酷評三昧

井筒和幸監督は、テレビのワイドショーでの辛口コメントはもちろん、映画監督の視点からの酷評もたびたび話題に上がります。2016年に大ヒットを飛ばした話題作「シン・ゴジラ」についても、話の展開についていけず、40分で視聴を断念したという辛口批評。

スティーブン・スピルバーグ監督作品の世界的ヒット作「スター・ウォーズ」シリーズも、井筒和幸監督に言わせれば「オタクと変人の映画」とか。百田尚樹原作の「永遠の0」(2013年)については、「観たことを記憶から消したくなる映画」「特攻隊を美談にしている」と酷評三昧。さらに、日本中に旋風を巻き起こした新海誠監督作品「君の名は。」については、未見にも関わらず「あれは『映画』ちゃうから」とバッサリ切り捨てています。

そんな井筒和幸監督は、若い頃からアメリカン・ニューシネマに傾倒しており、「キング・オブ・クール」として知られるアメリカ人俳優スティーブ・マックイーンの大ファンだそうです。また、映画「ゴッドファーザー」で知られるフランシス・フォード・コッポラ監督には惜しみない大賛辞を送っていますから、やみくもに酷評しているわけではありません。

井筒和幸の映画監督デビューまでの道のりとは?

井筒和幸監督は、1952年12月13日生まれ、奈良県出身です。奈良県立奈良高等学校時代から、8ミリや16ミリの映画を制作していた井筒和幸監督は、1975年に友人と共に映画制作グループ「新映倶楽部」を設立します。同年、井筒和生名義で、ピンク映画「行く行くマイトガイ性春の悶々」にて監督デビューしました。

その後、上京して作品を作り続けた井筒和幸監督は、1981年の「色情女狩り」から本名の井筒和幸名義を使用しています。同年には、初の一般映画となる「ガキ帝国」(1981年)がヒット作となり、日本映画監督協会新人奨励賞を受賞。これを機に有名監督の仲間入りを果たしました。

井筒和幸監督最新作が「キャストも予算も集まらず……」で難航中!夏から撮影開始できるのか?

腕組みをしながら、歯に衣着せぬ物言いで、ズバズバ持論を展開する毒舌コメンテーターの印象が強いものの、もちろん映画が本業の井筒和幸監督。2018年夏から撮影開始予定となっている作品が、「キャストも予算も集まらず……」で難航中だと言います。

前作の映画「黄金を抱いて翔べ」は、主演の妻夫木聡をはじめ、浅野忠信や桐谷健太、西田敏行という豪華キャストが出演した話題作でした。しかし、興行収入は「5億円ちょっと」と奮わなかったため、新作の撮影準備がすんなりと運ばないようです。最新作はオリジナルストーリーで、荒くれ者の男の話ということですから、まさに井筒和幸監督の得意ジャンルです。今夏からの撮影開始は無理だとしても、井筒和幸監督の熱い思いが込められた最新作が公開されるよう願います。

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