King Gnuは4人組ミクスチャーロックバンド!音楽性の特徴とは?

King Gnuは4人組ミクスチャーロックバンド!音楽性の特徴とは?

2022年12月22日 更新

King Gnuの由来は?自身らの音楽を「トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル」と呼んでいる理由とは

King Gnuの名前の由来と話題の音楽スタイルとは?自分の哲学に沿って何かを作り出す!

King Gnuは、2017年にボーガル・ギターの常田大希を中心に結成された日本の4人組ミクスチャーロックバンドです。元々は常田大希がSrv.Vinciとして2015年から活動を行っていましたが、2017年に現在のメンバー編成になったのをキッカケに「King Gnu」に改名しています。バンド名の由来は、Gnu(ヌー)が春から少しずつ交流し、やがて巨大な群れになる習性を持つことから、自分たちも老若男女を巻き込み大きな群れになりたいという希望を込めて付けられたそうです。

メンバーそれぞれが多方面の音楽から影響を受け、そこから新たな音楽を作り上げたことから、自分達の音楽を「トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル」と称しています。ミュージックビデオの制作や、ロゴタイプをはじめとするあらゆるビジュアルデザインは常田大希が立ち上げた「PERIMETRON」というクリエイター集団が担っており、ジャケットや映像も含め、基本的に自分達の周りで完結させているのが特徴的なスタイル。メンバーの常田大希は「誰かの哲学に共感して一緒に頑張りたいと思うよりも、自分の哲学に沿って何かを作り出していきたいタイプ」と話しており、「(自分達だけで完結させて)かっこ悪いものになってしまったとしても、それは自分の責任ということになるけどそれが心地よい」と、スタイルへのこだわりを見せています。

King Gnuの歌詞の特徴は想像の余地が残るようにすることで、あまり具体的になり過ぎないように、誰しも共感し得るような広がりをもつ言葉をチョイスするよう気を付けているそう。全体的としての文章は抽象的でも一つ一つの単語は強いものが理想で、昭和の歌謡曲、井上陽水の歌詞に憧れるそうです。

King Gnuの「トーキョー・ミクスチャー・スタイル」の原点!影響を受けた音楽は?

King Gnuの中心メンバーである常田大希は東京藝術大学でチェロを専攻していたそうで、世界でも有名な小澤征爾の楽団に在籍した過去もあるなどクラッシックへの造詣が深く、現在の曲作りにもそれが活かされています。中学の頃からMTRで曲作りを行い、主にケンドリックラマーやレディオヘッドなどの洋楽から影響を受けているそうですが、ブランキ―ジェットシティやミッシェルガンエレファントなどの日本のグループも好んでいたということです。

ドラムス、サンプラー担当の勢喜遊はプロミュージシャンの両親を持つ音楽一家で育ち、幼少の頃から自宅にあった電子ドラムを叩いて過ごしており、小中時代はダンススクールに通いダンサーを志望していたのだとか。ブラックミュージックをルーツとし、ファンクを好みラテンを聴いていた時代もあることを明かしています。

ベース担当の新井和輝は一般の大学に通っていたものの音楽に没頭し、友人のいる音楽学校に通って授業を受けて音楽の知識を得ていたそうで、大学時代にドラムスの勢喜遊と出会ったのをきっかけに、バンドを始めます。ベースを担当したのは「ベースパートしか空いていなかった為」で、当時はASIAN KUNG-FU GENERATIONのコピーをしていました。

ボーカル・キーボード担当の井口理は常田大希と幼馴染で、同じ東京芸術大学で声楽を学んでいました。常田大希は井口理の声を「嫌われない声」と称しており、多くの人に届く声と評価しています。

そんな井口理の最も好きなミュージシャンは七尾旅人。他にも両親の影響で井上陽水、チューリップ、オフコース、布施明、尾崎紀世彦など往年の歌謡曲を好んで聴いていたといい、現在もバンドと並行して舞台役者としても活動している異色のメンバーです。

影響を受けた音楽も好みも違うメンバーが作り出す音楽の事を、彼らは「トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル」と呼んでおり、東京発の新しい音楽として発信しています。

King Gnuの作詞作曲を手掛けるのは常田大希!実がソロ活動も行っている!

King Gnu常田大希の才能を米津玄師が絶賛!「彼のセンス最高よ」

King Gnuの常田大希はソロとしても活動しており、米津玄師の新しいアルバムの中の一曲「爱丽丝」にもアレンジで参加しています。常田大希と米津玄師は以前から親交があるようで、米津玄師のTwitterで常田大希のことを「彼のセンス最高よ!」「邦楽で今年一番好きな曲」などと度々絶賛しています。

米津玄師が絶賛した一曲「Vinyl」を聴いてみましたが、椎名林檎を思わせる鬱々とした世界観で、声と歌い方がとにかくエロティックです。音楽に詳しくない私でも難しいことを色々しているんだろうなと感じさせる奥行きのある音楽なので、詳しい方にしたらたまらないのではないでしょうか。

元々常田大希は、King Gnu の前身バンドSrv.Vinciの頃に雑誌「Numero TOKYO」のファッションムービーの音楽制作や、2016年公開の日台合作映画「ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。」で音楽監督を務めるなど、多方面で活躍していました。2016年にはDaiki Tsuneta Millennium Parade(DTMP)としてアルバムデビューも果たしています。

ドラマーの石若駿や俳優の中野裕太、FORMAT!からアジア人初のアルバムをリリースするKoki Nakano、「高校生RAP選手権」への出場で知られるラッパーのJua、加えて中国・上海を拠点に活躍するバンド・AM444のフロントマンを務めるChaCha、トラックメーカーのermhoi、ジャズエクスペリメンタルバンド・WONKのフロントマンを務める長塚健斗、WONKのメンバーでありジャズ&アートフェス「JAZZ SUMMIT TOKYO」のディレクターも務める江崎文武、そしてSrv.Vinciのベーシスト・新井和輝など、錚々たるメンバーが名を連ねました。音楽界からの評価も高く、スガシカオも「クソかっこいい。こういうのがドカンと売れて欲しい」とTwitterで発信しています。

King Gnuの作詞・作曲を手掛ける常田大希の野望「King Gnuの曲で、大合唱を起こしたい」

King Gnuの作詞・作曲は常田大希が手掛けていますが、彼の作り出す音楽は「流行ガン無視」と評されています。常田大希本人はそれについて、「同じシーンにいる、同世代のミュージシャンは洋楽をやろうとしている。でも俺達は邦楽をやろうとしていて、まずその姿勢が違う。」としており、その理由を「日本で活動するなら日本人の心に届く音楽を作りたい」からと語っています。

オアシスが地元イギリスでライブをすると、「Live Forever」という曲で大合唱が起こるそうで、それはオアシスが母国語の英語で境遇を歌う事で共鳴し合って生まれるものだと常田大希は考えているそう。「俺達は日本でKing Gnuの曲で、大合唱を起こしたいと思っています」と野望を語っており、「みんなが歌いたくなるもの」としてアルバム「Tokyo Rendez-Vous」を作ったと思いを明かしています。

尖って自分たちの音楽が分からないならついてくるな!的バンドかと思えば、リスナーに寄り添った音楽を作り出すことをモットーとしており、そのギャップもKing Gnuの魅力の一つなのではないでしょうか。2018年に開催されたフジロックフェスでは、「サマーレイン・ダイバー」で会場を一体化したので、「日本でKing Gnuの曲で、大合唱を起こす」という常田大希の野望が実現する日も近いかもしれません。

King Gnuの「Vinyl」が初CMソングに!監督が「トレスポ並みの衝撃」と語る楽曲のパワーとは

King Gnu が2017年10月にリリースした1stアルバム「Tokyo Rendez-Vous」に収録のナンバー「Vinyl」が、パーソナルテンブスタッフ株式会のCMソングとして起用され話題になっています。CMの監督を手掛けた丸山健志は、3カ月前に「Vinyl」を初めて聴いて「高校時代に観た、映画「トレインスポッティング」並みの衝撃です。」と語っており、「サビのパワーに、とにかくシビれ、衝撃を受けた」と感想を述べています。

「トレインスポッティング」はスコットランドを舞台に、ヘロイン中毒の若者達の日常が斬新な映像感覚で生々しく描かれた作品で、放映当時の若者を熱狂させ、多くの人間に影響を与えて一大カルチャーとなった伝説的映画です。クリエイティブディレクターの喜馬克治が提案する「HAKEN ROCK!!」というCMコンセプトには「常識に流されない自分だけの生き方」というメッセージが込められており、そのメッセージ性をKing GnuのスタイルとVinylのパワーが最大限に引き上げています。

CMの短い時間の中でKing Gnuの退廃的でヒリヒリした世界観と派遣女性たちの焦燥感、イライラ観がばっちり組み合わさって思わず引き込まれます。このCMを機にKing Gnuを知った方も多いと思うので、ぜひ他の楽曲も聴いてみてください。特にアニメ「BANANA FISH」の「Prayer X」は秀逸です。

「ミクスチャー・バンド」というと私たちの時代はDragon Ashが代表的なバンドでしたが、King Gnuは更に洗練されており、独自の世界観を確立している印象を受けます。どのような音楽か言葉で表現するのが非常に難しく、メンバーが「トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル」と称するのも分かる気がします。

他にはない圧倒的な個性は音楽好きだけでなく一般のリスナーにも受けそうなので、今後爆発的なヒットを飛ばしてくれるかもしれません。目をつけるなら今しかないので、King Gnuの今後の活動に注目して下さい。

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