是枝裕和の華麗なる監督歴と受賞歴!早稲田大学での講義内容とは?

是枝裕和の華麗なる監督歴と受賞歴!早稲田大学での講義内容とは?

2022年5月2日 更新

是枝裕和の華麗なる監督歴と受賞歴!早稲田大学では何を教えているの?

是枝裕和の華麗なる監督歴&受賞歴!日本発インディペンデント映画として海外でも高評価!

日本映画界にとって、宝とも言える映画監督のひとりとして名高い是枝裕和(これえだひろかず)。これまでに監督として手掛けた作品の受賞歴の華麗さには目を見張るものがあります。1995年の映画監督デビュー作「幻の光」で、第52回ベネチア国際映画祭「オゼッラ・ドゥオロ賞」を受賞し、日本のインディペンデント映画として海外でも高評価を受けることに。

2004年の「誰も知らない」では、主演の柳楽優弥がカンヌ国際映画祭で史上最年少の「最優秀男優賞」を受賞したことに加え、国内ではブルーリボン賞「作品賞」「監督賞」も受賞します。2008年「歩いても、歩いても」は、ブルーリボン賞「監督賞」、2013年「そして父になる」でカンヌ国際映画祭「コンペティション部門審査員賞」に輝くという偉業も成し遂げました。

2015年に劇場公開された「海街diary」では、日本アカデミー賞「最優秀監督賞」に加えて「最優秀作品賞」も受賞。是枝裕和監督が発表する作品は、いずれも話題となり、その華麗な受賞歴からも、人気や実力は実証されていると言えます。

是枝裕和は早稲田大学の教授だった!?講義内容、大学では何を教えているの?

映画監督として著名な是枝裕和は、2014年4月より、早稲田大学理工学術院教授に就任し、講義をしているそうです。母校の早稲田大学で教鞭をとるきっかけとなったのは、前任者である映画監督の安藤紘平の誘いがあったからとか。

「早稲田で映像を教えてみないか?」と言われた是枝裕和は、3回断ったものの、「しっかりサポートするから、とりあえず2年やってみて、それで嫌なら辞めてもいい」と誘われました。しかしその後は、すっかり丸投げされて今に至ると言います。是枝裕和は、当時のいきさつを「騙されて連れてこられた(笑)」とコメントしていますが、今では「30年遅れでサークル活動を楽しんでいる感じだ」と結構気に入っているようです。

「映像から学ぶ映像表現」と題された講義内容は、「映画と子供」がテーマ。子供たちがどのように映画の中で演出されているかを解説するものや、「映画制作実習」でシナリオの書き方、撮影の基礎知識を教えるというものです。「映画制作実習」では、学生を4グループに分けてフィクション映画を撮るなど、なかなか濃い講義内容になっています。

是枝裕和が結婚した妻や子供は?西川美和監督とはどんな関係?

是枝裕和監督はADとして下積み経験あり!結婚した妻や子供は?

1962年6月6日生まれ、東京都練馬区出身の是枝裕和。東京都立武蔵高等学校を卒業後に、早稲田大学第一文学部文芸学科に進学し、1987年に卒業しています。
小説家になりたくて文芸学科に進んだものの、大学は「物を書くことについて、何かを教えてくれる場所ではない」と気付いてからはほとんど出席せず、映画館に通い詰める毎日。まこの頃に、向田邦子や倉本聰・市川森一の脚本集を読みふけっていたことで「脚本を書きたい」と思うようになったと言います。

とはいえ、大学を卒業してすぐに脚本家や映画監督になれるわけではないと気付いたときには、すでにテレビ会社の就職面接に遅れをとってしまいました。そこで、番組制作会社「テレビマンユニオン」の面接を受けて就職し、ドキュメンタリーの演出を手掛けるなど、ADとして経験を積みます。ADとしての経験が、映画やドキュメンタリー演出、CMや小説など、多方面で活躍する基盤となっているのかも知れません。

プライベートについてはほとんど明かされていませんが、結婚して、娘が1人いるようです。2013年の「そして父になる」について、是枝裕和自身が、「5歳の娘の父親としての実体験」から着想したと語っています。

是枝裕和監督と西川美和監督はどんな関係?「似ていないから、近くにいられる」

「ゆれる」や「ディア・ドクター」「永い言い訳」などで知られる映画監督の西川美和と是枝裕和の関係は、言わば師弟関係です。1996年の就職面接で是枝裕和から見出され、映画業界に足を踏み入れることになった西川美和。1998年の是枝裕和監督作品「ワンダフルライフ」からスタッフとして関わり、2014年からは、映像制作者集団「分福」で行動を共にしている弟子のひとりです。

師匠である是枝裕和とは「不思議に全く作風が似ていない」「似ていないから、お互いの作品に対して冷静でいられるのかなと」と、「似ていないから、近くにいられる」という独特の表現で関係性を語っています。そうは言うものの、西川美和の「永い言い訳」は、「子供たちを撮る」「四季を追って撮る」という是枝裕和監督作品の確かな血を感じる作品。
日本映画界の将来のために、若手映画監督を育成する環境を整える大切さを提言している是枝裕和の元で、弟子は確実に成長を遂げています。

是枝裕和監督が映画「三度目の殺人」に込めた思いとは?「自分が生きている社会が、怖くなるかも」

是枝裕和監督最新作「三度目の殺人」が、2017年9月9日より全国公開されています。福山雅治、役所広司、広瀬すず出演のこの作品は、第74回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品も決まっている今秋の大注目映画。是枝裕和のオリジナル脚本によって描かれた法廷心理サスペンスとなっており、「人は人を裁けるのか」という永遠に問われ続けるテーマを取り上げています。

脚本を手掛けるにあたって、1年以上に渡って取材を続けたという是枝裕和ですが、取材協力をしてくれた弁護士の「日本の法廷のシステムでは、どんでん返しはありません」という言葉に衝撃を受けたとか。「判決は絶対的なものが出るという怖さ、そしてそれを知らないうちに許容している私たちに対して、ちょっとゾッとする感じを残したいなと思ったんです」と、「三度目の殺人」に込めた思いを語っています。

「自分が生きている社会が、怖くなるかも」……いつの間にか受け入れてしまっている日常に紛れた怖さを絶妙に浮き上がらせた今作は必見です。
これまで数々の話題作を発表してきた是枝裕和。次回作はどんなジャンルで、どんな切り口で私たちを驚かせてくれるのか?と期待は高まるばかりです。

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