串田和美が松本市を拠点に選んだ理由とは?演出した舞台をおさらい!
串田和美が松本市を拠点に選んだ理由とは?将来は演劇学校を作るのが夢!
串田和美(くしだかずよし)は、東京のシアターコクーンに関わる舞台をよく手掛けている、日本を代表する演出家の1人です。まつもと市民芸術館の館長となったことにより、長野県松本とも深い繋がりを持つようになりました。串田和美がまつもと市民芸術館の館長を引き受けたのは、自らの原点のように感じたから。
吉田日出子らと設立したアンダーグランドシアター自由劇場を本拠地としていた串田和美にとっては、シアターコクーンやまつもと市民芸術館も、気持ちの上では全てが繋がっているのだと言います。みんなが面白いと思えるものを作ることが演劇の原点だと考えている串田和美にとって、まつもと市民芸術館で行う演劇は、俳優ではなく、松本市民が参加して市民主体で行っていくことが望ましい姿。そのため、現在は演劇のワークショップを行っていますが、将来的には演劇学校を作ることが夢だと語っています。
串田和美が演出した舞台をおさらい!受賞歴は?
串田和美は、1966年に、吉田日出子らとともに劇団自由劇場を結成。「上海バンスキング」「もっと泣いてよフラッパー」などが大ヒットして演出家として人気となり、75歳を過ぎても、今なお第一線で活躍し続けています。舞台監督を務めていたシアターコクーンでの公演にも積極的に取り組んだ串田和美は、「コクーン歌舞伎」「平成中村座」でさらに大きな脚光を浴びることとなりました。
こうして、2006年には芸術選奨文部科学大臣賞、2007年には第14回読売演劇大賞「最優秀演出家賞」を受賞するなど、次第に高い評価を受けるようになります。また、2008年には紫綬褒章を、2013年には旭日小綬章も受章しました。一方で、演出家としてだけではなく、俳優としても舞台やドラマに出演している串田和美。たとえば2011年には、NHKの朝ドラ「おひさま」においては、ヒロイン陽子(井上真央)の嫁ぎ先のそば屋の亭主で義理の父親でもある丸山道夫役を演じています。
串田和美の再婚した妻は串田明緒!息子の串田杢弥と十二夜の現在は?
串田和美の再婚した妻はモデルや写真家として活躍中の串田明緒!
串田和美は、モデルであり写真家としても活躍している串田明緒と再婚しています。串田明緒は、日本大学芸術学部文芸学科に通っていましたが、学生時代にパリで撮ったセルフポートレイトが篠山紀信の目に留まり、雑誌モデルや、CMに出演するなどして活躍。
その後、独学で写真を勉強し、舞台や映画のポスターやパンフレットを数多く手掛けるようになりました。また、串田和美が手掛けた舞台に関する書籍も数多く出版。2013年には、串田和美の代表作「上海バンスキング」の再演に衝撃を受け、「上海バンスキング」にまつわるさまざまなことを、自らの視点から綴った「わたしの上海バンスキング」を出版しました。アーティスト同士、お互いに尊敬し合える良い夫婦関係を築いているようです。
串田和美の息子の串田杢弥と十二夜の現在は?俳優として活動中?
プライベートについてはあまり明かすことのない串田和美ですが、息子は2人いると言います。1人は、串田十二夜。シェークスピア作品の「十二夜」から名付けたと聞くと、舞台に携わり続けている串田和美らしい名前の付け方だと感じさせられます。
串田十二夜が小学生だった頃から、芝居や歌舞伎に連れて行っていたそうですが、いつも大人しく見ていたとか。幼い頃から舞台に慣れ親しんでいれば、自然と演劇の世界に興味が湧いてくる可能性もあるので、今後、串田十二夜がどのような道に進むのかも楽しみです。
そしてもう1人の息子の名前は串田杢弥。自ら「大正直劇団」を率い、小劇場での舞台の演出を手掛けるほか、自らも俳優として出演しているようですから、いつか親子共演が叶う日が来るかも知れません。
串田和美演出「24番地の桜の園」がシアターコクーンで上演決定!原作「桜の園」のあらすじは?
シアターコクーンでは、2017年秋から、串田和美演出によるアントン・チェーホフ作品「24番地の桜の園」の上映が決定しています。ベースとなっている「桜の園」は、アントン・チェーホフの最高傑作と言われ、世界中で上演され続けてきた人気作。
本作は、「桜の園」をベースに、そのほかのアントン・チェーホフ作品のさまざまなエッセンスを盛り込むなど大胆な脚色を加えた、まさに串田版「桜の園」とも言える作品となっているようです。原作の舞台は、20世紀初頭のロシアの「桜の園」と呼ばれる領地。あらすじは、女地主のラネーフスカヤや、娘のアーニャ、養女のワーリャ、農奴の家の出である商人のロパーヒン、亡き弟の家庭教師であったトロフィーモフなど、さまざまな人物の「桜の園」への思惑を巡り展開します。
「24番地の桜の園」でロパーヒンを演じるのは、「もっと泣いてよフラッパー」や「セツアンの善人」でも串田和美とタッグを組んでいた高橋克典です。その他にも、風間杜夫、八嶋智人、松井玲奈、美波、小林聡美など個性豊かな実力派俳優が揃っているほか、串田和美自身も、演出のみならず、隣人の地主ピーシチク役として登場します。
これまで数多くの演劇を手掛けてきた串田和美ですが、実は、50年の演劇人生の中で、アントン・チェーホフ作品の演出に挑戦するのは初めて。どのような作品となっているのかも楽しみな「24番地の桜の園」は、11月9~28日まではシアターコクーン、12月2日と3日はまつもと市民芸術館、12月8~10日までは森ノ宮ピロティホール(大阪)で上演されます。
舞台とは、画面やスクリーンなどを通さずに、俳優たちが、観客の目の前で迫力ある演技を見せ、劇場の空気感も含めて楽しむことができるものです。演劇界を牽引してきた串田和美の新たな挑戦であり、かつ最新作となる「24番地の桜の園」を、ぜひ実際に観に行ってみてはいかがでしょうか。