三浦雄一郎が余命3年からエベレスト登頂できたトレーニング方法とは?

2020年5月15日 更新

三浦雄一郎が余命3年からエベレスト登頂できたトレーニング方法とは?

三浦雄一郎は、80歳最高齢でエベレストの登頂に成功した冒険家

三浦雄一郎は1932年生まれの83歳。三浦雄一郎というと、某酒造飲料メーカーの健康サプリのTVCMが思い浮かびますが、2013年5月23日、80歳で、3度目のエベレスト登頂に成功した冒険家です。

80歳を越えての登頂成功は、エベレスト最高齢登頂者となります。三浦雄一郎の父、三浦敬三も、山岳スキーヤーでした。三浦雄一郎の息子で長男の三浦雄大は競技スキーヤー、二男の三浦豪太はリレハンメルオリンピック・長野オリンピックに出場したフリースタイルスキー・モーグル選手。そして長女の三浦恵美里は、クラーク記念国際高等学校・横浜青葉キャンパス校長兼ミウラ・ドルフィンズ代表取締役で、親子三代揃って、日本における山岳登山、ウィンタースポーツ界の第一人者なのです。

三浦雄一郎は、長くプロスキーヤーや登山家として活躍していましたが、60代で、いったん第一線を引退しました。しかし、その後は、不摂生と暴飲暴食がたたり、身長164cmで88kgの肥満体に。そしてついに心臓発作を起こし、病院で検査を受けたところ、狭心症の上、血圧は190、高脂血症で、腎臓はボロボロ。医者に、「このままだとあと3年の命」と宣告されてしまいます。

三浦雄一郎が、60歳で自らに課した肉体改造トレーニング

三浦雄一郎は一念発起して、まず歩くトレーニングから始めました。最初は、小学生が昇るような500m程度の山でさえ、息も絶え絶え。そこで足首に重りを付け、リュックを背負って、30分、1時間と少しずつ街中を歩く時間を増やしていったそうです。三浦雄一郎は、この「ヘビーウォーキング」というトレーニングで、70歳になった頃には、元の体力に戻したといいます。

しかしこれは、三浦雄一郎が若い頃に十分体を鍛えてあったからこそできた健康法で、一般の人には到底ここまで無理はできません。しかし、メタボの人や老人たちに、大いなるやる気と希望を持たせた点で、三浦雄一郎のこの努力は偉大です。

三浦雄一郎の父・三浦敬三は101歳のスーパープロスキーヤー!

三浦雄一郎の父三浦敬三は、日本山岳スキーのパイオニア

三浦雄一郎を奮い立たせたのは、実は父である三浦敬三でした。三浦敬三は1904年生まれで、2006年101歳で亡くなるまで山を滑り続けた、史上最高齢の山岳スキーヤーでした。父の三浦敬三は70歳の時、ヒマラヤのシャングリ氷河を滑降。喜寿の77歳の時、5895mあるアフリカのキリマンジャロに登頂して、頂上の噴火口内での滑降を果たしています。

傘寿翌年の81歳の時には、シャモニーからツェルマットまでの90キロを走破。さらに米寿88歳の時、アルプス・オートルートの氷河地帯100kmを完全縦走しています。卒寿90歳の時には、モンブラン山系最長のバレーブランシュ氷河を5度目の滑降を果たし、ついに白寿99歳の時、モンブランで最も長い氷河であるばかりか、亀裂に落ちて命を落とすスキーヤーもいるほどの難所である、バレーブランシュ氷河、全長22kmを、シャモニーまで1日がかりで滑り降りたのです。

そして100歳、まさにスーパープロスキーヤーである三浦敬三は、アメリカのスノーバードで、親子孫曾孫の4世代での滑降を実現しています。

三浦雄一郎の父敬三に学ぶ、ボケない晩年の暮らし方

三浦敬三は、おまけに、妻の死後、自分が亡くなるまでの10年近く一人暮らしをしていたそうです。三度の食事も自分で作り、「買い物もしなくちゃいけない。次々と用事が重なってくるそうすることが、ボケの予防になる」と言っていた三浦敬三。三浦雄一郎のエベレスト最高齢登頂の快挙も、父・三浦敬三の前では、全くかすんでしまう、とんでもない親子鷹です。

三浦雄一郎が80歳でエベレスト登頂するまでの、想像を絶する肉体的危険

父・三浦敬三は、山岳スキーでの快挙でしたが、三浦雄一郎は、エベレスト登頂。もちろん、スキーとは全く異なる困難さがあります。三浦雄一郎は、2003年70歳、また2008年75歳で、エベレスト登頂に成功しています。しかし76歳の時、スキー場で転倒し、骨盤と大たい骨の付け根を骨折する、全治6カ月の大けがに見舞われてしまいました。

医師からは「運がよければ歩けるようになる」と言われるほどでしたが、三浦雄一郎は2カ月半で退院し、半年後にはトレーニングを再開するという強靭ぶりを発揮します。さらに、80歳になった直後、持病の不整脈が再発。計4回の手術を受けて、やっと完治させている三浦雄一郎。つまり三浦雄一郎は、3回目のエベレスト登頂ぎりぎりまで、不整脈の治療手術を受けていたことになります。それでも三浦雄一郎はエベレスト登頂を諦めず、数々の難関を制して、ついに登頂に成功。三浦雄一郎は、エベレストの頂上で、「世界最高の気分。80歳でもまだまだいける」と、晴れ晴れと語りました。

凡人からすれば、祖父の三浦敬三、父三浦雄一郎、そして父をサポートし続けた子供、雄大、豪太、恵美里の3人は、特別に選ばれた一家です。しかし、彼ら三浦ファミリーの、目標を達成しようとする強い使命感、それを実現するための現実的で緻密な計画と努力、そしていくつになっても夢はかなうというポジティブな思いは、普通の人々それぞれの人生にあてはめても、見習うべきところが多い生き方といえるでしょう。

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