女子陸上選手・新谷仁美（にいやひとみ・愛称は「にいやん」）は今から4年前の2014年に、なんと25歳という年齢で現役引退を発表しています。歯に衣着せぬ明け透けなコメントが人気を呼び、陸上ファン以外からも愛されてきた選手のひとり。そんな彼女が、なんと現役復帰を表明したと今年の6月に発表がありました。
怪我が原因で突然の引退、現役復帰までの間は一般的なOLとして活動していたという新谷仁美。改めて、彼女の功績を振り返ります。
マラソンに生涯を捧げた新谷仁美、「走るのは今でも嫌い」？
総社市立総社東中学校に入学した後に陸上を始めた新谷仁美。岡山県出身の彼女は、その後興譲館高等学校へ進学し、在学中に世界ユース3000メートルに出場。見事3位に躍り出て銅メダルを獲得しています。
その他、全国高校駅伝では3年間連続で区間賞を獲得し、そのうちの2回は大会新記録を樹立。大会記録として現在も残る根強い結果となっています。興譲館高等学校を卒業した後は小出義雄監督の指導の元、豊田自動織機に進みました。
「あの高橋尚子の再来だ」とまで謳われた彼女は、佐倉アスリートクラブやユニバーサルエンターテインメントに所属し、2007年に行われた東京マラソン女子の部で初優勝。2008年北海道マラソンでは女子の部2位、2009年名古屋国際女子マラソンでは8位と健闘の結果を次々と残し、女子マラソン界のエースとして不動の地位を築き上げていきます。
マラソンにすべてを捧げた彼女は2014年に引退発表後、今年6月に復帰を表明。「走るのは今でも大嫌い、だけど、ここが自分の居場所だとも思う」と発言。彼女自身の「走り」に対する情熱が垣間見えるセリフです。
数々のインタビューで珍発言、新谷仁美の愛されるキャラクター
物怖じしないストレートな物言いで人気をさらった新谷仁美。復帰後初となったレース後のインタビューにおいても、その「新谷節」は健在でした。引退発表から4年後、現役復帰した自分のことを称して「外に出ていった嫁が出戻ってきた」と断言したり、「走るのは全然楽しくない」と現役当時と同じ語調で言い放ったりと、語調は変わらず。
復帰するにあたって、何か心境の変化があったのか。恩師や友人のとある一言がきっかけになったのか等、エピソードを求めるも「ないですね、友だち少ないので」と一刀両断したといいます。清々しいほどの物言い、飾らないその性格に、また新たなファンが増えそうな勢いです。
2014年に25歳で現役引退を発表、原因は怪我
新谷仁美が現役引退を発表したのは、今から4年前の2014年。なんと、25歳という若さでの突然の発表でした。「原因は何だ？」とまことしやかに囁かれましたが、どうやら2012年に診断されていた「右足足底筋膜炎」という怪我が原因だった様子。
「右足足底筋膜炎」というのは、踵・土踏まずにかけての足裏の筋肉に炎症・痛みが起こる症状を指します。歩行時に土踏まず付近が激しく痛むのが特徴的で、アーチの部分に負荷がかかり、筋肉が引っ張られることで症状が促進してしまいます。偏平足が多い日本人には特に多い症状と言われていて、新谷仁美の場合は右足に強くその症状が出たことにより引退を余儀なくされたということです。
彼女の突然の引退表明には、業界者に限らず多くのファンから「惜しい」「残念」とたくさんの声が寄せられました。引退会見インタビューでは「陸上とは一切関係を断ちたい、違うものに関わっていくつもり」と強い語調で決別を表明していた新谷仁美。突如降りかかった右足足底筋膜炎という怪我と向き合ったときに、「手術までして陸上を続けるか否か」を自問自答したという新谷仁美は、その後すぐに現役引退という答えを出しました。
現役引退後はOLとして活動する傍ら、執筆活動をしていたという新谷仁美。陸上にまつわる記事をWebメディアで執筆していました。陸上シーズン中には各試合に顔を出し、これまでの選手としての顔ではなく記者として、選手の分析に精を出していたといいます。
新谷仁美の今、結婚はしている？
現役引退発表から4年後の今年6月、2020年の東京オリンピックに向けて現役復帰を表明した新谷仁美。現役引退後は「走り」とは縁のない一般的なOLとして活動していたという彼女、6月9日に出場した「日体大長距離競技会」が復帰後初のレース出場となっています。新谷仁美本人としては納得のいかないタイムだったようですが、約4年のブランクを経たことを考えれば、上々の走りだったと関係者は見ています。
そんな新谷仁美ですが、2018年現在も結婚してはいない様子。当時から各所で「フリーです！彼氏募集中です～！」という明け透けな発言で周囲の笑いを取っていた彼女。世界陸上に出場した際も、「金メダルよりも彼氏が欲しい」と発言して場を仰天させていました。
一時期、「彼氏ができたのでは？」と噂が上がったこともありましたが、その後の発表が何もないところを見ても、現在もフリーの様子。現役復帰を機に、新たな展開に期待したいところです。
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