「妖怪ギガ」の妖怪クロが健気すぎる!妖怪目線の妖怪漫画に大注目

「妖怪ギガ」はちょっと怖くてほっこり!妖怪クロが健気すぎる

「妖怪ギガ」はちょっと怖いけどほっこりできる?妖怪オムニバス漫画

「妖怪ギガ」は、小学館「週刊少年サンデー」にて連載されている、佐藤さつきの漫画作品です。題材は、タイトルから察することができるように妖怪です。妖怪と言えば、人とは違う異形の姿をした存在。器や傘といった道具から、猫や狸などの動物、竜や河童といった伝説上の生き物等さまざまな妖怪がおり、人間とは近しい場所に暮らしながら、時に人を化かし、困らせ、助けてくれることもあると言われています。

水木しげるの描いた妖怪漫画の金字塔「ゲゲゲの鬼太郎」の影響もあり、見えないけれども身近なものであるという印象を抱いている方も多いのではないでしょうか。「妖怪ギガ」は、そんな妖怪たちを主人公にしたオムニバス作品で、昭和初期が舞台となっているためレトロな空気が流れます。1種類の妖怪をテーマに、短編よりも短い8ページ程度で描く「妖怪ギガ」。作中では、コミカルだったり怖かったり、切なかったりする物語が展開されています。

「妖怪ギガ」の妖怪クロが健気すぎる

基本的にはオムニバス形式となっている「妖怪ギガ」ですが、クロという妖怪を主人公とした物語だけは連作形式になっています。クロは、緑色の頭巾で頭覆った、大きな一つ目が特徴の妖怪です。端切れを集めたような不思議な着物をまとい、サイズは小さな子供ほど。手足は枝のように細く、人の身体や頭に軽々と乗ることができます。とある一家に住みついていたクロは、その家のご主人をありとあらゆる災厄から守ることを日々の生業にしていました。

ご主人も、子供の頃はクロの姿が見えていましたが、今は見ることができないため、クロは切ない思いを抱えています。とはいえ、ご主人も、小さな頃ように、クロを見えるかのように扱ってくれるなどその存在を忘れたわけではないようです。そんなご主人を守る健気な姿に胸を締め付けられるクロの物語。クロとご主人の関係がどうなっていくのか、今後の行く末を見守りたくなります。

「妖怪ギガ」は怖いだけではない妖怪が新鮮!読者の評価と作者・佐藤さつきとは

「妖怪ギガ」は怖いだけではない妖怪像が新鮮!読者の評価と感想

「妖怪ギガ」のように妖怪が出てくる作品は多いですが、中には人間と敵対する存在として描かれていたりするものもあります。あやかしのものという特性上、バトル漫画やホラー漫画の中で描かれる妖怪像が、一般的なイメージになっているとも言えるでしょう。

しかし、「妖怪ギガ」は、妖怪と人間のかかわりを描いていますが、どちらかといえば日常系といった雰囲気で、小さな出来事をきっかけに、人間と妖怪が交わる場面が展開されます。妖怪そのもののイメージ同様に、ホラー要素を感じる話もありますが、基本的にはほのぼの路線。

ちょっとした仕草や行動に妙に愛嬌があり、可愛らしいとの感想も多く寄せられています。妖怪のビジュアルは可愛い姿の者も多く、「ホラーが苦手な読者にもおススメできる」というコメントも見られました。

「妖怪ギガ」で圧倒的画力を見せる作者の佐藤さつきとは?

週刊連載とは思えないほど画面の書き込みが細かく、圧倒的画力でも評価の高い「妖怪ギガ」を描いているのは佐藤さつきです。2006年に、「妖怪小戦争」で小学館主催の漫画新人賞「少年サンデーまんがカレッジ」の佳作を受賞し、デビューを果たしました。「週刊少年サンデー」誌上に、2009年に「妖怪ジャンク」、2016年に「最後の妖怪」を掲載。

いずれも妖怪漫画を描き、好評を得ています。あまり個人情報は明かされておらず、年齢や出身地などの経歴は不明で、「WEBサンデー」内の自己紹介ページでも作品紹介を行う程度。佐藤さつき自身のTwitterでは、花粉症であるとうかがわせる内容のつぶやきを確認することができます。

「妖怪ギガ」を浅野にいおも絶賛!妖怪目線の妖怪漫画に大注目

さまざまな妖怪たちと人間との一瞬の交流や、頭巾をかぶった小さな妖怪「クロ」とご主人様家族との交流を描いている妖怪漫画「妖怪ギガ」。2017年の連載当初から、その高い画力と妖怪の新たな解釈が話題となり、じわじわと人気が高まっています。

コミックス1巻が発売されたのは2017年9月15日で、コミックスの帯にコメントを寄せたのは漫画家の浅野いにおでした。少年プンプンの波乱の人生を描いた「おやすみプンプン」や、地球外侵略者により人類滅亡が迫る中での日常が展開される「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」など、話題作を手掛けてきた人気漫画家です。ベテランや人気漫画家が新人漫画家の作品にコメントを寄せることはよくありますが、浅野いにおと佐藤さつきは、同じ出版社から本を出しているというだけの関係ではないようで、10年来の付き合いとか。

帯の「彼の妖怪愛は本物です。」というコメントにも、親しみがにじみ出ています。2018年3月12日に発売された2巻は、「うる星やつら」や「犬夜叉」などの人気作でも知られる漫画界の巨匠・高橋留美子のお墨付き。恋の話も多めで、妖怪だけではなく、きゅんとするストーリー展開でも読ませます。

週刊連載作品ではありますが、1話の掲載ページ数が少ないため、通常の漫画作品よりもコミックスの刊行ペースは遅く、3巻発売は2018年9月ごろの予定です。激動の昭和の時代を舞台に、ちょっとレトロな空気をまとった妖怪と人間の物語を、少しずつじっくりと楽しみましょう。

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