横山克の「リバース」ほか楽曲提供人気作品をおさらい!おすすめ曲は?
横山克の「リバース」ほか楽曲提供人気作品をおさらい!湊かなえ原作ドラマとは相性抜群
「リバース」や「クズの本懐」をはじめ、数々のドラマや映画に多数楽曲提供をしている横山克(よこやままさる)。ファンの間で「特に素晴らしい!」と大絶賛されているのが、ドラマ「リバース」「Nのために」「夜行観覧車」です。
これら3作品に共通しているのは、原作者が人気女性作家・湊かなえであること。人間の闇をリアルに描くことに定評がある湊かなえ作品は、ショッキングな展開が二転三転するにもかかわらず、ページをめくる手を止めることができない中毒性を兼ね備えています。
そのため、「イヤミス(読んだ後に嫌な気分になるミステリー)」とも称される湊かなえ作品の世界観を見事に音で再現した横山克。湊かなえの作風と同様、中毒性に富んだ旋律で、原作ファンをもうならせました。
横山克のアニメ「四月は君の嘘」の劇伴「私の噓」が名曲過ぎる!
若き音楽家たちの成長を描いて大ヒットしたアニメ「四月は君の嘘」の音楽を担当したのも横山克です。横山克の劇伴は、作品中に多数登場するクラシック音楽の名曲にも全くひけを取らない存在感を示し注目を集めました。中でも、「私の噓」の評価は群を抜いています。
ピアノが主旋律を奏で、バイオリンをはじめとする他の楽器との掛け合いが美しいオーケストラバージョン.は、まさに圧巻の一言。「聴いているだけで癒される」との感想も多く、これだけのスコアを書き上げるとは、さすが売れっ子音楽作家です。「私の噓」にはピアノソロバージョンもありますが、こちらは、オーケストラバージョンとは違い、ごくシンプルながらも、じわじわと胸に迫る旋律が見事です。
横山克は異色経歴の作曲家が得意とする「劇伴」とは?
横山克は工業高等専門学校から国立音楽大学へ進学の異色経歴の音楽作家!
横山克は、1982年11月3日生まれで、長野県出身の作曲家です。今や売れっ子音楽作家となった横山克が初めて音楽に触れたのは、3歳の時でした。しかし、国立音楽大学出身の伯母が主宰するピアノ教室へ通い始めたものの、既存の楽曲を弾くことに楽しみを見出せなかった横山克は、やがて、自宅のコンピューターやシンセサイザーを駆使して自ら作曲を始めます。
この経験によりコンピューター技術に興味を抱いた横山克は、長野工業高等専門学校電子情報工学科へ進学しました。それでも、音大へ行きたいという漠然とした思いは抱き続けていたと言います。そこで、クラシック音楽の知識や音楽理論を学んでいなかった横山克は、音大受験対策として、国立音楽大学の受験準備講習会へ赴き、和声を習うことから勉強することに。
とはいえ、横山克が在籍していたのは、留年する生徒も珍しくないほどレポート提出や試験が厳しいことで有名な長野工業高等専門学校でした。学校の勉強と音大の受験勉強の両立は困難を極めましたが、地道な努力により、見事に国立音楽大学への入学を果たしています。
横山克が得意とする「劇伴」とは?
横山克が制作しているドラマやアニメ、映画の劇中に流れる音楽は、「劇伴」と呼ばれる音楽ジャンルのひとつです。劇伴は、登場人物の感情描写や作品のイメージを演出する役目を担っているため、出来によっては作品を殺しかねない重要なもの。
そのため、高度な作曲技術が必要とされますが、依頼を受けた脚本からその作品の情景を的確にイメージする能力に長けているのが横山克の強み。かつては「君の音楽はなんてダサいの?音大生なのに」と罵声を浴びせられたこともあったという横山克。知識不足を恥じ、それに負けじと、さまざまなジャンルの音楽を作曲し続けた毎日の積み重ねと感性が、現在の売れっ子「劇伴」作曲家・横山克を生み出しました。
横山克が朝ドラ「わろてんか」の音楽を担当!売れっ子音楽作家のヒミツはさまざまな国での録音にあり!
2017年10月2日から放送が開始されるNHK朝の連続テレビ小説「わろてんか」の追加キャストが発表され、劇中の音楽を横山克が担当することが明らかにされました。「わろてんか」の主人公は、吉本興業の創業者である藤岡てん。彼女が、昭和初期の大阪で、日本で初めて「笑い」をビジネス化していく様を描く物語となっています。
ヒロインを演じるのが、乙女新党の元メンバーである葵わかなであることはすでに公表済みでしたが、このたび、追加キャストとして、松坂桃李や濱田岳、現在ブレイク中の高橋一生の名前が明かされました。物語の舞台は昭和初期の大阪で、ヒロインは吉本興業の創業者。このユニークな題材から、横山克がどのような音楽を生み出すのでしょうか?秋から始まる放送が待ちきれません。
横山克が作曲活動で心がけているのは、新しいアイデアを開拓し続けることです。そのため現在熱心に取り組んでいるのが、さまざまな国で録音をすることだと言います。記譜のルールにさえ違いがある外国では、もちろん言葉の壁もあり、毎回苦労が絶えません。しかしその過程で、新たなアイデアをひとたび形にしてしまえば、次の仕事では「普通のこと」になるのだそうです。そして、また新たなアイデアへチャレンジする……この繰り返しによって、横山克は、多種多様な要望に対するための引き出しの数を増やし続けています。