「憂国のモリアーティ」原案からモリアーティ教授の正体を考察!

「憂国のモリアーティ」原案はシャーロック・ホームズ!世界中に愛好家が

「憂国のモリアーティ」の主人公は世界一有名な探偵シャーロック・ホームズの永遠のライバル?

2016年9月号より「ジャンプスクエア」で連載が始まった「憂国のモリアーティ」は、コナン・ドイル原作の「シャーロック・ホームズ」シリーズを原案とした作品です。

主人公は、モリアーティ教授。コナン・ドイルが生み出した世界一有名な探偵シャーロック・ホームズに「永遠のナポレオン」と言わしめた完全犯罪の天才数学者ジェームズ・モリアーティ教授をモチーフにしています。「憂国のモリアーティ」の舞台である19世紀の大英帝国は、完全なる階級制度で統治され、一部の上流階級の人々によって支配されていました。

生まれながらに一生が決められてしまう理不尽な社会制度に対し、1人の男が反乱を企てます。その男こそが、ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ。「憂国のモリアーティ」は、シャーロック・ホームズの唯一無二のライバルにして、差別なき理想社会の実現のためには手段を選ばないダークヒーロー、ウィリアム・ジェームズ・モリアーティの物語です。

「憂国のモリアーティ」の原案「シャーロック・ホームズ」シリーズには世界中に愛好家が!名探偵ホームズは実在していた?

「憂国のモリアーティ」の原案であり、世界で最も有名な私立探偵と言われる「シャーロック・ホームズ」シリーズの愛好家は、日本やアメリカでは“シャーロキアン”、本家イギリスでは“ホームジアン”と呼ばれています。19世紀末から20世紀のロンドンを舞台に、名探偵シャーロック・ホームズと相棒であるワトソン博士の活躍を描いた事件簿は、スピンオフ作品を加えると60編に及ぶとか。

世界中のシャーロキアンたちは、名探偵ホームズが現実に実在していることを前提に、「あの時のホームズの推理は……」などの想いを巡らしながら、作品の醍醐味を味わっています。中でも、「ホームズとワトソンが住んでいたベーカー街221Bという番地はどこにあったのか?」「ワトソン博士の結婚歴は?」「ホームズの出身校はオックスフォードなのか、それともケンブリッジなのか?」等の研究は、100年以上前から論じられているそうです。シャーロキアンとは、筋金入りのホームズ愛好家なのでしょう。

「憂国のモリアーティ」原案のモリアーティ教授の設定!謎多き正体とは?

「憂国のモリアーティ」原案の小説「シャーロック・ホームズ」シリーズのモリアーティ教授の設定とは?

「憂国のモリアーティ」の原案である小説「シャーロック・ホームズ」シリーズにおいて、モリアーティ教授の本名はジェームズ・モリアーティです。三人兄弟の二男という設定になっています。わずか21歳の時に、数学界の王道である「二項定理」に関する論文を発表しますが、犯罪に手を染めて、数学者としての職を失うことに。

しかし、ロンドンで教職に就いたモリアーティは、教師という聖職を隠れ蓑にして、あろうことか知力を武器に闇の犯罪組織を設立。彼らを上手く操って、自らの手を汚すことなく次々と完全犯罪を遂行していきます。モリアーティの容姿については、ホームズ曰く「非常に背が高く、痩せていて、まるで苦行者のようである」。

さらに、「額は白くカーブを描くように出ており、顔立ちには教授の風格がある」とした上で、「顔は飛び出て、まるで爬虫類のようで、身体は常に左右にゆらゆら動いている」と、そのどこか常人らしからぬ風体を表現しています。

「憂国のモリアーティ」原案の小説「シャーロック・ホームズ」シリーズでのモリアーティ教授の謎多き正体を考察!

何とも謎多き存在であるモリアーティ教授ですが、作者のコナン・ドイルは、「このあたりでホームズを終わりにしたい」と考え、ホームズ最後の事件の相手役としてこのキャラクターを生み出したようです。事実、ホームズとモリアーティは、「最後の事件」において、争いの後にライヘンバッハの滝つぼに落ちて共に亡くなるという設定でした。しかし、世紀の名探偵の死は読者には受け入れがたかったのでしょう。続編「空き家の冒険」にて、やはり生きていたという形で無理やり復活を遂げます。ホームズは、モリアーティとの対決で一度は敗北してはいますが、モリアーティ亡き後、「教授のいなくなったロンドンは退屈な街になった」とライバルの死を惜しみました。名探偵ホームズをもってしても真の正体は明かされることのなかったモリアーティ教授とは、存在そのものが謎。死によって、彼の存在は、まさに「完全犯罪」へと昇華してしまったのかも知れません。

「憂国のモリアーティ」が今面白い!完全犯罪を奏でる美しきダークヒーローの魅力とは?

トム・クルーズ主演で話題を呼んだ映画「All You Need Is Kill」の原作構成も担った竹内良輔と、作画担当の三好輝による漫画「憂国のモリアーティ」が、「今一番ダークで面白い!」とネット上で評判になっています。コナン・ドイル原作では、冴えない中年教授のモリアーティですが、この作品では、絶世の美青年にして天才的頭脳の持ち主。大学教授として教鞭をとる傍ら、市民に酷い仕打ちをする悪人貴族の問題を扱う「私立相談役(コンサルタント)」としての活動を行っていました。しかし、コンサルタント業というのは表の顔。

裏では、市民の敵である悪人貴族に制裁を加えるダークな「完全犯罪遂行人」として暗躍していました。両親を早くに亡くし、養護施設で育ったモリアーティは、同じ志を抱くモリアーティ家の長男アルバートに、その博識を見いだされ、モリアーティ家の養子に入ります。そこで兄弟を待ち受けていたのは、次男とその母親の執拗な虐めでした。モリアーティは、2人を焼死させ、あろうことかモリアーティ家の次男に成り代わります。

ここに、大英帝国を「差別なき社会」という理想郷に替えるべく、「完全犯罪遂行人」となったダークヒーローが誕生しました。コナン・ドイル作品「最後の事件」では、名探偵ホームズと共にライヘンバッハの滝に姿を消したモリアーティ教授。「憂国のモリアーティ」にて蘇った完全犯罪を奏でる美しきダークヒーローの行く先には何が待っているのでしょうか……今後の展開から目が離せません!

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