柚月裕子の小説「孤狼の血」が映画化!佐方シリーズに惚れる読者続出
柚月裕子の小説「孤狼の血」が映画化!新刊も「孤狼の血」の続編!
柚月裕子(ゆずきゆうこ)は、ハードで骨太な物語を描くと評判のミステリ作家です。代表作の一つである「孤狼の血」は、ダーティな刑事・大上や、暴力団組織がそれぞれの生き残りをかけてぶつかりあう様を描き、2015年の発売と同時にたちまち話題になりました。その勢いで映画化も決定し、2018年5月には、役所広司主演で劇場公開されています。
このように、今最も話題になっている作家・柚月裕子の新刊は「孤狼の血」シリーズの続編となる新刊「凶犬の眼」です。前作で大上と捜査にあたった新人刑事だった日岡が主人公に据えられ、暴対法成立前夜のヤクザの姿が描かれている新刊は、映画公開直前の3月に発売されました。
柚月裕子のおすすめ作品は?佐方シリーズに惚れる読者続出
柚月裕子のおすすめ作品は、なんといっても「孤狼の血」。広島を舞台に、警察とヤクザがそれぞれの矜持をかけてぶつかりあうこの作品は、日本推理作家協会賞を受賞しました。その他にも、元検事の弁護士でいわゆるヤメ検である佐方を主人公にした佐方貞人シリーズもおすすめです。これまで「最後の証人」「検事の本懐」「検事の指名」の3作が発売されていますが、主人公・佐方の、自身について多くは語らずとも、信念が感じられるストイックな姿に惚れる読者が続出していると言います。
柚月裕子は40歳で作家デビューしたきっかけは?学歴や結婚歴は?
柚月裕子は40歳で作家デビュー!きっかけはライター講座
柚月裕子の作家デビューは2008年です。「臨床真理」で「このミステリーがすごい」大賞を受賞し、作家としてのスタートを切りました。この時、柚月裕子はなんと40歳。作家としては比較的遅いデビューでした。柚月裕子は、もともと大の本好きで読書家ではあったものの、作家になることはまったく考えていなかったそうです。
しかし、著名作家の話を生で聞けるからと受講した「小説家(ライター)になろう講座」参加をきっかけに、作家を目指すようになりました。
柚月裕子は子育て一段落後に作家を目指した!
40歳で作家デビューを果たした柚月裕子には、すでに成人した娘と息子という2人の子供がいます。結婚は早く、なんと20代前半。岩手県出身の柚月裕子は、両親の転勤で移り住んだ山形県で夫と出会い、結婚後そのまま定住しています。作家を目指すきっかけになった「小説家(ライター)になろう講座」に通い出したのは、上の子供が中学に入学し、子育てが落ち着いた36歳の頃でした。学歴については、高校は卒業していますが、学校名等は公にはされていないため不明です。
柚月裕子は仁義なき戦いのファン!? 「孤狼の血」もその影響?
女性作家ながら、ハードな世界観の作品を次々と世に送り出している柚月裕子。作家デビューしたのは2008年なので、2018年は、作家として10周年となる記念すべき年です。
メモリアルイヤーにふさわしく、代表作の1つである「孤狼の血」の映画が公開され、続編「凶犬の眼」も発売。2017年に発表した「盤上の向日葵」が2018年の本屋大賞の2位に入るなど、まさに乗りに乗っている状態と言えます。
旬な作家らしく、本の雑誌「ダ・ヴィンチ」6月号では、「柚月裕子特集」と題して柚月裕子をフューチャー。ロングインタビューはもちろんのこと、映画「孤狼の血」で主演を務める役所広司へのインタビューや、共演の松坂桃李とメガホンをとった白石和彌監督の対談も掲載されています。
「ダ・ヴィンチ」誌上でも多くの紙面を割いて特集されている「孤狼の血」は、昭和63年、暴力団対策法成立直前の広島の架空の都市を舞台にした物語です。激しい暴力団抗争を描くこの物語が誕生したのには、柚月裕子が映画「仁義なき戦い」や「県警対組織暴力」のファンだったことも大きかったと言います。
そのため、映画化発表会見の席でも、「『仁義なき戦い』なくしてこの小説はありえなかった」と語っていた柚月裕子。その作品が、「仁義なき戦い」シリーズを生んだ東映で映画化されるにあたっては、「活字でなくては成り立たないミステリの部分、難しい表現が実現するのか?」と期待を寄せていました。
その期待に、「変なコンプライアンスを気にしたりせず、やれることを逃げずにやる」と並々ならぬ決意で挑んだのが白石和彌監督です。完成した作品を見た柚月裕子が、続編で映画が作られるならば「また白石監督にお願いしたい」とコメントしたことからも、完成度にはかなり満足したのでしょう。映画がヒットすれば、原作小説と同じように、映画の続編制作も決定するかもしれません。作家・柚月裕子の10周年のメモリアルイヤーは、まだまだ盛り上がっていきそうです。