恩田陸の直木賞受賞作「蜜蜂と遠雷」あらすじネタバレ!受賞歴・経歴が凄かった

恩田陸の直木賞受賞作「蜜蜂と遠雷」あらすじネタバレ!受賞歴・経歴が凄かった

恩田陸の直木賞受賞作「蜜蜂と遠雷」あらすじネタバレ!

恩田陸は、第156回直木賞(2017年)を受賞した人気作家です。直木賞受賞作「蜂蜜と遠雷」のあらすじをご紹介。芳ケ江国際ピアノコンクールは、優勝者が、世界屈指のSコンクールで優勝するというジンクスがあるほど評価の高い大会でした。コンクールの予選、本選でしのぎを削りあったのは、元天才少女や、正確無比な演奏を誇るエリート、年齢制限ぎりぎりでラストチャンスにかける青年、自身のピアノも持たない謎の天才少年……と個性あふれる4つの才能でした。

タイトル「蜂蜜と遠雷」絡みのネタバレをすると、主人公の1人、16歳の風間塵は、養蜂家の父と移動生活を送り、音楽教育を受けていないという異色の経歴の持ち主です。その演奏は、好悪が極端に分かれ、時に「劇薬」とも呼ばれるほどの個性を持つなど、物語のキーを握る魅力あふれるキャラクターとして描かれています。

恩田陸が6度目の正直で直木賞を受賞!受賞歴・経歴が凄かった

恩田陸は、実は、これまで直木賞には6度もノミネートされてきました。それだけではなく、吉川英治文学新人賞(「夜のピクニック」)、日本推理作家協会賞(「ユージニア」)、山本周五郎賞(「中庭の出来事」)と、名だたる文学賞を受賞している凄い実力の持ち主。しかも、作家になる前は、保険会社の社員として働き、ハードワークをこなしていたのだとか。

あまりの激務に、身体を壊して入院したこともあるといいます。その後、夢をかなえて作家デビューしますが、しばらくは収入を得るために、不動産会社の派遣社員として二足の草鞋を履いていたといいますから驚きです。

恩田陸のおすすめ作品「ライオンハート」あらすじネタバレ!ドラマ化作品も多数

恩田陸のおすすめ作品「ライオンハート」あらすじネタバレ

恩田陸のおすすめ作品の中でも、ちょっと変わったテイストの物語もあります。タイトルは、あのSMAPの名曲と同じ「ライオンハート」ですが、内容は無関係です。物語の始まりは、17世紀のロンドン。「ライオンハート」のあらすじは、2人の男女の魂が、輪廻転生を繰り返し、何度も出会い、ひかれあうというものです。

ネタバレすると、2人の転生のタイミングはいつも同じとは限らず、時には、20代半ばの美女と66歳の老人という時もあれば、12歳の少女と多額の借金を抱えて絶望の淵にある青年だったりもします。惹かれあいながら、決して結ばれない運命にある2人ですが、「いつもあなたを見つけるたびに、ああ、あなたに会えて良かったと思う」というセリフにある通り、ロマンチックな気持ちに浸れる小説です。

恩田陸のおすすめ作品はたくさんありすぎる!?ドラマ化作品も多数

恩田陸の作品は、これまで多数が映像化されています。恩田陸が描くジャンルは多彩ですが、少年少女が登場する青春小説が特に人気があり、映像化も多いようです。デビュー作である「六番目の小夜子」も学園もので、NHKでドラマ化されています。

また、男子校の学生寮を舞台に描いた「ネバーランド」は、今井翼、三宅健、生田斗真、村上信五といったジャニーズ事務所の人気者が多数出演したドラマとして話題になりました。実際にある高校の歩行大会をモデルに描かれた「夜のピクニック」は、多部未華子、貫地谷しほり、柄本佑、池松壮亮といった演技派を揃えて映画化されています。

恩田陸は作家をも魅了する作家!朝井リョウも激押し!

恩田陸が直木賞を受賞した作品「蜂蜜と遠雷」は、2段組みで500ページをこえる大作。さらに、扱っているテーマは、文章で表現するのが非常に難しいと思われる音楽や才能です。しかし、それらをすぐれた描写と類まれな構成力でまとめた恩田陸「蜂蜜と遠雷」は、長大さを感じさせないほど、一気に読める面白さにあふれたエンターテイメント作品になっています。
作家の間でも評価が高い恩田陸は、「何者」で直木賞を受賞している朝井リョウが、「絶対この作品が(直木賞を)獲る」と予想していたほどでした。直木賞の選考委員である作家の浅田次郎も、「恩田さんの作品は、個人的には昔からのファンです。面白いです。次から次へと違うものを用意してくれる」と語っていることからも、恩田陸が、作家からも愛される作家であることが分かります。

しかし、そんな恩田陸でも、直木賞に落選すること5回。今回6度目のノミネートで受賞に至ったわけですから、直木賞受賞への道はなかなかに険しいもののようです。恩田陸自身は、過去5回のノミネートに対しては、「候補にしてもらえると第一線にいるんだって実感できるという意味で、(ノミネートを)すごく励みにしたことはあった」と前向きにとらえてきたといいます。とはいえ、「これでまたなんか『残念でした』ってなると大変なことになるので、ホッとしました」と複雑な胸のうちも明かしています。

恩田陸が作家として、デビューしたのは1992年ですから、直木賞受賞は、デビュー25周年という記念すべき年に成し遂げた快挙ともなりました。デビュー前は、会社員として働いていた恩田陸ですが、「いつか作家になりたい」という思いを胸に秘めてはいたそうです。しかし、1987年に早稲田大学卒業後に就職した生命保険会社は、バブル華やかなりし頃だったこともあり、仕事が山積みで多忙を極め、就職2年目には体調を崩し、休職を迫られるほどでした。

そんな恩田陸は、復職後に、忙しい勤務のかたわらに読んだ酒見賢一の「後宮小説」に衝撃を受けます。以後、勤務のかたわら、小説の執筆に取り組みだしました。就職から4年たち、作家への夢を諦めず、保険会社を退職した恩田陸が書き上げたのが、「六番目の小夜子」です。この作品でデビューをつかみとったものの、奥田陸は、生活が安定するまでは派遣社員として不動産会社で働きながら、作家活動を続けていきます。

その間、初期の代表作となる「常野物語」(とこのものがたり)をはじめ、かなりの数の作品を生み出していたのですから驚かされます。ちなみに、恩田陸は、専業作家となるため、1997年に退職していますが、会社には作家活動については明かしていなかったため、独立して不動産会社を立ち上げるのだと思われていたのだとか。

周囲に明かすこともなく、仕事をこなしながら小説を書き続けてきた恩田陸のバイタリティには頭が下がります。それだけの意気込みがなければ、直木賞をとれる作家にはなれないということなのでしょう。

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