納谷悟朗の銭形警部が忘れられない!弟・納谷六朗との共演作とは?

納谷悟朗の銭形警部が忘れられない!出身やプロフィールは?

納谷悟朗の銭形警部が忘れられない!山寺宏一に変更したのはいつから?

納谷悟朗は、アニメ「ルパン三世」の銭形警部役で知られている声優で、俳優としても活躍していました。ルパンを執念深く追い続ける銭形警部は、“銭形のとっつぁん”の呼び名でお馴染みの正義感に満ち溢れた熱血漢。その銭形警部役を、納谷悟朗は、1971年のテレビ第一作から2010年に放送されたテレビスペシャル「ルパン三世 the Last Job」までの39年間の長きに渡って演じてきました。

残念ながら、2011年12月放送の「ルパン三世 血の刻印 ~永遠のMermaid~」からは、銭形警部のキャストは山寺宏一へと変更になり、2013年3月5日に慢性呼吸不全のため、83歳でこの世を去りました。銭形警部の特徴として定着している「ダミ声」の雰囲気は、山寺宏一へ交代した後も引き継がれています。

納谷悟朗の出身やプロフィールは?俳優を目指したきっかけは?

納谷悟朗は、1929年11月17日に、7人兄弟の五男として北海道函館市で生まれました。妻は、俳優の火野カチ子です。俳優になった最初のきっかけは、京都にある立命館大学に進学した際に演劇と出会い、芝居に興味を持つようになったことでした。

1959年、納谷悟朗は、熊倉一雄に誘われて、劇団兼芸能事務所の「テアトル・エコー」に参加します。これ以降、生涯を通じて「テアトル・エコー」に所属し続けることになります。俳優として活躍する一方で、洋画の吹替えを担当するようになった納谷悟朗は、アニメ作品にも出演するように。

しかし、声優業が今ほど確立されていなかった当時は、「声優」と呼ばれることを嫌い、「声優という呼び方は許さない」が口癖だったとか。たとえ客のいないアフレコ現場でも、客を意識して芝居していたという納谷悟朗は、まさにプロ意識の塊と言えるのではないでしょうか。

納谷悟朗の主な出演作!弟・納谷六朗との共演作とは?

納谷悟朗の主な出演作!洋画の吹替えでも大活躍!

納谷悟朗は、「ルパン三世」銭形警部役の他に、「宇宙戦艦ヤマト」のヤマト艦長・沖田十三役としても有名です。宮崎駿監督作品「風の谷のナウシカ」では、ナウシカが師と仰いでいる腐海辺境一の剣士ユパも演じており、特撮では、「仮面ライダー」に登場するショッカーの首領の声も。「ウルトラマンA」ではウルトラマンエースの声など、表現力を駆使して幅広い役柄を演じてきました。

洋画の吹替えでは、クラーク・ゲーブルや、チャールトン・ヘストン、ロバート・ライアン、ジョン・ウェインなど渋い名優たちの吹替えを担当。モンティ・パイソンの映画ではジョン・クリーズの声を担当していますが、アドリブで言わなければならない台詞も多く、大変だったとか。当時は吹替えができる俳優が少なかったこともあって、洋画吹替えの現場で重宝された納谷悟朗の出演作は100作以上と言われています。

納谷悟朗の弟・納谷六朗との共演作とは?「ルパン三世」での共演について

納谷悟朗には、同じく声優として活動していた納谷六朗という3歳年下の弟がいます。納谷六朗の代表作と言えば、「聖闘士星矢」のカミュ役や、「クレヨンしんちゃん」の園長先生役などです。納谷悟朗と納谷六朗の兄弟共演は、納谷悟朗が銭形警部役を演じている「ルパン三世」の中で比較的多く見られます。

納谷六朗が銭形警部の偽者の声を演じたり、ルパンの変装時の声を担当したこともありました。また、映画「アマデウス」のレーザーディスク特典用のオーディオ・コメンタリーでは、監督ミロシュ・フォアマンの声を納谷六朗が、脚本家のピーター・シェーファーの声を納谷悟朗が担当しています。

納谷悟朗のポリシーと今でも継承される「銭形警部らしさ」の秘密とは?

納谷悟朗は、声優の仕事が増えた後も、「声優である以前に俳優である」というポリシーを崩さなかったそうです。演技の基本はしゃべって動くことだという考えのもと、声優は、自分の中で「動く」ことを意識しながら声だけで表現しなければならないと語っていたと言います。

また、自身が舞台育ちのため、舞台に出演する声優を支援しつつ、ただ声をあてているだけで客を意識しない若手声優が多いことを嘆いていたという納谷悟朗。アニメと舞台が融合した2.5次元ミュージカル出身の声優も増え、客を意識した芝居の出来る声優が育ちつつある近年の動きは、彼が望んだ形に近づいているのかもしれません。納谷悟朗と言えば、なんといっても「ルパン三世」銭形警部役が有名です。

銭形警部を演じ始めた当初は二枚目路線でいこうとしましたが、その後、周りのキャラと差別化をはかるため、三の線を強めに出すようにしたことから、現在よく知られている銭形警部のキャラクターが仕上がります。銭形警部人気は相変わらずで、2017年には、銭形警部を主役に置いたオリジナルストーリーの実写ドラマ「銭形警部」が、日本テレビとWOWOW、Huluの3局で放送され、3種の異なるスリーが展開されたことも話題となりました。

アニメのイメージを崩さないように、「せりふ回しは、僕と納谷さん、山寺さんを足して3で割った感じ」と、納谷悟朗も意識しての役作りだったことを明かしたのは、同作で銭形警部役を演じた鈴木亮平です。現在銭形警部の声を担当している山寺宏一も、自分らしさは二の次にして、なるべく今までの銭形警部に近付けるようにしたいと語っているなど、納谷悟朗の銭形警部の影響は、今でも色濃く残っています。

初代ルパン三世役を演じていた山田康雄と公私ともに仲が良く、「よぼよぼになっても死ぬまで一緒にやろう」と生前に語っていた納谷悟朗。山田康雄の葬儀では、「おい、ルパン!お前が死んだら俺は誰を追いかけりゃいいんだ」と涙ながらに呼びかけました。今頃は天国で、2人のカーチェイスが行われているのかも知れませんね。

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