康芳夫はオリバー君を招致した伝説的プロデューサー!映画「渇き」に出演していた!
康芳夫はオリバー君来日の仕掛人!伝説的プロデューサーの狂気に満ちた演出とは?
康芳夫は、1960年代~1970年代のテレビ業界を、珍妙にして奇怪な企画で沸かせた伝説プロデューサー。あの、オリバー君の来日仕掛人といえば、何となく、そのカテゴリが想像できるでしょう。
1960年に、アフリカで捕獲さたというチンパンジーのオリバー君。頭皮が薄い、人間の女性に発情する、ビールやタバコを嗜むなどといった猿離れした習性を持つ”謎の猿人類”として、当時のアメリカで話題となっていました。人の染色体が46本、チンパンジーが48本に対し、オリバー君は47本というニュータイプだったとか……。
いかにも胡散臭い存在であったオリバー君に目をつけた康芳夫は、飼い主であった弁護士のマイケル・ミラーと契約を交わし、日本での興業権をゲット。チャーター機のタラップを降りる様子から、正装での来日ディナーショー、高級ホテルのスウィートルームに宿泊させるなど、まるでハリウッドスターを迎えるかのように演出しました。薄々分かっちゃいるけれども、熱狂せずにはいられない、そんなバカバカしいことを、真剣にやってのける狂気のキワモノ。それが、康芳夫という男です。
康芳夫が映画「渇き」で77歳の俳優デビュー!表舞台に再来したワケとは?
康芳夫は、オリバー君の他にも、石原慎太郎率いる国際ネッシー探検隊や、アントニオ猪木VSモハメド・アリなど、実にカオスな企画で視聴者を翻弄しました。しかし、”虚業家”を自称する伝説の男は、1970年代以降の表舞台から姿を消してしまいます。
長い長いブランクを経た、2014年。稀代の虚業家が再登場したのは、なんと役所広司主演映画「渇き」のスクリーンでした。映画「渇き」は、深町秋生の原作小説「果てしなき渇き」を、中島哲也監督が実写化した作品。妻夫木聡など人気実力派俳優が勢ぞろいする話題作であり、刺激的かつ不可解な内容から、賛否論争が繰り広げられた問題作です。康芳夫が演じた役は、パチンコ屋など風俗営業店を経営する外国人実業家・趙(チョウ)。
いかにもないかがわしさで、77歳の唐突な俳優デビューを飾りました。それと同時期に、康芳夫は、メルマガ「家畜人ヤプー通信」の発行人として、再注目を浴び始めています。「家畜人ヤプー」といえば、康芳夫が1956年に「奇譚クラブ」で発表した変態SF小説。当時は、ある団体の圧力で敵わなかった「家畜人」映像化を目論んだ末の、映画業界進出だった可能性は大です。
康芳夫の銀座のツケ、資産がすごい!美輪明宏をTwitterでバッサリ!?
康芳夫の銀座のツケは1億円以上!?総資産の謎に迫る!
康芳夫が、伝説のプロデューサーとして活躍した時代のテレビ業界は、ネットが発達した現在に比べて、金の動きが派手でした。その時代の風雲児だった康芳夫の総資産額は、きっと想像を絶するに違いありません。そんな康芳夫が毎夜のごとく銀座へ繰り出し、豪遊しまくっているといっても、全く意外性を感じません。しかし、”銀座のツケは総額1億円以上”と聞くと、懐具合が怪しくなります。
康芳夫は、財布を持たずに出かけては、そのツケを、親交のある富豪たちに肩代わりさせているのだとか。これでは、かつての栄光によって築かれた人脈ありきの、単なる超浪費家です。ただし、身銭を切らないドケチで、膨大な資産を堅守しているという線も捨てきれません。案外、実像はシンプルなのかもしれませんが、何しろ虚業家ですから。謎のベールに包まれていたほうが良いのでしょう。
康芳夫が美輪明宏の正体をTwitterで暴く!?命知らずの大放言が目指すもの
康芳夫が、「家畜人ヤプー」などのメルマガと並行して開始した公式Twitterは、稀に見る大反響を呼びました。特に、Twitterで発信した”美輪明宏の本性”。「宗教とは、神と人間の間で商売をすること」という美輪明宏の発言を取り上げ、「まさにYOUのことではないのか?」という大放言は、かなり衝撃的でした。
他にも、某国のVIP待遇を受けるデヴィ夫人などに対し、タブー発言を次々と展開しています。あまりに過激な内容は、時に生命の危機を感じさせる場合もありますが、世に出回るメルマガやTwitterの刺激のなさを憂慮したという康芳夫。彼が、あえて命を賭してまで危険発言をするのは、「一石を投じてやりたい」という想いがあったからだといいます。
その先駆けとして発信した美輪明宏やデヴィ夫人ネタは、本人にとって、かなりの手応えがあった模様。行き付く先は、”閉塞的な社会の改革”らしいですが、命あってこその話ですから……。とはいえ、いくつになっても果敢な姿勢を崩さないエネルギーには脱帽します。
康芳夫の虚人として生き続けた79年!まだ新しい思想形態を発表するつもりらしい!?
康芳夫のブラックジョークは、常人の考えるそれを、常に凌駕するものでした。いかにバカバカしい発想であれ、目的のためには、手段を選ばない康芳夫。最も命の危機に晒された企画といえば、やはり、1972年のアントニオ猪木VSモハメド・アリでしょう。その裏には、ボクシング連盟との対決はもちろんのこと、アンダーマネーの問題や、黒い組織との交渉といった、ギリギリの攻防戦が繰り広げられました。
しかも、信者でも何でもないのに、宗教に入信してまで便宜を図るという精神性は、かなり理解し難いものです。世界を股にかけて暗躍してきた康芳夫は、こうして国際暗黒プロデューサーの名を冠することに。その目指すところは、全てを超越した無の世界。「どうせみんな死ぬのだから、何でもいいんですよ」と言い続けて、今年で79歳と相成りました。そして、世界を揺るがさんとする意気込みはまだまだ絶えることなく、現在は、”全く新しい思想形態”を発表する準備を着々と進行中。
2016年9月1日に発売される平井有太の著書「虚人と巨人-国際暗黒プロデューサー康芳夫と各界の巨人たちの饗宴」は、そんな康芳夫の思想哲学を大解剖する指南書となっているそうです。1937年、東京神田生まれ。中国人の父と、日本人の母の次男として誕生した康芳夫は、東京大学卒の超エリート。何とかと天才は紙一重と申しますが、まさにそれを体現したようなお方です。