三浦しをん小説「舟を編む」あらすじネタバレ!実写映画のキャストは?

三浦しをん小説「舟を編む」あらすじネタバレ!経歴、プロフィールは?

三浦しをん小説「舟を編む」は本屋大賞のオモシロ本で映画化して大ヒット

三浦しをんの小説「舟を編む」、そして映画「舟を編む」の成功は、まずそのキャッチ―なタイトルにあるといえるでしょう。「舟を編む」とは、辞書は言葉の海を渡る舟であり、編集者は、その海を渡る舟を編んでいくという意味だそうです。

三浦しをん「舟を編む」の主人公は、変わり者でコミュケ―ション下手の若い編集者。13年の歳月をかけて、新たな辞書の編集に携わることで、多くの先輩や人々と関わり、また恋人との出会いを通じて、自らも成長していくという、王道の青春ドラマともいってよいストーリーです。一般にはほとんど知られていない辞書の編集という設定も、読者に大きな興味を抱かせました。

一方、映画版「舟を編む」は、若干30歳の俊英監督、石井裕也が、辞書編纂の世界を、静謐なタッチで描くことで、古き良き日本映画のような仕上がりに。これにより、第37回日本アカデミー賞最優秀作品賞や、最優秀監督賞、芸術選奨新人賞など、国内の映画賞を数多く受賞しています。

「舟を編む」で主演した松田龍平は、これまでのイメージとは一新、ちょっと変わった普通人を演じて、見事に役者としての新境地を開きました。また、ベテラン俳優の加藤剛や渡辺美佐子、若手実力派俳優のオダギリジョーや宮崎あおいなど、新旧演技派の自然で抑えた演技も、映画をより味わい深いものにしています。

三浦しをんは29歳で直木賞を獲った気鋭の女性作家

三浦しをんは、1976年生まれで現在39歳。「舟を編む」のような味わい深い作品を書いたのは、どんなべテラン作家かと考えてしまいますが、2006年に「まほろ駅前多田便利軒」で直木賞を受賞したばかりの気鋭の女流作家でした。早稲田大学文学部在学中は、編集者を目指して就職活動をしていましたが、結局、20社の出版社の面接に失敗した三浦しをん。卒業後は、外資系出版社で事務のアルバイトに就いたものの、英語でかかってくる電話に対応できず、わずか約3カ月で辞めてしまい、しばらくは、古本屋でアルバイトをしていたそうです。

しかし、早川書房の入社試験で担当面接官だった村上達朗が、三浦しをんに執筆の才能を見出し、作家になることを勧めたことから、小説を書き始めます。すると、三浦しをんは、2005年「私が語りはじめた彼は」で山本周五郎賞候補に、「むかしのはなし」で直木賞候補となり、翌2006年、若干29歳にして「まほろ駅前多田便利軒」で直木賞を受賞するまでになりました。映画化もされたヒット作「舟を編む」は、2012年の本屋大賞に選ばれています。

三浦しをんはエッセイも面白かった!おすすめ作品は?

三浦しをんのエッセイは妄想爆発で大人気!

三浦しをんは「舟を編む」に見られるような物語性の高い作品を描ききる創造性のほかにも、作家として欠かせない資質をもう1つ持っています。それは、飽くなき妄想力です。それらは三浦しをんのエッセイで存分に発揮されており、小説とは別の人気を誇っています。エッセイでの、三浦しをんの過剰なまでのサービス精神は、シンガーソングライター中島みゆきがDJなどでみせる偽悪志向にも通じると考えられるでしょう。では、三浦しをんのエッセイを一部ご紹介しましょう。

三浦しをんが、友人たちと、京都は哲学の道を歩いていて、盆栽を見つけます。盆栽をきっかけに、彼女たちは妄想モードに突入。牡丹ピンクは、元男だけど性転換した……その理由は、牡丹ピンクは梅レッドが好きで告白したが、「お前が女だったら考えてやる」と言われたから。そしてボンサイダーが戦っているのは、セイタカアワダチソウタロウ博士率いる松食い虫軍団!などという、荒唐無稽の妄想会話が交わされています。

三浦しをんが、世代的に、オタクや、やおい世代に近いことも、三浦しをんのエッセイがウケる理由の1つなのかもしれません。三浦しをんのエッセイとしては、すでに「あやつられ文楽鑑賞」「悶絶スパイラル」「ビロウな話で恐縮です日記」などが発売されています。

三浦しをんおすすめ作品は「まほろ駅前多田便利軒」!

三浦しをんは、「まほろ駅前多田便利軒」「天国旅行」「月魚」など、「舟を編む」と他の作品を読み比べてみてもらえれば分かりますが、いろいろなジャンル、タッチの小説が書ける器用な小説家といえます。自らが編集者を目指していたことからも、読者にウケる作品がどんなものかを考えている作家ではないでしょうか。いち早く世に認められたのは「舟を編む」でしたが、次におすすめするならば、第135回直木賞受賞作「まほろ駅前多田便利軒」シリーズはいかがでしょうか。

「まほろ駅前多田便利軒」は、便利屋という今の風俗を借りた、新手のハードボイルドといってよく、瑛太&松田龍平のコンビで、映画、テレビドラマともにシリーズ化されています。どこか懐かしさを感じさせるテイストながら、なかなか重苦しいテーマを扱っている本作。その魅力にはまり、続編となる「まほろ駅前番外地」「まほろ駅前狂騒曲」とあわせて、一気読みしてしまわないようご注意を。

三浦しをん「舟を編む」が、この秋、堂々のアニメ化!主人公に櫻井孝宏でアニメファンも大注目

三浦しをんの「舟を編む」は、小説だけでなく、2013年に映画化されたことでも大ヒットしました。そして2016年秋、今度は、フジテレビの深夜枠「ノイタミナ」で、アニメ化されることが発表されています。声優陣には、主人公の光也役に、「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ」や「ジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない」の櫻井孝宏が。

軽薄で、辞書編集に興味を持たない先輩、西岡正志役に、「〈物語〉シリーズ」、「夏目友人帳」の神谷浩史。光也の恋人になる林香具矢役には、「ゴッドイーター」「アルスラーン戦記」の坂本真綾が起用されるなど、その超豪華な布陣に、アニメファンの間では、すでに大きな盛り上がりを見せています。

アフレコを見学した三浦しをんは、「今の段階でこんなに素晴らしいということは、完成品をテレビで拝見したら、私はどうなってしまうのでしょうか。感激死しないよう気をつけます」と、いつもの調子で大絶賛!原作者のお墨付きとは、ますます期待が高まるというものですね。

「舟を編む」は、読書家、映画ファン、そしてアニメおたくと、全く異なる人々に広く支持された、まさにマルチメディアミックスのお手本的コンテンツといえます。ただし、三浦しをんのこの器用さが、小説家として今後どうなっていくのかは、次回作に注目したいものです。

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