吉田類、新月9の酔いどれおやじって一体何者?
吉田類の酒場放浪記は、おじさんたちの月9
最近テレビが面白くないというあなた。新月9、おやじたちの月9と呼ばれ、密かなブームになっている番組があるのをご存じですか。そんな番組ある?はい、BS-TBSで毎週月曜日の9時から放送されている「吉田類の酒場放浪記」です。
実はなんとこの番組、2003年にスタート。当初はBS放送の穴埋め企画だった番組が、BS番組としては異例の年またぎ特番となり、「おんな酒場放浪記」や地方の酒場版など、様々なスピンオフ企画を生み出しています。今では新月9と呼ばれるようになったこの番組の、人気の秘密を探ってみましょう。
吉田類 絵、イラストも大人気!いったい何者?
この番組を語るには、番組唯一の出演者でありナビゲーターである、吉田類を語らないわけにはいきません。吉田類。1941年生まれ、65歳。今でこそ酒場ライターというような肩書きがありますが、前半生の経歴が、これほどよくわからない人も他にいません。出身は、日本一の清流仁淀川がある、高知県仁淀川町の出身で、中学高校時代は京都で過ごし、学生運動華やかなりし頃は、現代アートの芸術家を目指し、ニューヨークやヨーロッパを放浪。30代半ばで帰国して、バブル時代はイラストレーターを生業とし、1990年代からは酒場や旅に関するライターとしても活動。それが縁で2003年より、この番組のナビゲーターとなったそうです。ある意味では、昭和団塊世代の一典型といってよい経歴ですが、これら情報のほとんどが本人談であり、ほんとうのところ、誰も彼のことをよく知らないのです。
吉田類 チャリティイベントも開催!放浪していただけじゃなかった!
吉田類の酒場放浪記で、バーチャル飲み屋体験
番組のキャッチコピーは、「酒場という聖地へ酒を求め、肴を求めさまよう」とあります。1人の初老の男がふらりと居酒屋に入って、酒を頼み、肴を選んでただ飲むだけ。特別饒舌というわけでもなく、店にこびることなく、店の常連と話すきっかけができても、特に相手を深堀りすることもありません。彼独特のファッションや風貌も注目の的。基本黒づくめで、頭にはベレー帽かハンチング帽。しかしこのファッションがまた、不思議と町のくすんだ居酒屋とマッチして、違和感がないのも不思議です。そしてふらりと店を出た吉田類は、今日もしっかり酔って上機嫌。そこで一句ひねって、また夜の巷へと消えていくのです。このなんとも不思議な番組を見ていると、自分もその店で一杯飲んでいるような気分になることが、人気の秘訣なのでしょうか。
吉田類 チャリティイベント「吉田類と仲間たち」も大盛況!
一人酒の極意の極めた達人のような吉田類には、今では多くのファン、信奉者がいて、彼が主宰する句会や、東北大震災復興チャリティと銘打った「吉田類と仲間たち」という飲み会イベントも大盛況だそうです。最近は、福岡版酒場放浪記のムック本を記念して、彼のフィギアストラップ「ルイルイストラップ」まで発売されるという人気ぶりです。また、出身地である高知県も彼の人気に目をつけ、吉田類は、高知県観光特使、仁淀川町観光特使に任命されています。
これだけ売れても飄々融通無碍なスタイルは一向に変わることなく、プライベートが見えない彼には、その優しげな話しぶりからゲイ説まで出る始末。しかし、どうやら彼は独身らしく、今や孤高の酒仙人といった境地。ますますこれからも、彼の飲みっぷり、酔いっぷりが注目されることでしょう。
吉田類の出身地、高知県吾川群仁淀川町ってどんなとこ
吉田類の出身地、高知県吾川群仁淀川町は清流「仁淀ブルー」の町
高知県吾川郡仁淀川町は、高知県ほぼ中央の山中にある町。町の西から東へと流れる仁淀川は、四国の霊峰石鎚山を源流とし、全国一の水質を誇る清流です。2012年にNHKスペシャル「仁淀川青の神秘」で、その美しさを「仁淀ブルー」として紹介したことから、その後多くのメディアで話題となり、最近では、この美しい清流を求めて、全国から多くの観光客が訪れています。仁淀川は、四万十川、吉野川に次ぐ四国第3の河川で、その流域は、鮎釣りのポイントとして有名です。また毎年3月には、稚鮎の親子で放流体験ができるイベントも開催されています。さらに仁淀川漁協では、モクズガニ稚魚の放流を行い、清流と漁業資源の保護に努めています。
吉田類の出身地、高知県吾川群仁淀川町は希少ガニが育つ町
高知ではツガニと呼ばれるモズクガニは、淡水で育つカニで、産卵期にカニコ(内子、卵巣)を抱いたメスが最高のご馳走といわれています。またエガニと呼ばれるノコギリガザミもまた、上海ガニと似た形と味を持つカニで珍重されています。そして、これらの貴重なカニは、川のりのアオサを食べて生育しています。そしてまたアオサも、清流でしか育つことはできません。これら高知を代表する名物は、清らかな清流が生んだ、奇跡の産物といっても過言ではありません。