伊達公子が若い頃に引退を選んだ思いは?2度目の選手生活を終えて見つけた使命

伊達公子が若い頃に引退を選んだ思いは?2度目の選手生活を終えて見つけた使命

伊達公子が若い頃に引退を選んだのはプレッシャーが理由?


伊達公子のプロフィール
◆生年月日:1970年9月28日
◆出身:京都府
◆身長・体重:163cm・53kg
◆血液型:B型
◆出身高校:園田学園高校
◆世界ランキングキャリア最高位シングルス4位

伊達公子の現役時代の活躍を振り返り!急成長のきっかけは?

日本を代表するテニスプレイヤーとして、平成のスポーツ史に名を刻んだ、伊達公子(だてきみこ)。テニスクラブに通っていた両親に影響され、小学1年生の頃に、テニスを始めました。

高校生になると、強豪の園田学園女子テニス部に入部。1年生の頃はインターハイの県予選で敗れていた伊達公子ですが、2年生の時に急成長し、「もう高校生には負けないかな」と感じたのだそう。

2年生に上がる直前から、恩師・小浦猛志がコーチを務めるクラブに通い始めたのが1つのきっかけになったようです。そして3年生になると、インターハイで単・複・団体の3冠を制します。

高校卒業後の1989年にプロデビューを飾り、1994年にはオーストラリアのニュー・サウスウェールズ・オープンで海外初優勝。直後の全豪オープンでは初の4大大会ベスト4進出を果たし、WTA世界ランキングは9位まで上がりました。

翌1995年、東レパンパシフィックオープンにて、決勝でダベンポートを圧倒して優勝。リプトン国際で準優勝、全仏オープンベスト4など素晴らしい成績を収め、自己最高のランキング4位まで上昇しました。

伊達公子がテニスを嫌いになったのはナゼ?

海外を転々とするツアー生活やトップレベルでプレイし続けるプレッシャーに耐えきれなかったのか、伊達公子は25歳の若さで現役を引退します。

2022年7月17日放送の「ボクらの時代」では、当時の心境を振り返りました。トップ10に入った途端、ランキング表を見なくなるなど、大きなプレッシャーを感じていたと話す伊達公子。1度目の引退直前には、もはや「テニスが嫌い」とまで感じていたのだとか。

引退を選ぶほど追い込まれていたのは、試合のルール変更も関係していたようです。当時のルールは、ランキング上位の選手に勝つとボーナスポイントが支給されるというもの。”トップ10キラー”と呼ばれるほど、上位の選手に強かった伊達公子にとって有利でしたが、1997年にこれが廃止されます。

上を目指し続けることに限界を感じた伊達公子は、数々の伝説を残して、25歳で引退を決意します。

伊達公子が現役復帰で再び伝説に!

伊達公子が現役復帰してダブルスを組んだペア

一旦現役を離れて12年の月日が経った2008年、伊達公子は37歳で現役復帰しました。きっかけの1つは、同年3月に行われたエキシビションマッチで、シュテフィ・グラフやマルチナ・ナブラチロワと対戦したことでした。

復帰の際「引退した時はテニスのことが好きではなく、テニスと少し距離を置いていた。今は『テニスは素晴らしい』と思えるようになった」と、テニスへの愛が復帰の要因であると語っています。

現役復帰後は、2010年に全仏オープン1回戦突破。39歳7ヶ月での勝利は同大会史上2番目の年長白星の記録となっています。

2012年1月には、全豪オープンで錦織圭とミックスダブルスでペア出場も果たしました。WTAダブルスランキングでも2015年に一時28位まで上げ、その実力と経験を生かして活躍しました。

伊達公子の引退会見でまさかのサプライズ?

37歳で現役復帰を果たし、活躍を続けていた伊達公子ですが、2016年2月21日、ブログで、前年の秋から痛みを感じていた左膝の手術を受けたことを明らかにしました。術後は懸命にリハビリに励んだものの、万全の状態にするのは難しく、2度目の引退を決意します。

2017年9月に行われた引退会見には、笑顔で登場した伊達公子。プロ生活を続けられた原動力は何かと問われると、「テニスが好き。スポーツが好きだから」と答えました。

サプライズで読まれた錦織圭からの手紙には、「多くの後輩たちもみんな(伊達公子から)刺激をもらって、切磋琢磨できていた」と書かれており、改めて伊達公子の影響力の大きさが感じられます。

伊達公子のプロジェクトがアツい!今後に期待大

2017年に選手を引退してからも、伊達公子はテニス界にいかに貢献していくかを考え続けていました。

早稲田大学大学院スポーツ科学研究科へと進学し、国内のテニスコートと育成・強化の関連性について研究するなど、実際に行動に移しています。

そして2019年からは、女子選手の若手育成プログラムである”伊達プロジェクト”を始動。このプロジェクトは、グランドスラムジュニアを目指すことをテーマに掲げています。

伊達公子はインタビューで、日本の女子選手を世界に近づけることが、自身の使命だという思いを明かしていました。言葉通り、”伊達プロジェクト”2期生の木下晴結は、2022年に行われた全豪オープングランドスラムJrに出場するという結果を残しています。

伊達公子本人も、高校時代にコーチとの縁で大きく成長しました。「好き」と思えるテニスとの向き合い方を含め、プロジェクト参加者に伝えられるものは、技術だけにとどまらないことでしょう。指導者・伊達公子のもとで学んだ選手が、世界に名を残すプレーヤーとなる日も近いかもしれません。

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