村田諒太はオリンピック金メダリストからプロ転向!実は引退するつもりだった!?
村田諒太のロンドンオリンピック金メダル獲得までの道のり!一度は引退も
村田諒太は、ロンドンオリンピックボクシングミドル級の金メダリストで、その後、ミドル級のプロボクサーに転向しています。中学校時代にボクシングを始めた村田諒太は、南京都高等学校に進学し、高校2年の時に、選抜・総体・国体の高校3冠を達成したほか、3年生の時にも、選抜と総体で優勝を飾りました。
東洋大学に進学してボクシング部に所属し、2004年に全日本選手権で初優勝を成し遂げています。しかし、思うように戦績が伸びなくなってしまった村田諒太は、北京オリンピックの出場権を得られなかったことから現役を引退。そのまま東洋大学に就職し、ボクシング部のコーチとして勤務していました。その最中の2009年に、東洋大学ボクシング部の元部員が覚せい剤取締法違反で逮捕され、部の活動が自粛されたことをきっかけに、ボクシング部の名誉回復を願って自らが現役復帰。
2009~2011年まで全日本選手権を3連覇するという強さを見せました。以後のアマチュア戦績は順調で、ロンドンオリンピックのミドル級の試合では、ブラジルのエスキバ・ファルカオを破って金メダリストとなっています。
村田諒太は引退するつもりだった?アマチュアの引退勧告でプロに転向!
ロンドンオリンピックで見事に金メダリストになった村田諒太には、世間からはもちろんのこと、国内外のプロボクシング団体からも熱い視線が注がれていました。そのため、アマチュアとして戦い続けるのか、プロに転向するのか、はたまた引退か……村田諒太の去就に大きな注目が集まりました。そして、プロ団体のAPBから参加を要請されると、現役引退の可能性があるため辞退するとの意向を示しました。
これによって「金メダリストが早くも引退か?」と騒がれるようになった村田諒太。そして紆余曲折の末、信義則違反を理由に、アマチュア選手としての引退勧告を受ける結果となりました。そのため、プロ転向を決意した村田諒太。騒動の最中に思い起こした「オリンピックで金メダルを獲ったら、プロに転向してラスベガスでやる」という夢を実現させるため、再び動き出します。プロデビューは、2013年に行われた有明コロシアムでの日本スーパーウェルター級王者の柴田明雄戦でした。ここで見事にTKO勝利を飾った村田諒太は、幸先の良いスタートを切っています。
村田諒太がつかんだ世界タイトルマッチ!まさかの判定負けに世間の反応は?
村田諒太がつかんだミドル級世界タイトルマッチ!WBA世界ミドル級王座は誰だ!
プロとしてのデビュー戦でいきなり勝利を収めた村田諒太は、日本ミドル級1位にランクインしました。そこから実戦経験を積み重ねて、2015年には、夢だったラスベガスデビューを果たし、判定勝ちを収めています。その後も順調で、2017年3月に更新されたWBA(世界ボクシング協会)・WBO(世界ボクシング機構)ランキングでは、ともに世界ランキング2位に。
こうして、WBA世界ミドル級の暫定王者かつ世界ランキング1位のアッサン・エンダムとの対戦が組まれました。アマチュアボクシングで金メダルを手にした村田諒太が、いよいよプロの世界でタイトルマッチに挑戦する権利をつかみます。世界王者のベルトを目指す村田諒太とアッサン・エンダムとの対戦は、大きな注目を集め、2017年5月20日に有明コロシアムで開催。しかし12回ラウンドの末、1-2の判定負けを喫し、王座獲得のチャンスを逃してしまいました。
村田諒太がまさかの判定負け!世間の反応は?
有明コロシアムで行われたタイトルマッチは、4回ラウンドに得意の右でアッサン・エンダムからダウンを奪い、村田諒太が優勢とみられる試合でした。しかし、村田諒太の判定負けが決まり、「不可解判定」として世間の注目を浴びることに。ネット上には、「どう見ても村田諒太の勝利」「ダウンを奪ったのは村田なのにどうして?」と、結果への違和感を訴える声があふれました。手数が少なかった村田諒太が負けるのは、現在の採点システムでは仕方ないとの意見もあったものの、ジャッジの不正を疑う声まであがりました。
さらに、試合直後にWBA会長が、「私のスコアは117-110で村田の勝利。このひどい判定によるダメージを修復する言葉はない」とコメントするなど、異例ともいえる展開になりました。こうした中、5月24日に、JBC(日本ボクシングコミッション)が採点内容に関する抗議文書を提出。翌25日には、WBAより、アッサン・エンダムを勝ちとしたジャッジを6カ月間の資格停止としたことや、村田諒太とアッサン・エンダム2人に再戦を命じたことなどが発表されています。
村田諒太が世界に再挑戦か?アッサン・エンダムとも対面!
村田諒太の世界王者挑戦の試合結果は、思わぬ波紋を広げる結果となりました。WBAが、村田諒太とアッサン・エンダムに、他の試合を挟まずに再戦することを要求したといいますが、同じ対戦相手との試合を続けて行うことはないボクシング界において、これはかなり例外的な措置だと言えます。
さらに、判定に疑いが生じることの再発防止策として、立会人による採点や、4人目のジャッジを導入することも検討されているとか。これは、今後のボクシングの試合にも、さまざまな影響を及ぼすことになるでしょう。当の村田諒太は、判定負けを喫した直後は困惑した表情を見せたものの、「僕が決めることではない」「変な予感がしていた。有効打ではなく、ジャブの手数を見られたのだと思う」と、冷静にコメントしていました。
試合翌日は、対戦相手だったアッサン・エンダムと握手を交わして談笑し、「昨日の敵は今日の友」といった清々しい態度も見せています。5月30に緊急放送されたNHK「クローズアップ現代+」に出演した村田諒太は、武田真一アナのインタビューに、「ボクシングに対する情熱は全く冷めることなく、むしろ火に油を注がれたぐらいの気持ち」と力強く答えました。「自分自身の成長のためには、非常にいい経験だった」と語り、現役続行とチャンピオンベルト奪取への意欲がふつふつと湧き上がってきているようです。